「たぶんLだと思う」と自己申告で書いてもらった号数が実物と合わず交換が続出したり、締切を過ぎた数人を追いかけているうちに全体の発注が遅れたり、去年のデータが残っておらず毎回ゼロから集め直しになったり。全員分のサイズ集めでは、こうした失敗が毎回のように起きます。この記事では、サイズ表とサンプルの用意、回収の段取り、データの一元管理、次回をラクにする履歴の残し方まで、発注担当者が明日から使える具体策をまとめました。先に結論をお伝えすると、サイズ集めは「実物を着てから号数を書く」ルールにするだけで、届いてからの交換が大きく減ります。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

なぜ毎回、サイズ集めでつまずくのか

ユニフォームの発注で一番手間がかかるのが、全員分のサイズ集めです。多くの場合、担当者が名簿を配って各自に号数を書いてもらいますが、ここで毎回同じ問題が起きます。

まず、申告ズレです。本人が「たぶんLだと思う」と自己判断で書いてしまい、実物が届くと合わない。次に、回収遅れ。締切を過ぎても数人分が集まらず、その数人を追いかけているうちに全体の発注が遅れます。そして、履歴が残らないこと。今回のサイズをメールや紙で集めても、来年になると誰が何を着ていたか分からなくなり、また一から集め直しになります。

これらは担当者の努力不足ではなく、段取りの型がないことが原因です。逆に言えば、型さえ決めておけば、毎回の負担は大きく減らせます。この記事では、その型を4つの手順に分けて説明します。

手順1:サイズ表と実物サンプルを用意する

サイズ集めの精度は、最初の「何をもとに選ばせるか」でほぼ決まります。号数だけを書いてもらう方式は、必ずズレます。メーカーやシリーズによって同じ「L」でも寸法が違うためです。

サンプルを1着回すだけで、返ってくる号数の精度が本当に変わります!

「実物を着てから書いてください」の一言を添えるのがコツですよ。

そこで、選ぶ側に渡す情報を2つそろえます。ひとつは、実寸が載ったサイズ表。胸囲・胴囲・着丈・裄丈(ゆきたけ=首の付け根から袖口までの長さ)といった数値を、号数と一緒に示します。もうひとつは、実物サンプルです。数字だけでは体感がつかめないので、代表的な数サイズを手に取って試着できる状態にしておくと、申告の精度が一気に上がります。

ハンガーラックに掛けた作業服のサンプルと試着用の姿見(イメージ)
代表的な数サイズを回覧し、実物を着てから号数を書いてもらう

サンプルは、回覧する順番と返却の期限を先に決めておくと滞りません。部署をまたいで回す場合は、いつ誰へ渡すかを書いた紙を一緒に添えておくと、手元で止まったまま忘れられる事故が減ります。

ポイント

全サイズをそろえる必要はありません。S・M・L・LL・3Lなど代表的な数点を借りて回覧し、「実際に着てから号数を書く」ルールにするだけで、届いてからの交換が大きく減ります。サンプルは仕入れ先に相談すれば貸出に対応してもらえることが多いので、まず何点借りられるかを聞いてみてください。

「仕上がり寸法」と「ヌード寸法」を取り違えない

サイズ集めで最も多いズレの原因が、ここです。サイズ表に載っている数値には二種類あり、どちらを指しているかで意味がまったく変わります。取り違えたまま全員分を集めると、届いてから全体的に大きい(あるいは小さい)という事故になります。

サイズ表の2つの寸法
種類何の寸法か読み方
仕上がり寸法製品そのものを平置きして測った寸法実際の服の大きさ。ゆとり分が含まれている
ヌード寸法その服が「合う人」の身体寸法着る人の胸囲・胴囲。ゆとりは含まない

同じ「L」でも、仕上がり寸法の胸囲が112cmで、ヌード寸法(適応身体寸法)の胸囲が96〜104cmといった書かれ方をします。数字だけを見比べると混乱するので、社内へ案内するときはどちらの数値を書いてもらうのかを最初に一文で指定してください。

仕上がり寸法 ヌード寸法 製品を平置きして測った寸法 その服が合う人の身体寸法 服そのものの幅を測る ゆとり分が含まれている 着る人の身体を測る ゆとりは含まない 同じ「L」でも、どちらの数値かで意味が変わる
同じ「L」でも、製品の寸法か身体の寸法かで意味が変わる

部位別・サイズの測り方

号数が分からない人には、身体を測ってもらうのが確実です。とはいえ全身を細かく測る必要はありません。作業服・事務服で効いてくるのは次の部位です。

注意

回収シートに「胸囲」とだけ書くと、自分の身体を測る人と、手持ちの服を平置きして測る人が混在します。「ご自身の胸囲(身体を測った数値)」のように、どちらかが分かる言葉で書いておくと混ざりません。

押さえておきたい採寸部位
部位測り方効いてくるところ
胸囲胸のいちばん高い位置を、水平に一周上着全体のサイズ。最優先で確認する
胴囲(ウエスト)おへその高さを水平に一周。力を抜いた状態でパンツの号数。上着より個人差が出やすい
裄丈(ゆきたけ)首の付け根から肩を通り、手首まで袖の長さ。腕を上げる作業が多い現場ほど重要
股下足の付け根から床まで(靴を脱いだ状態)裾上げの要否。安全靴を履く現場は少し長めに

測るときは、薄手の服の上から、メジャーを水平に保つのがコツです。きつく締めると小さめの号数になり、届いてから窮屈になります。

胸囲 胸のいちばん高い位置を水平に一周 胴囲(ウエスト) おへその高さを水平に一周 裄丈(ゆきたけ) 首の付け根から肩を通り手首まで 股下 足の付け根から床まで(靴を脱いで)
作業服・事務服で効いてくるのはこの4か所
サイズ回収シートに入れておきたい項目
項目なぜ必要か
氏名個人名の刺繍を入れる場合に必須。表記ゆれを防ぐため、フルネームで統一する
部署・所属部署ごとに色や品番を分けるとき、また配布のときに効いてくる
アイテム名上下で号数が違う人は珍しくない。まとめて書かせると必ず混ざる
号数発注そのものに使う数値
実寸品番が変わったとき、号数だけだと変換できない。次回の保険になる
裾上げ後から個別に聞き直すことになりやすい項目。最初に取る
記入日体型は変わる。前回いつ取った数値かが分かると判断できる

特に効くのが実寸の欄です。号数だけだと、品番が廃番になった瞬間に一から集め直しになります。胸囲と胴囲の数値さえ残っていれば、別のメーカーのサイズ表に当てはめて号数を割り出せます。廃番については作業服が廃番になったときの進め方で詳しく解説しています。

実寸の欄を残しておくかどうかで、次回の手間が段違いになります。

品番が変わったときに号数だけだと変換できないので、ここは保険として書いてもらいましょう。

素材によってサイズ感は変わる

同じ号数でも、素材によって着たときの印象は変わります。発注前に押さえておくと、「思っていたのと違う」を減らせます。

ポイント

紙で集めた場合も、最後は必ず表計算ソフトに一元化してください。紙のまま保管すると、次回に「どこに置いたか」から始まります。氏名・部署・アイテム・号数・実寸が一枚の表になっていれば、増員のたびに一行足すだけで済みます。

素材ごとのサイズ選びの傾向
素材傾向選ぶときの考え方
綿が多い洗濯で多少縮むことがある。肌当たりは柔らかいぴったりを選ぶと窮屈になりやすい。迷ったら大きめ
ポリエステル縮みにくく型崩れしにくい。乾きが速い表示の号数どおりで大きく外れにくい
ストレッチ素材細身に作られていることが多い同じ号数でも小さめ。試着で確認したい
防寒・中綿入り中に着込む前提。厚みの分だけ大きい普段の号数どおりか、重ね着分を見て判断する

特に冬物は、中に何を着るかで必要なサイズが変わります。防寒着だけ一段大きい号数にしている会社は多く、その場合もアイテムごとに号数を集めることが前提になります。空調服のように内側の構造が特殊なものは、さらに考え方が変わります。詳しくは空調服の選び方をご覧ください。

注意

「洗うと縮むから大きめに」と一律で上げるのは避けてください。ポリエステル主体の品番はほとんど縮まないため、大きすぎる状態が残ります。素材を見てから判断するほうが確実です。

手順3:データで一元管理する

集めたサイズは、紙やメールのまま置いておくと必ず散らばります。表計算ソフト1枚でよいので、次の項目を1行1名で管理しましょう。誰が・どのアイテムを・何号・何枚、そして支給した日付までを残すのがコツです。

氏名山田 太郎
所属製造二課
アイテム長袖ブルゾン/カーゴパンツ
号数ブルゾン L/パンツ 82cm
数量各2着
支給日2026-04-01

支給日まで残しておくのには理由があります。作業服は消耗品なので、いつ何着渡したかが分かると、次の補充時期の見当がつきます。また、退職や異動で人が入れ替わったときも、この一覧を更新するだけで現状を把握できます。特別なシステムは不要で、まずはこの1枚を「正」と決めて、そこだけを更新し続ける運用にするのが現実的です。

手順4:次回をラクにする(前回データを残しておく)

サイズ集めが毎回しんどいのは、毎回ゼロから始めているからです。手順3の一覧を残しておけば、次回は全員に聞き直す必要がなくなります。やることは、前回データを土台にして「変わった人だけ」を更新する運用に切り替えるだけです。

具体的には、追加・補充のときに一覧を印刷して回覧し、「サイズ変更がある人・新しく入った人だけ記入してください」と伝えます。ほとんどの人は前回と同じなので、記入は数人分で済み、回収も一気に速くなります。これが「前回と同じで」が通じる状態です。

この一覧を仕入れ先とも共有しておくと、さらにラクになります。過去の支給内容や号数、刺繍・プリントの仕様を控えている相手なら、「前回と同じ内容で」の一言で追加発注が進みます。廃番になったアイテムがあっても、近い後継品を先方から出してもらえるので、担当者が型番を調べ直す手間もかかりません。

あわせて読みたい制服リニューアルの進め方記事を読む

よくある失敗と対策

最後に、現場で実際に起きがちな失敗と、その対策をまとめます。

  • 号数だけで集めて交換が続出:実物サンプルを回覧し、着てから書いてもらう運用にする
  • 締切が守られず全体が遅れる:時刻まで明記し、未提出者だけに個別リマインドする
  • 書式がバラバラで転記ミス:記入様式と記入例をセットで配る
  • 去年のデータが残っておらず毎回集め直し:支給履歴を1枚の一覧で管理し、次回は差分だけ更新する
  • 刺繍・ネーム位置の指定が毎回ズレる:仕様も一覧に控え、仕入れ先とも共有しておく
  • 追加発注のたびに型番が分からなくなる:過去の発注内容を控えてくれる窓口を1つに絞る

まとめ

全員分のサイズを失敗なく集める鍵は、担当者の頑張りではなく段取りの型にあります。サイズ表と実物サンプルで選ばせ、様式をそろえて回収し、支給履歴まで残す。この一連を一度つくっておけば、次回からは「変わった人だけ」を更新すれば済みます。

そして、この履歴を仕入れ先と共有できると、追加や廃番対応まで含めて負担はさらに減ります。中村被服 企業ユニフォーム事業部でも、サンプル貸出と過去仕様の管理を行っています。

よくあるご質問

サイズ表だけ配れば、実物サンプルは無くても大丈夫ですか?

おすすめしません。同じ「L」でもメーカーや品番で実寸が違うため、数値だけだと判断がぶれます。実物を一着でも回覧できると、返ってくるサイズの精度が大きく上がります。山口県内であれば、営業がサンプルを持って伺うことも可能です。

全員分のサイズが集まらないときは、どうすればいいですか?

締切を決めて、未提出の方にだけ個別に声をかけるのが一番早いです。全体メールを繰り返しても提出率は上がりにくいので、部署ごとに取りまとめ役を決めて名簿で消し込む形にすると漏れが減ります。

迷ったときは、大きめと小さめのどちらを選ぶべきですか?

作業服は大きめが無難です。冬場は中に着込むこと、動きの多い現場では窮屈だと支障が出ることが理由です。ただし事務服やジャケットは大きすぎるとだらしなく見えるため、実寸で確認するほうが確実です。

男女でサイズ展開が違う場合は、どう案内すればいいですか?

品番ごとに男女兼用かレディース展開があるかを先に確認し、案内の時点で分けておきます。兼用品番しかない場合は、小さいサイズの在庫があるかを事前に確認しておくと、後から「合うサイズが無い」となるのを防げます。

試着会は開いたほうがいいですか?

人数が多い場合や、初めて導入する品番の場合は有効です。実物を着てもらえば採寸の手間もサイズ違いの交換も減ります。山口県内であれば、サンプルを持って現場へ伺い、その場で確認いただくこともできます。

集めたサイズデータは、次回も使えますか?

使えます。むしろ残しておくことが最大の効率化です。氏名・部署・サイズ・品番をひとつの表にまとめておけば、次回は増員分と変更分だけを確認すれば済みます。1着だけの追加発注もぐっと楽になります。

空調服やアウターは、普段の作業服と同じサイズでいいですか?

同じとは限りません。空調服は中に着込むことやファンの位置を考えて選ぶ必要があり、アウターも中に着る分の余裕が要ります。空調服の選び方で詳しく解説しています。

サイズ交換には、どのくらい時間がかかりますか?

在庫状況によります。在庫があれば数日で対応できることもありますが、名入れ済みのものは交換が難しくなります。だからこそ、発注前のサイズ確認に時間をかけるほうが結果的に早く済みます。

ユニフォームのご相談は中村被服へ

「何から決めればいいか分からない」段階でも大丈夫です。現場の状況を伺って、目利きでご提案します。カタログ請求・お見積は無料です。

山口県内(防府・山口・周南・下関ほか)の企業さまへは、営業が直接お伺いします。山口で採寸・サイズ集めからご相談

あわせて読みたい

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。