作業服や制服を買ったとき、経理から「これ、どの科目で上げますか」と聞かれて手が止まる。福利厚生費なのか、消耗品費なのか。名入れの加工費は分けるのか。従業員に一部負担してもらったら扱いは変わるのか。この記事では、法人と個人事業主それぞれの考え方、業種による違い、仕訳の具体例、そして名入れ・刺繍代という見落とされがちな論点まで、発注担当者と経理の双方が迷わない形で整理します。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

結論:科目は2つ。分かれ目は「誰が着るか」

作業服・制服の購入費に使われる勘定科目は、実務上ほぼ2つに絞られます。従業員に支給・貸与するなら「福利厚生費」、個人事業主が自分用に買うなら「消耗品費」。まずこの分かれ目を押さえておけば、大半のケースは判断できます。

ケースよく使われる科目考え方
法人が従業員へ支給・貸与福利厚生費従業員全体に対する費用という位置づけ
個人事業主が自分用に購入消耗品費従業員がいないため福利厚生の概念になじまない
製造・建設の現場で従事する人の分製造原価(製造経費)売上原価に紐づけて把握したい場合
レンタルで借りている賃借料購入ではなく役務の対価

レンタルを利用している場合は、毎月の利用料を賃借料として処理します。購入と違って資産計上や在庫の管理が発生しない代わりに、契約が続くかぎり費用が出続けます。どちらが有利かは着用人数と入れ替えの頻度によって変わるため、単純な比較はできません。

ただし、勘定科目は「これでなければ間違い」という性質のものではありません。大切なのは、自社の中で基準を決めて、毎期同じ処理を続けることです。去年は福利厚生費、今年は消耗品費、と揺れるほうが問題になります。

ポイント

科目選びで迷ったら、まず「誰が着るのか」と「業務専用と言い切れるか」の2点を確認してください。この2つが決まれば、残りはほぼ自動的に決まります。

以下では、それぞれのケースをもう少し具体的に見ていきます。

品目別の早見表

「作業着は分かったが、安全靴は? 軍手は?」と迷いやすいものを一覧にします。判断の軸は前章と同じで、誰が着るか業務専用と言い切れるかの2つです。金額の基準(1点あたり10万円未満)は品目を問わず共通で、判定は1点ごとに行います。100人分をまとめて買っても、総額では見ません。

品目法人が従業員へ個人事業主が自分用迷いやすい点
作業着・作業服福利厚生費消耗品費私服として着られない形であることが前提
制服・事務服(制服代)福利厚生費貸与か支給かで、退職時の返却の扱いが変わる
ユニフォーム(社名入り)福利厚生費消耗品費社名やロゴが入っていること自体が業務専用の裏づけになる
白衣福利厚生費消耗品費衛生管理上の必需品として説明しやすい
空調服(ウェア・ファン・バッテリー)福利厚生費消耗品費ファンとバッテリーを別に買っても考え方は同じ。1点10万円未満なら消耗品費
安全靴福利厚生費消耗品費着用が求められる作業があるため、業務専用の説明がつきやすい
ヘルメット福利厚生費消耗品費同上。台帳で個体管理していると会社の物であることを示しやすい
軍手・作業用手袋消耗品費消耗品費消耗が早く渡し切りになるため、福利厚生費になじみにくい
帽子・キャップ福利厚生費消耗品費社名入りかどうかで説明のしやすさが変わる
靴下・インナー類要検討要検討私生活でも使えるため、業務専用の説明がいちばん難しい
防寒着福利厚生費消耗品費通勤にも着られる形だと、業務専用の説明が必要になる
現場用のタオル消耗品費消耗品費社外へ配るノベルティなら広告宣伝費になることがある

注意

上の科目は実務でよく使われる例で、これでなければ誤りというものではありません。同じ品目で年によって処理が変わるほうが問題になります。判断に迷う品目は顧問税理士へご確認ください。

迷ったときは、その品目が会社の指示で着る物か、本人が選んで着る物かで切り分けてください。指示で着る物ほど業務専用の説明がつき、本人が選ぶ物ほど説明が要ります。

書類を前に経理と発注担当が処理の方針を確認している様子
科目の判断は、発注の方針が決まってからのほうが早く片づきます(イメージ)

福利厚生費で処理する場合

法人が従業員へ作業服や制服を支給、または貸与する場合、購入費用は福利厚生費として計上するのが一般的です(支給・貸与が非課税になる条件とあわせて確認します)。福利厚生費は、特定の従業員だけでなく従業員全体を対象とした支出であることが前提になります。

ここでいう「全体」は、全社員に同じものを配るという意味ではありません。工場の従業員には作業着、事務所の従業員には事務服、というように職務に応じて必要な人に等しく支給されていれば、基準としては満たしていると考えるのが実務的です。

逆に、役員だけに高価なものを支給する、特定の一人にだけ渡す、といった運用は福利厚生費として説明しにくくなります。

「全員に配らないと福利厚生費にできないんですか?」というご質問をよくいただきます。

職務に応じて必要な方に等しく支給されていれば大丈夫ですよ。工場は作業着、事務所は事務服、という配り分けは普通のことです。

金額が社会通念上相当かどうか

もう一つ意識しておきたいのが金額です。福利厚生費は社会通念上、相当と認められる範囲であることが前提になります。制服として支給するものが著しく高額で、実質的に給与の一部と見なされるような場合は、扱いが変わる可能性があります。

とはいえ、一般的な作業服や事務服の価格帯であれば、この点が問題になることはまずありません。ブランド品を制服として配るといった特殊なケースでなければ、通常は気にしなくて差し支えないでしょう。

「被服費」という科目を自社で作ってもよいか

制服関連の支出が多く、金額の推移を追いたい場合は、「被服費」のような独自の科目を設ける方法もあります。勘定科目は法令で名称が固定されているわけではないため、自社の管理目的に合わせて設定して差し支えありません。

ただし、一度作った科目は継続して使う必要があります。管理したい理由が明確でなければ、既存の科目に寄せておくほうが無難です。

なお、従業員が受け取った作業服が給与として課税されるかどうかは、また別の論点です。この点は後ろの章で詳しく扱います。

消耗品費で処理する場合

個人事業主が自分用の作業着を購入した場合は、消耗品費として計上するのが一般的です。従業員がいなければ、福利厚生という考え方自体がなじまないためです。

個人事業主の場合、これは所得税の計算における必要経費に当たるかどうかという問題です。必要経費として認められるのは、業務の遂行上必要と説明できる支出に限られます。作業服やつなぎのように私生活での着用が考えにくいものは説明がつきやすく、私服としても使える衣類はそれが難しくなります。

ここで問題になるのが「プライベートでも着られるかどうか」です。作業服やつなぎのように、業務上の必要性が明らかで私生活での着用が考えにくいものは、経費計上の説明がつきやすくなります。

一方で、私服としても使える衣類は、業務専用であることを説明できないと経費として認められにくくなります。

注意

「仕事で着ているから経費」という理屈は、それだけでは通りません。私生活でも使える衣類ほど、業務専用であることの説明が求められます。判断に迷う衣類は、購入前に顧問税理士へご相談いただくのが確実です。

法人であっても、従業員がおらず代表者だけが着用する場合は、消耗品費で処理することがあります。この場合も考え方は同じで、業務専用と言えるかどうかが軸になります。

製造原価に入れる業種もある

製造業や建築業のように製造原価を計算する事業では、現場で製造や施工に従事する従業員の作業着を、販売費及び一般管理費ではなく製造原価(製造経費)に含めることがあります。

これは「原価を正しく把握したい」という管理会計上の要請から来るものです。工場で働く人の作業着は製品を作るためのコストである、という整理になります。

製造業製造ラインの従業員分は製造経費、事務所の従業員分は福利厚生費、と分けることがあります
建築業現場作業員の分を工事原価に含める処理が見られます
飲食店調理スタッフとホールスタッフで分けず、福利厚生費でまとめる例が多く見られます

どこまで細かく分けるかは、事業規模と管理の手間次第です。分けることで原価管理の精度は上がりますが、毎回の仕訳が煩雑になります。自社にとって意味のある粒度を決めて、そこで固定するのが現実的です。

あわせて読みたい作業着は自己負担か会社負担か?負担割合・給与天引き・規程の決め方記事を読む

仕訳例で確認する

ここまでの内容を、実際の仕訳の形で確認します。金額は説明のための例です。

法人が従業員10名分の作業着を購入(全額会社負担)

1着5,000円の作業着を10名分、合計50,000円を現金で購入した場合です。

借方福利厚生費 50,000円
貸方現金 50,000円

個人事業主が自分用の作業着を購入

5,000円の作業着を1着、事業用の口座から支払った場合です。

借方消耗品費 5,000円
貸方普通預金 5,000円

従業員に一部を負担してもらった場合

50,000円のうち10,000円を従業員が負担し、給与から差し引いた場合です。

借方福利厚生費 40,000円 / 立替金(または預り金)10,000円
貸方現金 50,000円

自己負担分をどう扱うかは会社の規程によって変わります。給与天引きにするのか、その場で徴収するのかで処理が変わるため、先に規程を決めてから運用を始めるほうが後が楽になります。

一部を従業員負担にされる会社さんは実際にありますが、そのぶん処理は複雑になります!

金額が大きくないなら、会社が全額もつと決めてしまったほうが、経理も現場もすっきりしますよ。

「支給」と「貸与」で変わること

作業服を渡す方法には、渡し切りの支給と、会社の所有物として貸す貸与があります。会計処理そのものは大きく変わりませんが、社内の運用と、税務上の説明のしやすさが変わります。

項目支給(渡し切り)貸与(会社の所有物)
退職時返却を求めないのが一般的返却してもらう。ルールを規程に書く必要がある
破損・紛失個人の持ち物なので会社は関与しにくい再支給の条件や負担を決めておく必要がある
管理の手間軽い。渡した記録だけで足りる重い。誰が何を持っているかを追い続ける
業務専用の説明ロゴの有無や規程で説明する会社の所有物なので説明しやすい

所得税法施行令第21条では、支給と貸与のどちらについても非課税の定めが置かれています。したがって「貸与でなければ課税される」というものではありません。どちらを選ぶかは、管理の手間と現場の実態から決めて問題ないと考えられます。

実務で多いのは、作業着は支給、事務服は貸与、という使い分けです。

毎日着て消耗するものを貸与にすると、返却時の状態をどう扱うかで必ず揉めます。そこまで含めて決めておくと安心ですよ。

どちらにするかは、貸与規程や服務規程に書いておきます。口頭の運用のままだと、退職者が出たときに担当者ごとの判断になってしまい、社内で不公平が生まれます。

10万円以上になったときの扱い

作業服や制服は1着あたりの金額が10万円を超えることはまずないため、通常は全額をその期の費用として処理できます。

ただし、防護服や特殊な保護具などで1点あたりの取得価額が10万円以上になる場合は、固定資産として計上し減価償却が必要になることがあります。

ポイント

判断の単位は「合計金額」ではなく「1点あたり」です。10名分で50,000円なら、1着5,000円なので全額をその期の費用にできます。合計額で判断してしまう誤解が多い部分です。

判定の単位や償却の選択肢は、取得価額の単位と10万円・20万円の基準で詳しく整理しています。

なお、10万円以上20万円未満のものを3年で均等償却する一括償却資産の制度や、中小企業者等が30万円未満のものを一括で損金にできる特例もあります。適用の可否や上限額は事業者の区分によって変わりますので、該当しそうな場合は顧問税理士にご確認ください。

刺繍ミシンの針が紺色の生地に糸を縫い込んでいるところ
名入れ加工費は、本体と同時発注なら取得価額に含めるのが自然です(イメージ)

名入れ・刺繍代はどう処理するか

ここは意外と情報が少ない部分です。社名やロゴを刺繍・プリントする加工費は、どの科目で処理すればよいのでしょうか。

実務上は、本体と同時に発注した加工費は、本体の取得価額に含めて一緒に処理するのが自然な考え方です。作業着を「名入れした状態で」購入したと捉えるためで、送料や代引手数料と同じ扱いになります。

一方、すでに支給済みの制服に後から名入れをした場合は、本体とは別の役務の提供を受けたことになります。金額が少額であれば消耗品費や外注費として処理されることが多いようです。

注意

加工費を本体と分けて管理したい場合は、発注の段階で「本体」「加工費」「送料」を分けた請求書を出してもらうようにお伝えください。合算された請求書を後から分解するのは手間ですし、根拠も残りません。

弊社でも、経理処理の都合で内訳を分けてほしいというご要望はよくいただきます。発注時にひと言お伝えいただければ対応できることがほとんどですので、遠慮なくお申し付けください。

名入れ加工そのものの選び方や費用感については、作業服に社名刺繍を入れる|種類・位置・データ・費用までで詳しく解説しています。

ロゴ入りは「業務専用」の裏づけになる

名入れには、経理の面でもう一つ効き目があります。社名やロゴが入っていると、その衣類が業務専用であることを説明しやすくなるという点です。

従業員が会社から受け取った制服が給与として課税されるかどうかについて、所得税法では一定の非課税の定めが置かれています。所得税法第9条第1項第6号と、これを受けた所得税法施行令第21条では、職務の性質上制服を着用すべき者が使用者から支給または貸与される制服その他の身回品について、非課税とする旨が定められています。

また、所得税基本通達9-8では、専ら勤務場所のみにおいて着用する事務服や作業服等についても、同様に取り扱って差し支えないとされています。

説明しやすくなる条件

  • 社名やロゴが入っていて、他社では着られない
  • 職種や職務に応じて、必要な人へ等しく支給されている
  • 勤務中に着用することが規程で定められている
  • 誰に何着渡したかの記録が残っている

逆に、市販品をそのまま配って私生活でも着られる状態だと、「業務専用」の説明は弱くなります。ロゴを入れるという判断は、見た目の統一だけでなく、税務上の説明のしやすさにもつながっているわけです。

ただし、非課税の可否は支給の実態や規程の内容によって判断が分かれます。個別の判断については、必ず顧問税理士または所轄の税務署へご確認ください。

あわせて読みたい作業服の買い替え時期をどう決める?交換基準・補修・年間費用の考え方記事を読む

クリーニング代の勘定科目

会社が制服のクリーニング代を負担する場合、福利厚生費として処理するのが一般的です。制服の維持管理にかかる費用という位置づけになります。

ただし、注意したい点があります。クリーニング代を現金で従業員に渡すと、給与として扱われる可能性があるということです。

会社がクリーニング業者へ直接支払う福利厚生費として処理しやすい
従業員が立て替え、領収書と引き換えに精算する実費精算であれば福利厚生費として処理されることが多い
「洗濯手当」として毎月定額を現金支給する実費と紐づかないため、給与として扱われる可能性がある

制服のクリーニングを会社の負担にするかどうかは、費用だけでなく処理の手間にも影響します。運用を決める前に、経理と相談しておくことをおすすめします。

たたんだ紺色の作業服とグレーのスーツを並べた様子
私生活で着られるかどうかが、経費計上の説明のしやすさを分けます(イメージ)

スーツや小物はどう扱うか

作業服と近い位置にありながら、扱いが分かれるものを整理します。

スーツは原則として経費にしにくい

スーツは私生活でも着用できるため、業務専用であることの説明が難しいのが実情です。営業職に会社がスーツを支給した場合でも、それだけでは経費として認められない可能性があります。

会社のロゴが入っている、その業務でしか着用しないことが明確、といった事情があれば説明の余地は出てきますが、一般的なスーツは慎重に判断すべき領域です。

軍手・マスク・安全靴などの小物

軍手やマスク、防塵メガネのような消耗品は、金額も小さく業務専用であることが明らかなため、経費計上に問題が生じることは少ないと考えられます。科目は消耗品費、または福利厚生費が使われます。

安全靴は、現場で必要な保護具として支給されるものであれば、作業服と同じ考え方で処理されるのが一般的です。

「安全靴も制服と同じ扱いでいいんですか」というご質問もよくいただきます。

業務上必要で支給されているものなら、考え方は同じですよ。迷われたときは、購入前に経理へ一報を入れておくと安心です。

経理と揉めないための、発注側の段取り

ここまでは経理側の話でしたが、実際に処理が滞る原因は発注の段階にあることが少なくありません。発注担当者の側でできる準備を4つ挙げます。

電卓を使いながら伝票の束をペンで確認している手元
請求書の内訳が分かれているだけで、月末の確認はずいぶん軽くなります(イメージ)

1. 支給か貸与かを、発注前に決めておく

渡し切りの「支給」なのか、退職時に返してもらう「貸与」なのかで、社内の扱いが変わります。発注してから決めようとすると、規程の整備が後手に回ります。

あわせて、退職時の返却ルールや、破損・紛失時の負担についても決めておくと、あとで揉めにくくなります。

2. 請求書の内訳を分けてもらう

本体・名入れ加工費・送料が合算された請求書だと、経理が処理の判断に迷います。発注の段階で内訳を分けてほしいと伝えておくだけで、月末の確認作業がぐっと軽くなります。

3. 誰に何着渡したかの記録を残す

貸与台帳のような形で、支給日・品番・サイズ・数量・受け取った人を記録しておきます。これは税務上の説明の裏づけになるだけでなく、追加発注廃番時の代替品選びでも役に立ちます。

4. 決算期をまたぐ発注は、納品の時期で考える

期末に発注して、納品が翌期になる。制服の発注では珍しくない状況です。この場合、費用として計上するのは原則として納品を受けた期になります。発注書を出した時点や、代金を支払った時点ではありません。

名入れ加工が入ると、通常より納期が延びます。期内に費用計上したいという事情がある場合は、加工の工程を見込んで逆算した発注が必要になります。

注意

期末に「今期の経費にしたいので急いでほしい」というご相談をいただくことがありますが、納品が翌期になれば翌期の費用になるのが原則です。日程が読みにくい発注は、はじめから翌期の予算で組んだほうが確実です。

期をまたぐ段階導入を考えている場合は、年度ごとの配分もあわせて設計しておくと、稟議が通りやすくなります。

ポイント

4つ目を除く3つは、いずれも発注の前にしかできない準備です。届いてから整えようとすると、記録が残らないまま運用が始まってしまいます。制服を新しくするタイミングは、仕組みを整える好機でもあります。

制服の入れ替えを検討されている段階であれば、制服リニューアルの進め方もあわせてご覧ください。予算の組み立てから業者選定まで、順を追って整理しています。

消費税はどう扱われるか

作業服や制服の購入費、名入れ加工費は、いずれも国内の課税取引にあたるため、課税仕入れとして仕入税額控除の対象になるのが一般的です。福利厚生費で処理しても消耗品費で処理しても、この点は変わりません。

仕入税額控除を受けるには、インボイス制度のもとで適格請求書の保存が必要です。発注先が適格請求書発行事業者かどうかは、取引を始める段階で確認しておくと、後の処理がスムーズになります。

従業員から一部を徴収した場合、その徴収額の扱いは会社の処理方法によって変わります。金額が大きくなる場合は、あらかじめ顧問税理士へご相談ください。

本記事の情報について

本記事は、企業ユニフォームの発注に関わる方に向けた一般的な情報提供を目的としています。税務上の取り扱いは、事業の実態、支給の方法、社内規程の内容によって判断が分かれます。

記載の内容は執筆時点の情報にもとづくものであり、税制の改正等により変わる可能性があります。実際の会計処理・税務申告にあたっては、必ず顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください

根拠として参照した法令・通達は、所得税法第9条第1項第6号、所得税法施行令第21条、所得税基本通達9-8です。条文の原文は国税庁および e-Gov 法令検索でご確認いただけます。

よくあるご質問

作業服の勘定科目は福利厚生費と消耗品費のどちらが正しいですか?

どちらか一方が正解というものではありません。法人が従業員に支給・貸与する場合は福利厚生費、個人事業主が自分用に購入する場合は消耗品費が一般的です。大切なのは自社で基準を決め、毎期同じ処理を続けることです。判断に迷う場合は顧問税理士にご確認ください。

名入れ・刺繍の加工費は本体と分けて計上しますか?

本体と同時に発注した加工費は、本体の取得価額に含めて一緒に処理するのが自然な考え方です。送料などと同じ扱いになります。分けて管理したい場合は、発注の段階で本体・加工費・送料を分けた請求書を出してもらうようご依頼ください。

社名やロゴを入れると税務上のメリットはありますか?

ロゴ入りの制服は他社では着用できないため、業務専用であることを説明しやすくなります。所得税法施行令第21条では、職務の性質上制服を着用すべき者が支給または貸与される制服その他の身回品について非課税とする定めがあります。ただし非課税の可否は支給の実態によって判断が分かれますので、顧問税理士へご確認ください。

従業員に一部を自己負担してもらう場合はどう処理しますか?

会社負担分を福利厚生費、従業員負担分を立替金または預り金として処理する方法が一般的です。給与天引きにするか、その場で徴収するかで処理が変わりますので、先に社内規程を決めてから運用を始めることをおすすめします。

クリーニング代を毎月定額で渡しても福利厚生費になりますか?

実費と紐づかない定額支給は、給与として扱われる可能性があります。会社が業者へ直接支払う、または領収書と引き換えに実費精算する方法のほうが、福利厚生費として処理しやすくなります。

作業服が10万円を超えたら資産計上が必要ですか?

判断の単位は合計金額ではなく1点あたりの取得価額です。10名分で50,000円であれば1着5,000円なので全額をその期の費用にできます。1点で10万円以上になる特殊な保護具などは資産計上が必要になる場合がありますので、顧問税理士にご確認ください。

安全靴やヘルメットの勘定科目も作業服と同じですか?

考え方は同じです。従業員へ支給・貸与するなら福利厚生費、個人事業主が自分用に購入するなら消耗品費が一般的です。金額の基準(1点あたり10万円未満)も共通で、判定は1点ごとに行います。100人分をまとめて購入しても、総額では判定しません。着用が求められる作業がある品目は、業務専用であることの説明がつきやすい点も共通です。

白衣や軍手、帽子はどの科目で処理しますか?

白衣と帽子は作業服と同じ考え方で、法人が従業員へ渡すなら福利厚生費、個人事業主が自分用に買うなら消耗品費が一般的です。軍手や作業用手袋は消耗が早く渡し切りになるため、福利厚生費よりも消耗品費で処理することが多くなります。品目別の目安は本文の早見表にまとめています。

個人事業主が作業着を買った場合、必要経費になりますか?

業務の遂行上必要と説明できる支出であれば、必要経費に含めて処理できます。作業服やつなぎのように私生活での着用が考えにくいものは説明がつきやすく、私服としても使える衣類は業務専用であることの説明が求められます。判断に迷う衣類は、購入前に顧問税理士へご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。