介護施設のユニフォームを見直すとき、見た目だけで候補を絞ると、入浴介助では乾きにくく、移乗介助では肩まわりが窮屈という問題が起こります。反対に、動きやすさだけを優先すると、利用者やご家族に与える印象が施設の方針と合わないこともあります。選定の起点は、職員が行う動作と、洗濯して次に着るまでの時間です。この記事では、素材、色、ポロシャツとスクラブの違い、サイズ、名札、洗い替え、入れ替えまでを順に整理します。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

結論:介護の制服は「動作」と「洗濯回数」から決める

介護ユニフォームは、カタログの人気順ではなく、負荷の大きい動作と洗濯サイクルから選ぶと判断がぶれません。まず、移乗、体位変換、食事介助、排泄介助、入浴介助、記録業務のうち、どの仕事で服に負担がかかるかを職種別に確認します。次に、施設内で洗うのか各自で洗うのか、回収から返却まで何日かかるのかを並べます。

現場の声を集めるときは、「今の制服に満足していますか」という広い質問だけでは足りません。「腕を前へ伸ばすと背中が張るか」「しゃがむと裾が上がるか」「汗をかいた服を次の勤務までに乾かせるか」と、場面を限定して聞いてみてください。動きやすさや洗濯の不満が、仕様に置き換えやすくなります。

先に確認すること見る場面ユニフォームへ反映する条件
上半身の動作移乗、体位変換、ベッドメイク肩・背中のゆとり、ストレッチ
下半身の動作しゃがむ、中腰、立ち座り股上、裾、腰まわりの伸縮
水分と汗入浴介助、清掃、夏場の移動速乾、肌離れ、透けへの配慮
洗濯の流れ回収、洗浄、乾燥、返却必要着数、耐洗濯性、記名方法
対人印象利用者対応、面会、送迎色、衿の有無、施設内の統一感

全職員を一つの型にそろえる必要はありません。介護職、看護職、リハビリ職、事務職では、動作も利用者との接し方も違います。共通の色や名入れで統一感を持たせながら、職種ごとに型や素材を変える方法も検討できます。

動作と洗濯から「必須条件」を決める 負荷の大きい介護動作 腕を伸ばす・しゃがむ・中腰になる 水や汗でぬれる場面を特定する 洗濯サイクル 回収 → 洗浄 → 乾燥 → 返却 次の勤務までの時間と着数を確認する 必須か、希望か 優先順位をつける 動作性 肩・背中のゆとり、ストレッチ 水分対策 速乾、肌離れ、透けへの配慮 洗濯・運用 耐洗濯性、必要着数、記名方法 対人印象 色、衿の有無、施設内の統一感 困る場面 × 次に着るまでの時間 = 施設に必要な仕様
動作と洗濯サイクルを先に整理し、好みではなく必須条件から候補を絞る

候補が多いときは、必須条件と希望条件を分けます。たとえば「腕を上げても突っ張らない」「勤務間に乾く」は必須にし、「全員が同じ型」「装飾的な配色」は希望に置きます。先に優先順位を決めておけば、職員の好みが分かれても、施設として説明できる選択になります。

「どれが介護向けですか」と聞かれたら、最初に一番つらい動作を伺います。

服の名前より、困っている場面が分かるほうが候補を早く絞れますよ。

入浴介助・排泄介助で必要になる条件

入浴介助では、湯気、汗、飛沫で服が湿りやすくなります。乾きにくい生地は重さや張り付きが気になり、その後の業務まで不快感が残ることがあります。上衣は速乾性と肌離れを見ながら、濡れたときの透け方もサンプルで確認したいところです。

袖や裾が長すぎると、水に触れやすいだけでなく、介助中に設備や物へ引っ掛かるおそれがあります。半袖でも袖口が広すぎれば、腕を上げたときに脇が見えやすくなります。着丈、袖丈、袖口の広さを、直立した姿だけで決めないことが大切です。

排泄介助では、汚れが付いたときに気付きやすい色か、洗濯後に汚れが残っていないかを確認しやすいかも選定材料になります。ただし、白や淡色だけが正解ではありません。汚れの見え方、透け、利用者が感じる清潔感を並べ、施設の衛生手順に合う色を選びます。

介助動作で試すこと

  • 両腕を前と上へ伸ばして背中が張らないか
  • 深くしゃがんでも腰や背中が出ないか
  • 前かがみで胸元が開きすぎないか
  • 濡れた状態で生地が肌へ張り付かないか
  • ポケットの中身が利用者へ当たらないか

試着では、空のポケットで動くだけでは実際の負担を再現できません。普段入れている物と同程度の重さを入れ、ベッド柵や車いすの近くで想定動作を行います。安全のため、試着確認は利用者への実介助ではなく、職員同士の模擬動作で行うのがよいでしょう。

入浴介助を想定してユニフォームを試着する職員
装備を重ねた状態でも動きを確かめます(イメージ)

エプロンや入浴介助用ウェアを重ねる施設では、上衣単体ではなく重ねた状態も見ます。衿やファスナーが当たる、背中だけ熱がこもる、裾が重なって動きにくいといった問題は、単体試着では見落としがちです。現場で使う装備を一式そろえて確かめると、採用後のずれを減らせます。

制服と、標準予防策で使う防護具は役割が違う

ここで一つ切り分けておきたいことがあります。厚生労働省老健局の「介護現場における感染対策の手引き」では、標準予防策(スタンダード・プリコーション)として、手洗い、手袋、マスク・ゴーグル、エプロン・ガウンの着用と取り扱いが挙げられています。排泄物や嘔吐物を扱う場面で身体を守るのは、この使い捨ての防護具の側です。

制服は、その下で一日中着ているものです。汚れが見えやすい色を選ぶことも、速乾性を見ることも意味がありますが、制服の性能で防護具の代わりをさせることはできません。「汚れにくい生地にしたから」とエプロンの着用が省かれると、対策としては後退します。制服の選定と、防護具の運用は、別の話として決めてください。

逆に言えば、制服に求めるのは「防護具を正しく着けたうえで、一日働けるか」です。エプロンやガウンを重ねたときに動けるか、脱ぎ着のたびに引っ掛からないか、汗をかいたあと乾くか。施設の感染対策の手順書と、制服の仕様は突き合わせておくと、現場で片方だけが守られる状態を避けられます。

素材選びは速乾・防汚・伸縮を分けて考える

「高機能素材」と一括りにせず、何を解決する機能なのかを分けて見ます。速乾は濡れた後の乾き、防汚は汚れの付きにくさや落としやすさ、ストレッチは動作への追従に関わります。一つの機能表示だけで、介護現場のすべての困りごとが解消するわけではありません。

ポリエステルの比率が高い生地は、一般に乾きやすく、形が崩れにくい商品が多く見られます。一方で、熱のこもり方や肌触りは編み方や生地の厚さでも変わります。綿を含む生地は肌触りの好みと合う場合がありますが、乾燥時間や縮みも含め、商品ごとの洗濯表示と機能説明を確認してください。候補を絞る前に、綿・ポリエステル・ストレッチ素材の違いも現場の動作や洗濯条件に照らして比べると判断しやすくなります。

機能役立つ場面確認したい点
速乾入浴介助、発汗、短い洗濯間隔生地の厚さ、乾燥方法、肌への張り付き
防汚・撥水食事介助、排泄介助、水仕事対象となる汚れ、加工の耐久性、再加工の可否
ストレッチ移乗、中腰、腕を伸ばす動作伸びる方向、戻り、洗濯後の形
通気入浴介助、夏場、動きの多い職種透け、インナーとの組み合わせ
制電など設備や業務上必要な場面施設の用途と商品仕様が合うか

伸びる生地でも、サイズが小さすぎればポケットや縫い目へ負担が集中します。逆に大きすぎる服は、余った生地が物へ触れやすくなります。機能性は適正サイズで着たときに生かしやすい、と考えておくとよいでしょう。

洗濯条件も見逃せません。家庭洗濯を前提にした商品と、施設や外部業者での洗浄を想定した商品では、適する温度や乾燥方法が異なる場合があります。使用する洗剤、漂白、乾燥機の有無、アイロンの要否を洗濯担当者へ確認し、候補商品の表示と照らし合わせます。

注意

「防汚」「抗菌」「消臭」などの表示は、対象、試験方法、効果の範囲が商品ごとに異なります。施設で必要な性能を言葉の印象だけで判断せず、カタログや仕様書の説明を確認してください。

数値や機能名が同じでも、着心地まで同じとは限りません。候補を少数に絞ったら、複数の体型と職種で一定期間の試着を行い、洗濯後の乾き、毛玉、色落ち、衿や裾の形も記録します。新品を着た瞬間の感想だけではなく、洗った後の状態まで比べることが選定の近道です。

利用者に与える印象と色の考え方

介護施設の制服は、職員が働きやすいだけでなく、利用者が相手を見つけやすく、話しかけやすいことも求められます。濃色は落ち着いた印象をつくりやすい一方、施設全体が暗く見えることがあります。明るい色は親しみを感じやすい場合がありますが、汚れや透けとのバランスが必要です。

色を決める前に、「温かさ」「落ち着き」「活動的」「医療との連携が伝わる」など、施設が利用者へ届けたい印象を二つか三つの言葉にします。その言葉に合う候補を選び、床、壁、カーテン、名札の色と一緒に見てください。カタログの白い背景だけで見た色は、施設内では違って感じられることがあります。

職種を色で分ける方法は、利用者やご家族が役割を見分ける助けになります。ただし、区分を増やしすぎると覚えにくく、異動や応援勤務のたびに在庫が分かれます。職種別に色を変えるなら、利用者へどう案内するか、在庫を何種類持つかまで同時に決めます。

介護ユニフォームの明るい色と落ち着いた色の比較
内装や利用者からの見え方も色選びに含めます(イメージ)

認知機能や視覚に配慮が必要な利用者もいるため、細かな柄や強いコントラストがどう見えるかは、施設のケア方針と合わせて確認します。すべての人に同じ印象になる色はありません。利用者に日常的に接する職員、ケアの責任者、施設運営側で候補を見ると、一部の好みだけに寄りにくくなります。

色見本だけでは、施設に置いたときの明るさまで分かりにくいんです。

候補を現場へ持ち込み、利用者から見える距離でも確認してみてください。

ポロシャツとスクラブ、どちらを選ぶか

ポロシャツは衿があり、介護施設の日常着として親しみのある印象をつくりやすい型です。スクラブは胸元が比較的すっきりし、医療・ケア職としての統一感を出しやすくなります。どちらが上という関係ではなく、接遇の見せ方、動作、洗濯方法、重ね着で決めます。

比較項目ポロシャツスクラブ
見た目日常的で親しみを持たれやすい職種の識別や専門性を表しやすい
首まわり衿と前立てがあるかぶり型が多く、形は商品で異なる
動きニット生地は伸びやすい商品が多い脇や背中の設計、スリットを確認したい
収納胸ポケットの有無を選べる複数ポケットの商品も多い
重ね着カーディガンなどと合わせやすいインナーとの衿元の見え方を確認する

ポケットが多いと便利に見えますが、物を詰め込むと介助時に利用者へ当たり、前かがみで落とすこともあります。収納量ではなく、何を携帯する必要があるかを先に洗い出してください。端末や鍵など重量のある物は、服のポケットへ入れず別の携行方法が適する場合もあります。

上下を同じシリーズでそろえるスクラブは、見た目を統一しやすい反面、パンツのサイズ適合も一緒に考える必要があります。上衣は合ってもパンツの股上や太ももが合わない人がいるため、上下別サイズで支給できるかを確認します。ポロシャツと既存パンツを組み合わせる場合も、色落ちの差や丈のバランスを試着で見ます。

ポイント

受付や面会対応ではポロシャツ、医療的ケアの多い部署ではスクラブというように、接する相手と業務で型を分ける方法もあります。共通色や同じ加工を使えば、型が違っても施設の統一感を保ちやすくなります。

初回から全員分を決める前に、ポロシャツとスクラブを同じ評価項目で試します。腕の上げやすさ、胸元、裾のずれ、乾き、ポケット、利用者からの見え方を点検すると、単なる好みではなく業務に基づいて比較できます。

あわせて読みたい女性用作業服の選び方記事を読む

サイズ展開と体型の幅を支給前に確かめる

サイズ表の記号が同じでも、商品が変われば肩幅、胸囲、着丈、袖口は変わります。現在の制服でLを着ている人が、新しい制服でもLとは限りません。申告だけで集計せず、候補商品の実物を複数サイズ用意して試着します。

試着では、鏡の前で立つだけでなく、腕を伸ばす、しゃがむ、椅子へ座る、前かがみになる動作を行います。胸や背中に横じわが強く出る、裾が持ち上がる、首元が開く場合は、サイズまたは型が合っていない可能性があります。大きいサイズへ替えるだけで解決せず、別のシルエットが合う場合もあります。

男女兼用は品番や在庫をまとめやすい一方、すべての体型に一つの型が合うとは限りません。小さいサイズと大きいサイズで着丈の増え方が適切か、袖口や首まわりに無理がないかを見ます。マタニティ対応や体調による一時的なサイズ変更も、例外ではなく運用として考えておくと安心です。

サイズ確認票に残す内容

  • 品番と試着したサイズ
  • 上衣とパンツを別々にした希望
  • 基本動作で気になった場所
  • インナーを重ねたときの余裕
  • 本人確認日と支給予定数

試着サンプルは、誰が何を着たか分かるように管理します。回収後にサイズ表示が見えなくなると、本人の感想と品番を結び付けられません。大人数の集計方法や試着会の進め方は、制服サイズを正確に集める手順で詳しく整理しています。

採用後の追加発注も見据え、サイズ表と着用者の記録を残します。ただし、体型に関する情報は扱いに配慮が必要です。共有範囲を発注に必要な担当者へ絞り、一覧表を誰でも見られる場所へ置かない運用にします。

名札・名入れの位置は安全面から決める

介護の現場では、名札や名入れは所属を伝えるだけでなく、利用者へ近づいたときの安全まで考える必要があります。硬い名札、クリップ、ピン、角のあるケースが胸元から突き出していると、移乗や抱き起こしで利用者の肌や衣類に触れるおそれがあります。認知症ケアなどで名札を引っ張られる可能性も、施設のリスク評価に含めます。

個人名を見せる必要性は、施設の接遇方針や個人情報への考え方で変わります。フルネーム、名字だけ、職種名、施設名のどこまで表示するかを先に決めます。そのうえで、取り外し式の名札にするか、刺繍やプリントで衣服へ直接入れるかを比較してください。

方法利点介護現場での確認
クリップ式名札人や役割の変更に対応しやすい突起、外れ、引っ張り、ケースの角
ピン式名札位置を変えやすい針、穴、生地への負担、紛失
面ファスナー等表示を交換しやすい角や硬さ、洗濯時の取り外し
刺繍外れにくく、繰り返し使いやすい裏面の肌当たり、再支給のしやすさ
プリント凹凸を抑えやすい方法がある素材との相性、洗濯による変化

直接加工は外れにくい一方、個人名を入れると別の職員へ再支給しにくくなります。施設名や共通マークだけを加工し、個人の識別は別の方法にする設計も可能です。加工位置は立位の見栄えだけでなく、前かがみや抱き起こしで利用者へ触れにくい場所かを模擬動作で確認します。

介護ユニフォームの安全に配慮した名入れ位置
介助時に利用者へ触れにくい位置を確認します(イメージ)

加工方法による見え方や素材との相性は、刺繍・プリント・ワッペンによる名入れの違いでも確認できます。試着用と本番用で加工位置を変えないよう、位置・寸法・色を記録しておくと、追加支給でも仕様をそろえやすくなります。

名札は見やすい場所だけで決めると、介助のときに当たりやすいことがあります。

普段の距離まで近づく動作をして、硬い部分が触れないか確かめましょう。

洗い替えは洗濯頻度と返却日から逆算する

洗い替えの着数は、「一人何着」と先に固定するのではなく、着用してから再び使えるまでの日数で考えます。毎勤務後に交換するのか、汚れた時点で臨時交換するのか。施設内洗濯か外部委託か、休業日を挟むかによって必要な枚数は変わります。

基本の考え方は、着用中の一着、洗濯工程にある分、次の勤務に備える分へ分けることです。ここへ、入浴介助や汚染時の交換、回収の遅れをどこまで見込むかを加えます。数字だけを一律に決めるより、実際の勤務表と洗濯の戻り日を一週間分並べるほうが過不足を見つけやすくなります。

着用ルール毎勤務で交換するか、汚染時に追加交換するか
回収時刻勤務終了後の回収が当日洗濯に間に合うか
乾燥時間自然乾燥か乾燥機か、翌勤務までに乾くか
返却方法個人別かサイズ別か、戻る日が決まっているか
予備突発的な汚れ、破損、新規採用へどう備えるか

外部洗濯へ出す場合は、集荷日と返却日だけでなく、連休や繁忙期の変動も確認します。個人ごとに返却されるなら記名方法が必要になり、サイズ別の共用品なら衛生管理と在庫管理のルールが必要です。制服の所有と洗濯の責任を曖昧にすると、足りないときの補充判断が遅れます。費用負担まで含めて運用を決める際は、クリーニング代の会社負担と洗濯手当の考え方も確認しておくと整理しやすくなります。

ポイント

必要着数は、勤務日数ではなく「着た服が再び本人へ戻るまで」を基準にします。試験運用中に回収日、返却日、臨時交換を記録すると、施設に合う枚数を説明しやすくなります。

予備を多く持てば安心ですが、品番変更や色の変更で使い切れない在庫が生まれることもあります。全員へ多めに配る方法と、施設で共通予備を管理する方法を比べてください。サイズ構成に偏りがある施設では、全サイズを同じ数だけ持つより、実績に合わせたほうが運用しやすくなります。

交換時期は、単なる年数では決めにくいものです。落ちない汚れ、透け、生地の薄れ、縫い目の傷み、衿の変形、加工の剥がれなど、交換基準を写真や言葉で共有します。本人の感覚だけに任せず、衛生と外観の両面で確認できる状態にします。

あわせて読みたい食品工場の白衣・衛生服の選び方|異物混入を防ぐ仕様と運用記事を読む

ユニフォーム入れ替えの進め方

入れ替えは、現行品への不満を集めるところから始めます。ただし、要望をそのまま多数決にすると、好みの色や型に議論が寄りがちです。動作、洗濯、衛生、印象、サイズ、在庫の項目に分け、困っている場面と頻度を記録します。

次に、発注担当者、現場責任者、洗濯担当者、必要に応じて安全・衛生を確認する担当者で必須条件を決めます。候補を絞ったら、体型と職種が偏らない少人数で試着します。入浴介助の日、通常業務の日、洗濯後という複数の状態で評価すると、初日の印象だけに左右されません。

1. 現場調査現行制服の困りごとを動作と場面で集める
2. 洗濯確認洗濯方法、乾燥時間、必要着数を確認する
3. 条件整理素材、型、色、サイズ、名入れの必須条件を決める
4. 試着候補品を複数の職種・体型で試着する
5. 再評価洗濯後の状態と介助動作を再評価する
6. 運用準備支給記録、交換基準、追加発注の担当を決める

切り替え日は全員一斉にする方法と、部署や職種ごとに段階的に替える方法があります。一斉切り替えは統一感を出しやすい反面、サイズ交換が同時に起きやすくなります。段階導入は問題を修正しやすい一方、新旧の制服が混在する期間を利用者やご家族へどう伝えるかが必要です。

ユニフォーム入れ替えの6工程 1 現場調査 困りごとを動作・場面・頻度で 記録する 2 洗濯確認 洗い方・乾燥時間・返却日数と 必要着数を確認する 3 条件整理 素材・型・色・サイズ・名入れの 必須条件を決める 4 試着 複数の職種・体型で介助動作を 試して記録する 5 洗濯後に再評価 乾き・縮み・色落ち・着心地を 同じ条件で確かめる 6 支給・運用 支給記録・交換基準・追加発注の 担当を決めて運用を始める 試着は着た瞬間だけで終えず、洗濯後の状態まで確認する
現場の困りごとを整理し、試着と洗濯後の再評価を経て支給・運用へ進む

正式発注前には、廃番時の代替、追加発注の単位、加工データの保管、納品後の仕分けも確認します。選んだ瞬間で終わりではなく、採用や退職、サイズ変更が起きても回せることが大切です。全体の進行は、制服リニューアルの進め方と社内調整も参考にしてください。

注意

試着評価では、個人の体型や健康状態を必要以上に共有しないでください。「合わない人」と記録するのではなく、「肩の可動域」「着丈」「ウエスト仕様」など、商品選定に必要な項目へ置き換えます。

介護ユニフォームのよくあるご質問

最後に、介護施設の制服選びで発注担当者から出やすい疑問をまとめます。施設の業務内容と洗濯環境で適する答えは変わるため、判断の順番としてお使いください。

介護職員はポロシャツとスクラブのどちらが動きやすいですか

型の名前だけでは決まりません。ニットのポロシャツは伸びやすい商品が多い一方、スクラブにも脇や背中へ動きやすい設計を取り入れた商品があります。移乗や前かがみを試し、肩、背中、胸元、裾のずれを同じ条件で比較してください。

白以外でも清潔感は出せますか

清潔感は色だけでなく、汚れや毛玉がないこと、サイズが合っていること、施設内で着用基準がそろっていることからも伝わります。淡い青や緑、落ち着いた濃色なども候補になります。施設の内装、照明、職種の識別、濡れたときの透けと合わせて決めます。

速乾なら入浴介助の制服に十分ですか

速乾は大切な条件ですが、それだけでは足りません。濡れた生地の肌離れ、透け、袖や裾の長さ、重ねるエプロンとの相性も確認します。商品表示の洗濯・乾燥条件が施設の設備に合わなければ、期待した乾き方にならないこともあります。

名札を付けず、刺繍だけにしてもよいですか

表示する内容と方法は、施設の接遇方針、安全管理、個人情報の扱いから決めます。刺繍は外れにくい反面、個人名を入れると再支給しにくく、裏面の肌当たりも確認が必要です。施設名や職種だけを加工し、個人識別を別の方法にする選択肢もあります。

全職員を同じ色、同じ型にそろえるべきですか

統一は分かりやすい方法ですが、必須ではありません。職種や業務で必要な機能が違うなら、型を分けても共通色や共通の名入れでまとまりをつくれます。利用者が職種を見分ける必要がある場合は、色分けの案内方法と在庫の増え方も検討してください。

試着は何を記録すると比較しやすいですか

品番とサイズに加え、腕を上げる、しゃがむ、前かがみになる、座るという動作ごとの感想を残します。洗濯前後の着丈、乾き、肌触り、色の変化も同じ表へ記録します。「良い・悪い」だけでなく、どの場面で何が起きたかを書くと候補を比較しやすくなります。

本記事の情報について

本記事は、介護ユニフォームの選定と運用に関する一般的な情報提供を目的として、執筆時点の情報をもとに作成しています。実際に必要な安全・衛生上の条件は、施設の設備、介助内容、感染対策、洗濯方法、社内ルールによって異なります。商品を決める際は、各商品の最新の仕様と洗濯表示を確認し、施設内の責任者や関係する専門家へご相談ください。

制服の購入、支給、貸与に伴う税務上の処理は、契約や運用の実態によって扱いが異なる場合があります。本記事は個別の税務判断を行うものではありません。実際の処理は、顧問税理士または所轄の税務署へ確認してください。

よくあるご質問

介護ユニフォームは何着支給するのが適切ですか?

一律の正解はありません。着用中、洗濯中、次の勤務に備える分を基本に、回収から返却までの日数と汚染時の臨時交換を加えて考えます。外部洗濯なら休日を挟む返却遅れも確認し、試験運用中の回収・返却記録から施設に合う着数を決めてください。繁忙日の勤務も含めます。

入浴介助にはどのような素材が向いていますか?

速乾性に加え、濡れたときの肌離れ、透けにくさ、通気性を確認します。生地が乾きやすくても、施設の乾燥方法が洗濯表示に合わない場合があります。候補品を実際の洗剤と設備で洗い、エプロンなどを重ねた状態でも動きや熱のこもりを試してください。着替え場所も確認します。

介護職員の制服を職種ごとに色分けする利点は何ですか?

利用者やご家族が介護、看護、リハビリなどの役割を見分けやすくなることがあります。一方で、区分が多いと覚えにくく、異動や応援勤務で在庫管理が複雑になります。色分けの目的、利用者への案内、必要な品番とサイズの在庫を一緒に決めることが大切です。案内表示も試します。

硬い名札を使わずに職員名を表示する方法はありますか?

衣服への刺繍やプリント、交換式表示などが候補です。直接加工は外れにくい反面、個人名では再支給しにくくなります。フルネームを表示する必要性も含め、施設名、名字、職種のどこまでを示すか決め、模擬介助で利用者へ硬い部分が触れない位置を確認してください。

男女兼用サイズだけで全職員に対応できますか?

男女兼用でも幅広いサイズを持つ商品はありますが、一つの型がすべての体型に合うとは限りません。肩、胸、腰、着丈のバランスを基本動作で確かめ、上衣とパンツを別サイズにできるかも確認します。申告サイズだけで発注せず、候補商品の実物で試着するのが安全です。

新しい制服は全員一斉に切り替えるべきですか?

一斉切り替えは統一感を出しやすい一方、サイズ交換や問い合わせが同時に集中します。部署ごとの段階導入は、試着で見えなかった問題を修正しやすい方法です。新旧が混在する期間、利用者やご家族への案内、旧制服の回収方法を決めてから切り替えてください。

ユニフォームのご相談は中村被服へ

「何から決めればいいか分からない」段階でも大丈夫です。現場の状況を伺って、目利きでご提案します。カタログ請求・お見積は無料です。

山口県内(防府・山口・周南・下関ほか)の企業さまへは、営業が直接お伺いします。山口で介護施設のユニフォーム選びと名入れを相談するなら

あわせて読みたい

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。