外国人の技能実習生や特定技能の人を受け入れるとき、作業着は入国後に本人へ聞けばよいと思いがちです。しかし、入国後は生活案内や講習、健康状態の確認、配属準備が重なり、採寸と交換に使える日は多くありません。作業着の支給が配属日に間に合わない事態を避けるには、入国前に決めることと、本人が来てから確認することを分ける必要があります。この記事では、サイズ、股下、裾上げ、着用ルール、名入れ、返却までを、受け入れ日程から逆算して整える方法を解説します。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

結論:入国してから採寸すると配属に間に合わない

最初に決めたいのは、入国前に作業着の品番と必要数を固め、本人が来たら実寸の最終確認だけで動ける状態にすることです。入国後に商品選びから始めると、採用品の決定、サイズ回収、試着、交換、裾上げ、名入れが一列に並びます。どこか一つで確認が止まるだけでも、配属日に一式がそろわなくなります。

配属日に必要なのは「注文済み」ではなく「本人が安全に着られる完成品」です。上着とパンツが届いていても、袖や裾が長すぎる、前を閉じると動けない、名札との照合ができない状態では現場へ出しにくくなります。発注日は納品日からではなく、試着と手直しが終わる日から逆算してください。

すべてを入国前に確定する必要はありません。むしろ、本人を見ずに号数まで決め切ると交換が増えます。先に固めるのは品番、色、必要な機能、支給枚数、名入れの表記ルール、予備の持ち方です。本人の体に関わるサイズと股下は、入国前の申告値を仮情報とし、到着後に短時間で再確認できる段取りを作ります。

時点決めること確定を待つこと
受け入れ決定時工程、作業着の仕様、必要品、初回枚数個人ごとの最終サイズ
入国前採寸項目、写真資料、名入れの表記方法現物を着たときの動きやすさ
入国直後胸囲、ウエスト、股下などの実寸と試着結果配属後の追加・交換の要否
配属後予備の補充、洗い替え、返却台帳の更新次回受け入れ分のサイズ構成

ポイント

入国前は「服を選ぶ工程」を終え、入国後は「本人へ合わせる工程」だけにします。採寸日、試着日、手直しの締切、配属日を一枚の予定表に置くと、担当者が変わっても進捗を追えます。

一時的に予備を着てもらう案もありますが、共用品が大きすぎたり小さすぎたりすれば、安全面の問題は残ります。予備を用意する場合も、誰でも着られる一種類ではなく、複数のサイズを少数ずつ持つほうが現実的です。入国後の採寸をなくすためではなく、交換や加工の間を埋める備えとして位置づけます。

配属日から逆算する作業着手配の工程 入国前の仕様決定と仮サイズ回収、入国後の採寸と試着、裾上げと名入れ、検品と引き渡しを経て、完成品で配属日を迎える六つの工程。配属日から左へ戻りながら各締切を決める。 配属日から逆算して、加工と確認の締切を置く 届く日ではなく「安全に着られる完成品を渡す日」を基準にする 右端の配属日から左へ戻り、必要日数と予備日を確保 1 仕様決定 品番・色・機能 枚数・名入れ規則 2 仮サイズ 回収 身長・胸囲 ウエスト・股下 3 採寸・ 試着 本人の実寸と動作で サイズを最終確認 4 裾上げ・ 名入れ 確定値と表記を 一つのデータで依頼 5 検品 サイズ 加工を確認 6 完成品 で支給 入国前に固める 服の仕様・必要数・仮情報・説明資料 本人の到着後に確定する 実寸・試着結果・裾丈・個人名の表記 安全に 着用 各工程に予備日を加え、交換が出ても配属日に間に合う日程にする
配属日から逆算し、入国前の仕様決定、到着後の採寸・試着、加工、検品の締切を一枚で管理する

技能実習と特定技能では、受け入れに関わる機関や社内手続きが異なる場面があります。ただし、作業着の手配で共通する軸は、配属される工程に必要な服を、本人が理解できる方法で渡すことです。費用負担や貸与品の扱いに制度上の確認が必要な場合は、技能実習生なら監理団体、特定技能外国人なら登録支援機関にも早めに確認します。

なお、技能実習は2027年4月に育成就労へ移行する予定で、監理団体という呼び名も監理支援機関へ変わります。確認先の名称は動きますが、作業着の側でやることは変わりません。実寸を採る、採用品の寸法表と突き合わせる、裾上げと名入れの日数を配属日から逆算する。この3つは制度の切り替えに左右されない部分です。

入国前に分かること・分からないこと

入国前の名簿には、氏名、生年月日、性別、身長、服のサイズなどが載っていることがあります。ところが、その「M」や「L」が日本で採用する作業着の寸法と一致するとは限りません。書類に値があることと、発注にそのまま使えることは分けて考える必要があります。

工程から決められる情報は先に固める

本人が来る前でも、配属先の工程、季節、屋内外、洗濯方法、必要なポケット、安全上避けたい形は確認できます。製造現場なら回転体の有無、食品現場なら異物混入や衛生区分、建設現場なら視認性や重ね着も関わります。これは国籍や在留資格ではなく、同じ工程で働く人に共通する条件です。

既存の従業員と同じ工程へ入るなら、基本の品番をそろえるほうが管理しやすくなります。別商品を選ぶのは、実寸が採用品のサイズ展開に入らない、体の動かし方に合わない、宗教・文化上の配慮が必要など、理由がある場合に絞ります。個別事情は本人や関係機関と確認し、特定の国籍だけを一つの体格や習慣でまとめないことが大切です。

本人の申告値は仮サイズとして受け取る

入国前に身長、胸囲、ウエスト、股下を測ってもらえるなら、号数だけより有用です。ただし、測った位置、服の上から測ったか、使った単位が同じかで値は変わります。採寸箇所を線で示した図と、センチメートルで記入する欄を送り、分からない欄を推測で埋めないよう伝えます。

靴も同様です。足長だけでなく、足幅や甲の当たり方によって履き心地が変わります。安全靴が必要な現場では、作業着と別に試着時間を確保してください。規格や先芯、靴底などの必要条件を工程から決め、本人が実際に履いて歩ける時間を取ります。

名簿に「L」と書いてあると、そのまま発注したくなりますよね。

まず実寸に置き換えておくだけで、入国後の交換はかなり整理しやすくなります。

入国前に分からないことは、分からないまま管理表へ残します。「未確認」を空欄にすると、担当者が確定値だと思い込むおそれがあります。仮値には確認日と情報源を付け、入国後に誰が測り直すかまで記録すると、採寸漏れを防げます。

サイズ表記の違いは号数ではなく実寸で埋める

S・M・L、数字の号数、身長区分など、服のサイズ表記は国や商品で意味が異なります。同じメーカー内でも、細身のシリーズとゆとりのあるシリーズでは仕上がり寸法が違うことがあります。文字を別の文字へ換算するのではなく、本人の実寸と、採用する品番ごとの寸法表を突き合わせます。

最低限そろえるのは身長・胸囲・ウエスト・股下

上着は身長と胸囲、パンツはウエストと股下を軸に見ます。肩幅や腰回りなど、採用品の形によって追加で確認したい箇所もあります。採寸値と服の仕上がり寸法は同じではないため、胸囲が服の胸回りと同じ数字になる商品を選ぶわけではありません。中に着る服と、作業に必要なゆとりを含めて判断します。

測るときは、厚い私服の上からではなく、作業時に近い薄手の服装にそろえます。メジャーを強く締めず、床と水平になっているかを別の担当者が見ます。股下は、普段履いているパンツの内股の縫い目を測る方法と、体を直接測る方法を混ぜないようにしてください。

採寸だけで確定せず、可能なら候補サイズを試着します。腕を上げる、しゃがむ、前屈する、歩くという動きで、肩や膝が突っ張らないか、裾が床へ触れないかを見ます。静かに立った姿だけで合っていても、作業を始めると窮屈になることがあります。複数人を同じ条件で測り、試着結果を発注前に確定する段取りは、制服の採寸と試着会をそろえる方法で整理しています。

本人の実寸を品番別寸法表へ照合する採寸図 本人の身長、胸囲、ウエスト、股下をセンチメートルで測り、上着は身長と胸囲、パンツはウエストと股下を採用品の寸法表へ照合する。文字サイズへ直接換算せず、ゆとりと作業時の動きを試着で確認して確定する。 文字サイズではなく、実寸を品番別寸法表へ照合する 本人の体の寸法と、服の仕上がり寸法を分けて記録する 1 本人の実寸を測る 薄手の服装・cm表記・同じ測り方で統一 身長 胸囲 ウエスト 股下 記録する4項目 身長 / 胸囲 / ウエスト / 股下 S・M・Lへ 直結しない 2 採用品の寸法表へ照合 品番が変われば、同じサイズ名でも寸法は変わる 上着 品番ごと 身長 + 胸囲 肩・袖・中に着る服のゆとりも確認 パンツ 品番ごと ウエスト + 股下 腰回り・裾丈・安全靴との重なりも確認 仮サイズは上下別に選ぶ 寸法表の版・品番・確認日も一緒に記録 3 腕上げ・しゃがむ・前屈・歩く → 試着で確定
身長・胸囲・ウエスト・股下をセンチメートルで測り、採用品の品番別寸法表と照合したうえで、作業時の動きを試して確定する

同じ品番を既存従業員が着ているなら、社内の試着見本を活用できます。ただし、使用中の服は洗濯や着用で縮み、寸法表と差が出ている場合があります。見本にする服の品番、表示サイズ、使用状態を明記し、新品の寸法表と混同しないようにします。

採寸時にそろえる確認項目

  • 採用品の品番と最新の寸法表
  • センチメートル表記のメジャー
  • 採寸箇所を示す図
  • 上着とパンツの試着見本
  • 中に着る服と作業時の動作
  • 仮サイズ・確定サイズ・確認日の記録欄

人数が多いと、表計算の行ずれや転記ミスも起こります。氏名だけで管理すると同姓や似たローマ字表記を取り違えやすいため、受け入れ側の管理番号を付けると安全です。サイズ回収表の作り方や交換履歴の残し方は、作業服のサイズを全員分集める手順も参考になります。

入国から配属までの日程に発注を合わせる

作業着の納品予定だけを見ていると、名入れや裾上げの時間を落としやすくなります。既製品が発注先へ届く日と、加工済みの完成品が会社へ届く日は別です。さらに、到着後の仕分け、本人への説明、試着、交換の余白も必要になります。

配属日から四つの締切を逆算する

まず配属初日に必要な品目を決めます。その前に「本人へ渡す日」、さらに前に「検品を終える日」「加工へ回す日」を置きます。入国日は採寸可能日とは限らないため、講習や移動、社内オリエンテーションの予定を受け入れ担当者と重ねてください。

名入れをするなら、表記確定の締切が増えます。氏名の順序やつづりを本人へ確認してから加工へ進むと、やり直しを減らせます。一方で、配属前に確認する時間が取れないなら、最初の一式は社名のみ、または名入れなしで用意し、個人名入りは後から追加する選択肢があります。

工程完了の基準遅れたときの備え
採用品の決定品番、色、必要機能、洗濯方法が決まっている既存採用品との共通化を検討する
仮サイズ回収実寸、単位、測定日、未確認欄が分かる複数サイズの試着見本を確保する
入国後の確認実寸と試着結果を担当者が記録している安全に着られる共通予備を渡す
加工裾上げ寸法と名入れ表記が確定している個人名加工を後便に分ける
支給本人が品目、着方、返却条件を理解している写真資料を使って再説明する

「入国日は決まったのに、採寸できる日が分からない」ということはよくあります。

生活案内や講習の予定と同じ表に置くと、使える日が見えてきますよ。

発注先へは、人数だけでなく、配属日、採寸できる日、裾上げの有無、名入れの有無を伝えます。品番や在庫状況によって必要な日数は変わるため、一律の日数を前提にしないでください。サイズ交換が生じた場合に、未加工品なら交換できるか、加工後はどう扱うかも注文前に確認します。検品や配布まで含めた全体の日程は、制服の納期を着用開始日から逆算する方法に沿って組むと、前後の工程を漏らしにくくなります。

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裾上げを前提に枚数と予備を組む

パンツはウエストが合っても、股下がそのまま合うとは限りません。長い裾を折り返しただけでは、作業中にほどけたり、足元へたまったりするおそれがあります。丈を合わせてから支給する前提で、採寸、加工、検品の日を予定へ入れます。

最初から全数を加工しない選択肢もある

入国前の仮サイズだけで全数を裾上げすると、本人の採寸値と違ったときに転用しにくくなります。初回は配属に必要な枚数だけを加工し、残りは試着後に進める方法があります。予備在庫は未加工のまま持つと、複数の股下へ対応しやすくなります。

ただし、未加工品を現場で折って使わせる運用にはしません。加工待ちの間に使う可能性があるなら、よく出るウエストと股下の組み合わせで完成品の予備を作ります。何人分を置くかは、同時入国の人数、交換のしやすさ、現場で必要な洗い替えから決めるのが現実的です。

全数を先に裾上げする方法と初回分だけ加工する方法の比較
未加工の予備を残すと股下の違いへ対応しやすくなります(イメージ)

予備は「在庫にある」だけでは使えません。品番、色、サイズ、股下、加工の有無、保管場所を一覧にし、持ち出した人を記録します。急いで渡した予備が台帳から消えると、次の受け入れ時に同じサイズを二重に発注することがあります。

注意

裾上げ後のパンツは、同じ表示サイズでも股下が違う別在庫です。袋や棚に「L」だけを表示せず、品番・ウエスト区分・仕上がり股下・未使用か返却品かまで識別します。

支給枚数は、配属初日に着る一着だけではなく、洗濯と連続勤務を考えて決めます。食品や汚れの強い工程では、勤務中の着替えも関わります。先に全員へ同じ枚数を配るより、工程別の基準枚数と、交換用の共通予備を分けるほうが不足と余剰を把握しやすくなります。

着用ルールは文章ではなく写真で配る

長い日本語の着用ルールを渡すだけでは、読めたかどうかと、正しく着られるかどうかが分かりません。厚生労働省の外国人労働者に関する指針でも、母国語や視聴覚教材など、本人が理解できる方法で安全衛生教育を行う考え方が示されています。作業着は、正しい着方と危ない着方を並べた写真にすると、袖、裾、前ファスナー、帽子の状態を同時に伝えられます。

一枚の写真資料に一つの場面を載せる

写真には、出勤時の完成した着方を正面と横から載せます。次に、袖をまくった状態、裾が長い状態、上着の前が開いた状態など、禁止する着方を並べます。丸とバツ、矢印を使い、短い語を本人が理解できる言語でも添えると、文章を読み上げるだけより確認しやすくなります。

注意点を一枚へ詰め込みすぎると、どこを見ればよいか分かりにくくなります。着替え場所に貼る資料は完成形、機械の近くに貼る資料は袖や前開き、洗濯場所に置く資料はポケット確認というように、使う場所で分けます。現場の写真を使う場合は、背景に社外秘の図面や個人情報が写っていないかも確認してください。

正しい作業着と危険な着方を写真資料で確認する作業者
着用ルールは写真と実演で確認します(イメージ)

配布したら、本人に写真と同じ状態を実際に作ってもらいます。「分かりましたか」と尋ねるだけでは、遠慮してうなずくことがあります。袖口を留める、前を閉じる、裾を安全な長さにする動作を一緒に行い、できたことを確認してから配属へ進みます。

翻訳した紙を渡しただけで終えると、実際の着方までは確認できません。

写真を見ながら本人に着てもらうと、伝わっていない箇所がその場で見つかります!

写真資料は技能実習生や特定技能外国人だけの特別な資料にしなくても構いません。新入社員、派遣社員、応援者にも同じものを使えば、現場の着用ルールが統一されます。翻訳だけを別紙にする場合も、写真の番号と説明の番号を合わせ、改訂時にずれないよう版を管理します。

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安全に直結する着方は袖・裾・上着の前まで確認する

作業着は、同じサイズ名を着ていれば安全になるわけではありません。回転体や搬送設備の近くでは、余った袖、長い裾、開いた上着、垂れ下がるひもが巻き込まれのきっかけになります。工程ごとに危険箇所を洗い出し、その設備の前で服装を確認できる運用が必要です。

巻き込まれのおそれがある機械では服装も安全対策になる

労働安全衛生規則第110条は、動力で駆動する機械に作業中の労働者の頭髪や被服が巻き込まれるおそれがあるとき、事業者が適当な作業帽または作業服を着用させることを定めています。労働者側にも、着用を命じられた作業帽または作業服を着用する定めがあります。外国人か日本人かを問わず、対象となる危険へ同じ基準で向き合う必要があります。

袖口はボタンや面ファスナーを留め、作業中に開かないかを見ます。裾は床へ触れず、靴のかかとで踏まない長さにします。上着の前は指定位置まで閉じ、フードや調整ひもが機械へ近づかない状態にしてください。選んだ服の機能だけでなく、正しく着続けられるかが安全を左右します。

サイズが大きすぎると、袖や身幅に余りが出ます。小さすぎると、腕を上げたときに裾が持ち上がり、本人が動きやすさを求めて前を開ける原因になることがあります。見た目の統一より、工程で必要な動作を妨げず、余った部分が設備へ近づかないことを優先します。

配属前の着方確認

  • 袖口を留めたまま手を動かせる
  • パンツの裾を踏まずに歩ける
  • 上着の前を閉じても屈伸できる
  • フードやひもが設備へ垂れない
  • 帽子、保護具、作業着が干渉しない
  • 緊急時の合図を本人が理解している

服装の確認は、安全教育そのものの代わりにはなりません。機械の停止、立入禁止、緊急時の合図などは、本人が理解できる言語や図を用いて別に教育します。作業着を含む製造現場の服装を工程から選ぶ視点は、工場の作業着を安全と工程で選ぶ基準も参考にしてください。

巻き込まれを防ぐ袖口と裾の適切な状態と危険な状態
袖・裾・上着の前を配属前に確認します(イメージ)

配属初日だけでなく、洗濯後や季節の重ね着が変わった時期にも見直します。冬にインナーを増やすと窮屈になり、夏に薄着になると作業着の余りが増える場合があります。朝礼前の服装確認を全員共通にすると、外国人だけが注意を受けている印象を避けながら、着方の乱れを早く見つけられます。

名入れは表記とローマ字の決め方を先にそろえる

名入れを個人識別に使うなら、氏名のどの部分を、どの順序と文字で表示するかを先に決めます。旅券や在留カードの表記を参考にする場面はありますが、現場で本人をどう呼ぶか、同じ表記の人がいないかも関わります。担当者がそれぞれの判断でローマ字を短くすると、台帳や名札と一致しなくなることがあります。

加工前に本人・社内台帳・発注データを照合する

表記案を作ったら、本人に見てもらい、受け入れ側の管理番号と結び付けます。大文字・小文字、空白、ハイフン、氏名の順序を含め、確定した文字列をそのまま加工指示へ渡します。口頭や手書きメモを介して転記するとつづりが変わりやすいため、一つの確定データから台帳と発注書を作るほうが安全です。

同じ呼び名の人が複数いる場合は、本人の希望を確認したうえで、名字と名前の一部、管理番号、色分けなどを検討します。ただし、作業着へ載せる情報を増やしすぎると、社外で個人情報が見えやすくなります。識別に必要な範囲と、来客や社外へ出る場面を合わせて決めてください。

決める項目確認内容避けたい状態
表示する範囲名字、名前、呼び名、管理番号のどれか担当者ごとに省略方法が違う
文字種ローマ字、カタカナなど現場で読める表記台帳と作業着で文字が一致しない
位置胸、袖など保護具や名札と干渉しない場所ベストやハーネスで常に隠れる
個人名の有無識別の必要性と返却後の再利用再支給する服へ他人の名前が残る

注意

個人名の刺繍をほどくと、生地に針穴や跡が残ることがあります。短期間で返却される可能性がある作業着は、社名だけの加工、着脱できる名札、加工しない予備などを分けて考えます。

刺繍、プリント、名札では、見え方、耐久性、変更のしやすさが異なります。加工方法と発注時のデータを整理するなら、ユニフォーム名入れの費用・納期と発注手順が役立ちます。配属までの時間が短いときは、個人名を急いで加工するより、名入れなしで安全に配属できる一式を先に確保するほうがよい場合があります。

外国人技能実習生・特定技能の作業着でよくあるご質問

ここでは、入国前の準備から配属後の交換、帰国・退職時の返却まで、担当者が判断に迷いやすい点をまとめます。制度上の取扱いが関わる事項は、雇用契約や社内規程だけで決めず、監理団体または登録支援機関にも確認してください。

入国前の申告が「M」だけでも発注できますか?

Mという文字だけで個人分を確定するのは避けたほうが安全です。まず採用する品番の寸法表を用意し、身長、胸囲、ウエスト、股下をセンチメートルで確認します。配属まで時間がない場合は、未加工の複数サイズを試着用に確保し、本人の到着後に動作確認まで行って決めます。

入国後の採寸は誰が立ち会うとよいですか?

作業着の品番と寸法表を把握する担当者に加え、本人へ測り方を説明できる人が立ち会うと進めやすくなります。必要に応じて通訳や支援担当者にも協力を求めます。本人の体に触れて測る必要がある場合は、方法を先に説明し、プライバシーへ配慮できる場所と担当者を選んでください。

サイズが合わないときは私物で代用してもらえますか?

現場で指定する機能や着方を満たすか確認できない私物を、安易な代用品にしないほうが安全です。工程に必要な作業服を複数サイズで予備として持ち、交換品が届くまで貸し出せるようにします。貸出日、サイズ、管理番号、返却予定を台帳へ残せば、予備が所在不明になるのを防げます。

帰国や退職のとき、作業着は返してもらえますか?

返却を求めるなら、最初に貸与品であること、対象品、返却時期、返却先を本人が理解できる方法で伝えます。「支給」と案内しながら帰国直前に返却を求めると、認識が食い違います。制服を貸与として管理する規程の考え方は、制服の支給・貸与と返却条件の決め方で確認できます。

返却された個人名入りの作業着を再支給できますか?

前の着用者の個人名が残る服を、そのまま別の人へ渡すのは避けます。刺繍をほどいても針穴や色差が残る場合があるため、加工前から再利用の可能性を考えてください。回収後は、汚れ、破損、におい、加工跡を確認し、再支給、共通予備、使用終了に分けます。

作業着の費用負担や返却条件は誰に確認しますか?

まず雇用契約、就業規則、貸与規程、本人への説明内容が一致しているかを社内で確認します。技能実習に関する運用は監理団体、特定技能に関する支援は登録支援機関へ確認し、給与からの控除や税務処理が関わる場合は、給与計算の担当者や専門家にも確かめます。その場の判断で費用を差し引かないことが大切です。

返却の説明は、帰国が決まってからでは遅くなりがちです。

最初に写真付きの貸与一覧を渡しておくと、最後の確認がぐっと楽になりますよ。

返却日を住居の退去日や出国日に重ねると、荷造りや各種手続きの中で回収が後回しになります。最終出勤日など、作業着を最後に使う日を基準に回収予定を組み、必要なら移動用の服を別に案内します。具体的な回収と状態確認は、退職時の制服返却と再支給の手順も参考になります。

本記事の情報について

本記事は、外国人の技能実習生や特定技能外国人へ作業着を用意する企業に向けた一般的な情報提供を目的としています。個別の在留資格、雇用契約、就業場所、担当業務、受け入れ体制によって、必要な確認や運用は異なります。

法令・制度に関する内容は2026年8月の執筆時点の情報に基づいています。技能実習や特定技能の制度上の取扱いは監理団体・登録支援機関などの関係先へ、安全衛生上の判断は所轄の労働基準監督署や安全衛生の専門家へ確認してください。

支給品・貸与品の費用負担、給与からの控除、経費や課税関係など、実際の税務・会計処理は契約と事実関係によって判断が変わります。処理を決める前に、顧問税理士または所轄の税務署へ確認してください。

よくあるご質問

入国前に身長しか分からない場合、作業着を先に注文できますか?

品番と必要数は先に決められますが、身長だけで個人のサイズを確定するのは避けたほうが安全です。胸囲、ウエスト、股下をセンチメートルで追加確認し、値がそろわない人は未加工の候補サイズを確保します。到着後に試着して、腕上げや屈伸でも窮屈さや裾の余りがないことを見てから個人分を確定してください。

技能実習生と特定技能外国人で作業着を分ける必要がありますか?

在留資格だけを理由に別の作業着へ分けるのではなく、配属工程の危険、衛生、季節、必要な保護具から仕様を決めます。同じ工程で同じ作業をするなら、基本仕様をそろえるほうが説明と在庫管理は簡潔です。費用負担や貸与品の扱いなど制度に関係する点は、監理団体または登録支援機関へ確認してください。

本人のローマ字表記が長い場合、刺繍を省略してもよいですか?

担当者だけで短くせず、現場での識別方法と本人の希望を確認します。旅券などの表記、社内台帳、呼び名を照合し、大文字・小文字、空白、ハイフンを含む確定データを作ってください。刺繍枠に収まらない場合は、個人名を加工せず着脱式の名札や管理番号を使う方法も候補になります。

裾上げ前のパンツを折り返して配属日に着てもらえますか?

折り返しがほどけたり、裾を踏んだりする状態は、転倒や機械への巻き込まれにつながるおそれがあります。配属日に使う分は適切な股下へ仕上げ、加工待ちに備えるなら複数サイズの完成品を共通予備として用意します。未加工品は調整用の在庫として識別し、現場用の完成品と同じ棚で混同しないようにしてください。

写真の着用ルールは翻訳しなくても伝わりますか?

写真や図は着方を直感的に示せますが、画像だけで全員が同じ意味を理解できるとは限りません。丸・バツ・矢印に加え、本人が理解できる言語で短い注意語を添え、実際に袖口を留める、前を閉じるなどの動作をしてもらいます。緊急時の合図や機械の危険は、作業着の資料とは別に安全衛生教育で確認してください。

帰国する技能実習生から作業着を回収できなかった場合はどうしますか?

まず貸与時の説明、貸与品一覧、返却期限、本人との連絡記録を確認し、監理団体を含む関係者と事実をそろえます。帰国直前に突然費用請求を決めたり、給与から差し引いたりしないでください。次回からは最終出勤日を回収日に設定し、写真付き一覧へ本人の確認を残すと、荷造りや退去手続きとの重複を避けやすくなります。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。