現場用のヘルメットを選ぶとき、形や価格だけを比べても、作業に必要な保護性能は判断できません。最初に見るのは、帽体の内側にある用途表示と検定合格標章です。この記事では、飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用の違いから、交換、点検、保管、まとめて支給するときの管理まで、発注担当者が確認したい順番で整理します。先に結論をお伝えすると、作業の危険を洗い出し、その危険に合う表示がそろった保護帽を選ぶことが基本になります。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

ヘルメットは規格の表示を見れば用途が分かる

産業現場で使うヘルメットは、法令では「保護帽」と呼ばれます。見た目がよく似ていても、飛んでくる物や落下物から頭を守るもの、墜落や転倒時の衝撃を緩和するもの、電気による危険に備えるものでは、確認すべき規格が異なります。発注前に、カタログの商品名だけでなく、帽体内側の表示見本まで確認しておくと選び間違いを防げます。

選定の出発点は「何の作業で、どの危険から頭を守るか」です。倉庫内の荷役、高所での設備点検、配電盤付近の作業では、必要な用途表示が同じとは限りません。部署名だけで一律に決めず、作業場所と作業内容を並べてみてください。

作業で想定する危険最初に確認する表示選定時の考え方
工具、資材、飛散物など飛来・落下物用物体が頭部に当たる危険に対応する用途かを確認します。
足場、荷台、はしご、段差などからの墜落・転倒墜落時保護用頭部への衝撃を緩和する用途が表示されているものを選びます。
充電電路への接近や電気工事電気用使用電圧、作業方法、ほかに必要な絶縁用保護具を含めて判断します。

複数の危険が重なる現場では、用途を兼ねた製品が候補になります。たとえば荷台上で荷を扱うなら、上からの落下物だけでなく、作業者自身が転落する危険も考えなければなりません。片方の表示だけで足りると決めつけず、実際の動線まで確認することが大切です。

作業内容ごとにヘルメットを選定する担当者
作業の危険を整理してから必要な用途表示を選びます(イメージ)

厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」では、飛来・落下物用と墜落時保護用について、「保護帽の規格」(昭和50年労働省告示第66号)に基づく構造や性能が定められ、登録型式検定機関の型式検定に合格したものを使う必要があると説明されています。防災用や乗車用など、別の目的のヘルメットを産業用保護帽の代わりにしないでください。

ポイント

品番を決める前に、「飛来・落下物」「墜落・転倒」「電気」の3欄を作り、職種ごとに該当する危険へ印を付けます。必要な表示が見えるため、色や価格の比較はそのあとにできます。

飛来・落下物用と墜落時保護用の違い

飛来・落下物用は、工具、部品、資材、飛散物などが頭部に当たる危険を想定した保護帽です。厚生労働省告示の「保護帽の規格」では、帽体、着装体、あごひもを備える構造や、耐貫通性能、衝撃吸収性能などが定められています。作業者自身が高所から落ちる場面を主な目的にした区分ではありません。

墜落時保護用は、墜落した際の頭部への衝撃を緩和するための区分です。同規格では、帽体、衝撃吸収ライナー、あごひもを有することなどが構造要件に含まれます。地上作業でも、脚立や段差で転倒する可能性があるなら、現場のリスク評価に墜落・転倒を含める必要があります。

「高所作業が少しだけ」でも作業単位で考える

1日の大半が地上作業でも、点検のために荷台へ上がる、設備の上部を確認する、足場を短時間通るという動きがあれば、墜落の危険は残ります。着用時間の長さだけではなく、ひとつでも危険な工程があるかで考えてください。現場内で保護帽を取り替える運用が難しければ、必要な用途を兼ねた製品にそろえる方法もあります。

確認項目飛来・落下物用墜落時保護用
主に想定する危険物体の飛来、落下作業者の墜落、転倒による頭部衝撃
表示「飛来・落下物用」など「墜落時保護用」など
選び間違いの例防災用や乗車用を代用する高所作業で飛来・落下物用だけを使う
発注時の確認国家検定の合格標章と用途国家検定の合格標章、用途、衝撃吸収機構

両者は優劣ではなく、守る対象が違います。「墜落時保護用なら、あらゆる飛来物にも自動的に対応する」とは限らないため、兼用の表示を確認します。高所作業を含む現場で作業服も同時に見直す場合は、危険源、季節、洗濯方法、元請指定まで整理した建設業の作業服選びの基本と発注手順も、職種別の支給表づくりに役立ちます。

飛来・落下物用と墜落時保護用ヘルメットの比較
外観ではなく用途表示と構造を確認します(イメージ)

なお、衝撃吸収ライナーが見えるかどうかだけで用途を判定するのは避けてください。製品の構造には違いがあり、外観だけでは確実に判断できません。最終判断は、帽体内側の用途表示、検定合格標章、取扱説明書の3点で行います。

「同じ形だから同じ性能」と思いやすいところなんです。

現物サンプルでは、まず内側のラベルを並べて比べると話が早く進みますよ。

電気用は使用電圧と作業条件から絞り込む

電気用の保護帽は、頭部の感電による危険を防ぐための絶縁用保護具として扱われます。一般に「電気用・使用電圧7,000V以下」などの表示を確認しますが、その表示だけで電気作業のすべてを安全にできるわけではありません。電圧区分、充電部との距離、停電措置の有無、必要な絶縁用手袋や防具を含め、電気作業の手順に沿って選定します。

通気孔の有無や見た目で、電気用かどうかを自己判断しないでください。蒸れ対策のために帽体へ穴を開ける、ねじで部品を付ける、指定外の加工をする行為は、規格に基づく性能を損なうおそれがあります。購入後の穴開けや切削は行わず、必要な付属品はメーカーが適合を確認したものから選びます。

点検と交換は社内ルールとして運用する

電気用を含む保護帽は、日常の外観点検だけで管理を終えず、点検と交換の社内ルールを定めておくことが大切です。点検の時期や方法は、メーカーの取扱説明書、使用頻度、作業環境、過去の衝撃や異常の有無を踏まえて、いつ、誰が、何を確認するかを決めます。

ルールには、使用前点検の項目、管理者が確認する時期、異常と判断する基準、使用中止後の隔離方法、交換品の受け取り方を含めます。台帳には点検日、確認者、帽体や内装の状態、衝撃履歴、対応内容、交換日を分けて記録すると、確認漏れを見つけやすくなります。電気用について確認方法を判断できない場合は、メーカーや労働安全衛生の専門家へ相談してください。

注意

電気用保護帽の性能確認は、社内で見よう見まねに行うものではありません。確認方法、必要な設備、実施できる人についてメーカーや労働安全衛生の専門家へ相談し、取扱説明書と現場の条件に合う点検・交換ルールを決めてください。

静電気帯電防止作業服と、感電防止を目的とする電気用保護帽は、名前に「電気」が関係していても役割が異なります。電子部品や可燃性物質を扱う現場で衣服側の対策も必要なら、静電気帯電防止作業服の規格と選び方で、用途の違いを切り分けてください。

検定合格ラベルは用途・製造情報まで読む

保護帽を受け取ったら、箱から出した1個だけでなく、納品されたすべての帽体内側を確認します。見る順番は、検定合格標章、用途、製造者名、製造年月、帽体の材質、品番です。購入した品番と納品物が一致しているかも、この段階で照合します。

型式検定の合格標章には、検定に関する表示や型式の情報が記載されています。内装や衝撃吸収ライナーで隠れていることもあるため、取扱説明書に従って見える位置を確認してください。ラベルが読めない、はがれている、用途が発注条件と違うものは、配布前に分けて販売元へ問い合わせます。

検定合格標章国家検定に合格した型式かを確認します。JIS表示や商品名だけで代用しません。
用途飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用など、作業に必要な表示を読みます。
製造者・型式交換部品や取扱説明書を取り違えないため、台帳に記録します。
製造年月・材質在庫期間と交換計画を考える基礎情報にします。
使用開始日法定表示とは別に社内で記録し、交換時期の起点をそろえます。

JIS T 8131は産業用安全帽に関係する規格ですが、産業現場で必要な国家検定の確認を、JISの記載だけで済ませることはできません。反対に、検定合格標章があっても、用途が現場の危険と合っていなければ選定は不十分です。「合格しているか」と「必要な用途に合っているか」を別々に確認するのがラベルを見るコツです。

ヘルメット内側の検定標章と用途表示を確認する手元
検定、用途、製造年月、材質を納品時に照合します(イメージ)

会社名や個人番号を表示する場合も、検定ラベルを覆わない位置にします。シールの粘着剤、印刷インク、洗浄剤が帽体へ影響する可能性があるため、表示方法と施工位置は保護帽メーカーへ確認してください。穴開けやリベット留めで名札を付ける方法は避けます。

社名表示を先に決めると、肝心のラベルを隠してしまうことがあります。

現物の内側と外側を撮影して、表示位置まで発注書に添えると安心です。

あごひも・内装・通気孔は着用環境で選ぶ

必要な規格を満たす候補に絞ったら、次に着用を続けやすい仕様を比べます。確認したいのは、あごひもの調整範囲、内装のフィット感、汗止めの交換しやすさ、質量、通気孔、付属品との適合です。快適性は大切ですが、用途表示を満たす候補の中で比較する順番を崩さないでください。

あごひもは「付いている」だけでは足りない

あごひもは、保護帽が頭から脱落するのを防ぐ部品です。緩すぎれば、見上げたときや転倒時にずれるおそれがあります。きつすぎると着用者が緩めたままにしやすいため、手袋をした状態でも調整できるか、顔まわりに無理がないかをサンプルで確かめます。

内装は交換部品の入手性まで確認する

着装体、ヘッドバンド、汗止めなどの内装は、汗や皮脂に触れ、帽体より早く傷みやすい部品です。交換用の内装は型式に適合した純正部品を使い、似た形の別製品を流用しません。型式ごとに部品番号を台帳へ入れておけば、追加注文時の取り違えを減らせます。

通気孔は用途表示との両立を確認する

高温環境では通気性が気になりますが、通気孔が多ければよいとは限りません。電気用を含む必要な用途に適合しているか、粉じんや液体の飛散がある環境に向くかを確認します。暑熱対策は保護帽だけに負わせず、休憩、給水、作業時間、空調機器、衣服を組み合わせてください。対策を職場全体で組み立てる手順は、服装・WBGT・休憩・教育を組み合わせる熱中症対策にまとめています。

ファン付きウェアを併用する現場では、フードや襟があごひもと干渉しないかも試着で見ます。ウェア側の運用は、ファン付き作業服の選び方と安全な運用を参考に、保護帽を着けた状態で動作確認を行うと整理しやすくなります。

サンプル確認のチェックリスト

  • 頭を上下左右に動かしても大きくずれない
  • あごひもを手袋のまま調整できる
  • 保護眼鏡、耳栓、面体と干渉しない
  • 汗止めと内装の交換部品を入手できる
  • 必要な用途表示と通気仕様が両立している

交換の目安と使用期限は使用開始日から管理する

保護帽には、食品の賞味期限のような一律の法定使用期限が表示されているわけではありません。日本ヘルメット工業会は、使用状況や材質で異なることを前提に、外観に異常がなくても、PC、ABS、PEなどの熱可塑性樹脂製は使用開始から3年以内、FRPなどの熱硬化性樹脂製は5年以内の交換を推奨しています。これは法定期限ではなく、屋外ばく露試験などを踏まえた業界団体の交換目安です。

この3年・5年は、現場では耐用年数と呼ばれることが多い数字です。ただし前述のとおり法律で決まった期限ではないため、「期限切れだから直ちに違法」にはなりません。実務で効いてくるのはその先で、目安を過ぎた保護帽を使い続けている状態は、万一の労災が起きたときに保護具の管理状況として確認される部分です。使用開始日を台帳に残す理由はここにあります。

同工業会は、あごひも、着装体、汗止めなどについて、使用開始から1年以内の交換を推奨しています。汗、皮脂、汚れ、紫外線、薬品、保管温度などで劣化の進み方は変わります。メーカーの取扱説明書に、これより短い目安や個別条件があれば、そちらを優先してください。

対象交換の目安管理上の注意
PC・ABS・PEなどの帽体使用開始から3年以内が業界団体の推奨異常や強い衝撃があれば目安前でも使用を中止します。
FRPなどの帽体使用開始から5年以内が業界団体の推奨材質表示とメーカー指定を確認します。
あごひも・着装体・汗止めなど使用開始から1年以内が業界団体の推奨型式に適合する交換部品を使います。
強い衝撃を受けた保護帽年数を待たず使用中止外観が正常でも再使用せず、メーカーへ確認します。

管理の起点は製造年月ではなく、実際の使用開始日です。ただし、長期在庫は保管環境の影響を受けるため、製造年月も併記します。「製造年月」「使用開始日」「交換予定日」を分けて台帳へ記録すると、未使用在庫と使用中の品を混同しません。

交換日は「衝撃・異常」と「材質・使用年数」で判断する 使用中の保護帽を確認 強い衝撃の履歴や ひび・変形などがあるか ある 直ちに使用中止 隔離して交換・確認へ ない 帽体の材質表示を確認 PC・ABS・PEなど 使用開始から3年以内か FRPなど 使用開始から5年以内か 3年以内|継続・点検 3年超|交換 5年以内|継続・点検 5年超|交換
強い衝撃や異常があれば年数を待たず使用を止め、異常がない場合も材質別の交換目安で管理する

交換予定日まで使い切れるという意味でもありません。ひび、割れ、変形、著しい変色、内装の破れ、あごひものほつれ、部品の欠落があれば、予定日前でも使用を止めます。落下物が当たった、墜落や強い転倒があったという申告も、外観とは別に交換判断へ入れてください。

交換日だけをシールに書いても、途中の衝撃履歴までは残りません。

「いつから使ったか」と「何があったか」をセットで記録するのがコツです!

保管と点検は日常確認と台帳管理を分ける

保護帽は、使っていない間にも熱、紫外線、薬品の影響を受けます。直射日光が当たる窓際、高温になる車内、暖房器具の近く、溶剤や油が付着しやすい棚は避けます。帽体の上に重い物を載せず、変形しない状態で、メーカーの取扱説明書に沿って保管してください。

汚れを落とすときは、指定された方法と洗剤を確認します。シンナー、ベンジンなどの有機溶剤や、用途不明の強い洗剤は、見た目に変化がなくても材料へ影響するおそれがあります。内装を外せる製品でも、外し方と再取付けの位置を誤るとフィットが崩れるため、説明書どおりに戻します。

使用前点検は本人が短時間で行える形にする

着用者は毎回の使用前に、帽体のひび、割れ、変形、穴、著しい傷や変色を見ます。次に、着装体の破れや外れ、あごひものほつれ、留め具の作動、衝撃吸収ライナーの損傷、部品の不足を確認します。異常があったときの返却場所と代替品の受け取り方まで決めておくと、異常品をそのまま使う事故を減らせます。

管理者の点検は個体番号で追えるようにする

まとめて支給する場合は、個体番号、使用者または配置場所、型式、用途、材質、製造年月、使用開始日、点検日、衝撃履歴、交換日を記録します。全員分を同じ日に点検できない現場では、部署単位で月を分けても構いません。誰が、どの保護帽を、いつ確認したかが追えることを優先します。

異常を見つけた後の動きまで標準化する 1 使用前点検 帽体・内装・あごひも・部品 異常や衝撃の 申告があるか ない 正しく着用 点検日を記録して使用へ ある 2 使用中止 異常表示を付ける 着用へ戻さない 3 隔離・連絡 隔離箱へ返却 管理者へ連絡 4 代替品支給 用途・サイズを照合 点検済み品を渡す 5 台帳更新 異常・衝撃履歴 交換日を記録 異常品は「一時置き」ではなく、再使用できない状態で隔離する 原因確認・交換判断・台帳記録まで完了して一連の対応を閉じる
使用前点検で異常を見つけたら、使用中止・隔離・代替品支給・記録までを途切れさせない

電気用は、日常点検に加えて、メーカーの取扱説明書と使用条件に応じた確認方法を社内ルールへ明記します。点検済みの色シールを貼るだけでは、確認した項目や結果を残した記録の代わりになりません。シールは現場での識別、台帳は点検・交換履歴の証跡と役割を分けます。

ポイント

異常品を見つけた人が迷わないよう、「使用中止」「隔離箱へ返却」「管理者へ連絡」「代替品を受領」の4段階を掲示します。点検項目だけでなく、異常後の動きまで決めると運用が止まりません。

サイズ調整と正しい着用を現物で指導する

適切な規格のヘルメットでも、頭に合わず、あごひもが緩んでいれば性能を十分に発揮できないおそれがあります。サイズは帽体の大きさだけでなく、ヘッドバンドの調整範囲、頭の形、ほかの保護具との組み合わせで決まります。1サイズで全員をまかなえると考えず、頭囲の幅が広い職場は複数サイズや調整方式を比べてください。

着用時は、前後を正しく合わせ、深さを整え、頭を振っても大きくずれない位置までヘッドバンドを調整します。あごひもは脱落を防げるよう締めますが、苦しくて常に外したくなる状態も続きません。教育時に、各自が調整する様子を管理者が確認すると、締め方のばらつきに気づけます。

タオルや帽子の重ね着は安易に認めない

頭に厚いタオルを巻く、指定外の帽子を中にかぶる、硬い物を入れると、保護帽の密着性や衝撃吸収のための空間へ影響する可能性があります。暑さや汗への対策が必要なら、メーカーが適合を確認した汗取り用品などから選びます。現場判断で内装を抜いたり、衝撃吸収ライナーを外したりしないよう伝えてください。

説明書を配るだけでは、締め具合までそろいにくいものです。

朝礼で2人1組になって、前後・深さ・あごひもを見合うと定着しやすいですよ。

作業服も同時に採寸するなら、保護帽と保護眼鏡を着けた状態で、上着の襟やフードが干渉しないかを確認します。社員ごとの寸法と支給履歴を整える方法は、作業服のサイズ回収と試着の進め方も参考になります。

まとめて支給するときは用途表と個体台帳を作る

まとめて発注するときは、最初から1品番に決めるのではなく、職種別の用途表を作ります。縦に職種や工程、横に飛来・落下物、墜落、電気、暑熱環境、併用保護具、必要サイズを置くと、同じ職場でも仕様を分ける理由が見えます。危険が共通するグループごとに品番をそろえると、交換部品と教育内容を整理しやすくなります。足元の保護具も一括で支給するなら、安全靴の規格・先芯・靴底を現場別に選ぶ基準も同じ用途表へ反映できます。

社名表示は識別と安全確認を両立させる

会社名、部署、氏名、個体番号を表示すると、共用品の取り違えや点検漏れを減らせます。一方で、表示が検定ラベルを隠す、反射材や付属品と干渉する、使用できない接着剤を使う状態は避けなければなりません。メーカーが認める表示方法、材料、位置を確認してから、全数へ展開します。

色分けをする場合は、「来訪者は白」「電気担当は青」のように、意味を社内で統一します。ただし、帽体の色だけを用途の証明にしてはいけません。同じ色でも規格は異なるため、現場での識別色と、内側の用途表示・検定合格標章の確認は別に行います。

発注書に残したい項目

発注書には、用途区分、型式、色、サイズまたは調整範囲、数量、交換用内装、あごひも、表示内容、表示位置、納品時のラベル確認を記載します。追加支給に備え、初回発注時の品番と部品番号を保存してください。廃番や仕様変更が起きたときは、見た目の近い代替品ではなく、必要な用途から選び直します。

支給前にそろえる記録

  • 職種別の危険と必要な用途表示
  • 検定合格標章と表示を確認した記録
  • 個体番号、使用者、使用開始日
  • 帽体と交換部品の型式・品番
  • 使用前点検、異常時返却、交換のルール
  • 電気用の点検・交換計画と記録様式

保護帽と作業服を同時に発注するときは、表示加工の仕様を分けて確認します。作業服に使える刺繍・転写・プリントの方法を、保護帽へそのまま転用できるとは限りません。保護帽は型式ごとの取扱説明書と帽体メーカーが認めた材料・位置・方法を優先し、発注書にも作業服とは別の項目として記載します。

ヘルメットの規格に関するよくあるご質問

発注担当者から出やすい疑問を、判断の基準とともに整理します。個別製品の適合や使用方法は、型式ごとの取扱説明書とメーカーの回答を優先してください。

防災用ヘルメットを工場の作業に使えますか?

防災用という名称だけでは、産業現場で必要な用途と国家検定への適合を確認できません。帽体内側に、作業で必要となる飛来・落下物用や墜落時保護用などの表示、検定合格標章があるかを見ます。表示が確認できないものは代用せず、作業用として適合する保護帽を用意してください。

飛来・落下物用があれば高所でも使えますか?

飛来・落下物用は、作業者自身の墜落時保護を目的とする区分とは異なります。高所、荷台、はしご、段差などで墜落・転倒の危険がある場合は、墜落時保護用の表示を確認します。落下物の危険もある現場なら、両方の用途を備える製品から選ぶのが基本です。

使用期限を過ぎていなければ、傷があっても使えますか?

使えません。3年や5年という年数は業界団体が示す交換の目安であり、その期間の安全を無条件に保証する期限ではありません。ひび、変形、著しい変色、内装の損傷がある場合や、大きな衝撃を受けた場合は、年数にかかわらず使用を中止し、メーカーの指示に従います。

会社名のシールは自由に貼れますか?

シールの粘着剤や貼付位置が帽体へ与える影響は、製品ごとに確認が必要です。検定合格標章や用途表示を覆わず、メーカーが認めた材料と位置を使います。管理番号は小さくても読み取れる場所に置き、社名表示と点検識別シールの役割を分けると更新しやすくなります。

内装だけ交換すれば帽体は使い続けられますか?

内装を交換しても、帽体の劣化や衝撃履歴は元に戻りません。帽体と内装は、それぞれの使用開始日、状態、メーカーの交換基準で管理します。交換部品は同じメーカーというだけで選ばず、対象となる型式に適合する純正部品かを確認し、取り付け後にフィットを調整してください。

来訪者用は共用でも問題ありませんか?

共用にする場合も、入る場所の危険に合う用途表示が必要です。使用前後の点検と衛生管理を行い、頭のサイズを調整できる状態で保管します。来訪者が勝手に選ばないよう、立入区域ごとに必要な保護帽を受け渡し、返却時に個体番号と異常の有無を確認する運用が適しています。

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本記事の情報について

本記事は、ヘルメットの規格と支給管理に関する一般的な情報提供を目的とし、2026年8月3日時点で確認できる厚生労働省「保護帽の規格」(昭和50年労働省告示第66号)、労働安全衛生規則、日本ヘルメット工業会の公開情報などを基に作成しています。個別の作業に必要な保護具は、設備、電圧、作業高さ、危険源によって変わります。

実際の選定、点検・交換ルールへの適用は、最新の法令、所轄の労働基準監督署、保護帽メーカー、労働安全衛生の専門家へ確認してください。製品に付属する取扱説明書と警告表示が、本記事の一般的な説明と異なる場合は、製品ごとの指示を優先します。

よくあるご質問

飛来・落下物用のヘルメットを高所作業でも使えますか?

飛来・落下物用は、物体が頭部に当たる危険を想定した区分です。作業者自身の墜落や転倒が想定される場所では、帽体内側に「墜落時保護用」の用途表示があるものを確認してください。落下物と墜落の両方がある現場では、両用途を備えた製品を候補にします。表示は現物でも照合します。

電気用ヘルメットなら、どの電気作業にも使えますか?

電気用の表示だけで、すべての電気作業に対応できるとは限りません。一般に使用電圧7,000V以下などの表示を確認したうえで、電圧区分、充電部との距離、停電措置、必要な絶縁用手袋や防具を含めて選びます。作業手順とメーカーの使用条件を必ず照合してください。

ヘルメットの使用期限は法律で3年と決まっていますか?

一律の法定使用期限として3年が決められているわけではありません。日本ヘルメット工業会は、PC・ABS・PEなどの熱可塑性樹脂製を使用開始から3年以内、FRPなどの熱硬化性樹脂製を5年以内に交換するよう推奨しています。メーカーの基準も確認してください。

落下物が当たっても外観に傷がなければ再使用できますか?

外観が正常に見えても、強い衝撃を受けた保護帽は内部へ影響が生じている可能性があります。交換予定日を待たずに使用を中止し、ほかの保護帽と分けて管理してください。再使用の可否を担当者だけで判断せず、取扱説明書とメーカーの指示に従います。隔離した個体も記録します。

社名や個人番号のシールを自由に貼ってよいですか?

粘着剤や印刷インクが帽体へ影響する場合があるため、メーカーが認めた材料と位置を確認します。検定合格標章、用途、製造年月などの表示を覆ってはいけません。穴開けやリベット留めは避け、社名表示と点検済み表示を分けると更新しやすくなります。施工前に現物で位置を確認します。

来訪者用ヘルメットを共用するときの注意点は何ですか?

来訪者が入る区域の危険に合う用途表示を選び、使用前後に帽体、内装、あごひもを点検します。頭のサイズを調整できる状態に戻し、衛生管理を行って保管してください。受け渡し時に個体番号を記録し、異常があればすぐ代替品へ交換できるようにします。返却場所も決めておきます。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。