制服をリニューアルすると、新しい制服の選定と同時に、まとまった数の旧制服が発生します。社名やロゴが入っているため、家庭の古着と同じ感覚では手放せません。回収日、返却の確認方法、処理先、再資源化の範囲まで発注前に決めておくと、倉庫に残り続ける事態を防げます。この記事では、総務・調達のご担当者が制服の回収とリサイクルを無理なく続けるための判断軸を整理します。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

制服回収は捨て方ではなく次の発注とセットで決める

旧制服の扱いを考え始める時期は、入れ替えが終わったあとではありません。新しい品番、着用開始日、配布方法を決める段階で、旧品の返却と行き先も一緒に設計します。回収だけを後工程にすると、誰が何着持っているか分からず、各部署のロッカーや従業員の自宅に残りやすくなるからです。

最初に決めたいのは、所有、回収、処理、記録の4点です。貸与品なのか支給品なのかを確認し、対象品を明らかにします。そのうえで、どこへ集め、誰が数え、どの方法で処理し、何を証拠として残すかをつなげます。

判断すること発注前に決める内容決めないまま進めたときの困りごと
対象上着、パンツ、防寒着などの品目と、貸与・支給の区分私物や継続使用品まで回収箱に混ざる
日程新品の納品日、着用開始日、旧品の返却期限、処理先の引き上げ日新旧を同時に使う期間が延び、未返却者を追えない
行き先社内リユース、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、適正処分集めたあとに受入条件が合わず、保管が長期化する
証跡回収枚数、引き渡し日、処理方法、受領書や処理証明の保管先取引先へ実績を説明するときに根拠を示せない

全体の変更計画がまだ固まっていない場合は、先に制服リニューアルの進め方と社内合意の取り方を整理すると、回収日を着用開始日から逆算しやすくなります。新制服を選ぶ会議に、旧制服の担当者と保管場所の話まで入れておくのが実務上の分かれ目です。

ポイント

「回収する」だけでは計画になりません。対象品、返却期限、一時保管場所、処理先、記録の責任者まで決まって、初めて実行できる状態になります。

一度に全社を切り替える必要もありません。部署ごとに着用開始日が違うなら、回収単位も部署ごとに分けます。制服の発注時期と衣替えを組み込む年間スケジュールに回収期限も重ねておけば、夏物・冬物の切り替え時に旧品を追いやすくなります。試行する拠点を一つ決め、返却率や仕分け時間を確かめてから広げる方法もあります。

「新品を配れば、旧品は自然に戻る」と思いがちなんです。

交換の条件と締切を先に伝えるだけで、担当者の追いかけ作業がかなり減りますよ。

使用後の制服は燃えるごみに出せるとは限らない

会社で使い終わった制服は、家庭から出る衣類とは出所が異なります。事業活動に伴って発生した廃棄物なので、自治体の家庭ごみ収集へそのまま出せるとは限りません。まず事業所がある市区町村の事業系ごみの案内と、契約する処理業者の受入条件を確認します。

廃棄物処理法では、事業活動から出る廃棄物について、産業廃棄物に当たるものと、それ以外の事業系一般廃棄物を分けて扱います。制服のような繊維製品を見て、素材だけで一律に区分することはできません。繊維くずが産業廃棄物になる範囲は排出する業種などで変わるため、会社の業種、発生工程、素材や付着物を伝えて確認するのが安全です。

たとえば、通常の事務所で着用した制服と、製造工程で油や薬品が付着した作業服では、処理先が同じとは限りません。ポリエステル生地、金属ファスナー、樹脂製ボタンなど複数の素材が組み合わされている点も伝えます。汚れや付着物の種類が分からないときは、回収箱へ混ぜる前に安全衛生のご担当者へ確認してください。

確認先伝える情報確認したい答え
事業所所在地の自治体排出事業者の業種、制服が出た経緯、予定数量事業系一般廃棄物か産業廃棄物か、利用できる処理方法
収集運搬・処分業者素材、付属品、汚れ、荷姿、社名表示の有無許可・受入範囲、分別方法、収集条件、処分費
回収・リサイクル事業者混率、品目、枚数、汚れ、裁断の要否再資源化できる範囲、対象外品の行き先、証明内容

「リサイクルへ出す」と呼んでいても、引き渡す物が法令上の廃棄物に当たらなくなるとは限りません。無償か有償か、物の状態、取引の実態などを含めて判断されるため、名称だけで決めないことが大切です。回収会社が運搬と処理に必要な資格や受入体制を持つかも確認します。

注意

産業廃棄物の処理を外部へ委託する場合は、許可範囲、書面契約、産業廃棄物管理票であるマニフェストなどの確認が必要になるのが一般的です。制服がどの区分になるかを自治体と処理業者へ確認してから、必要な書類をそろえてください。

回収品が廃棄物に当たるか、どの区分になるかは個別事情で変わります。担当者だけで判断せず、自治体の廃棄物担当窓口と、許可を受けた処理業者の双方へ同じ情報を伝えます。回答日と担当窓口も台帳に残しておくと、次回の入れ替えで迷いません。

会社で使い終えた制服の廃棄物区分を確認する判断軸 排出事業者の業種、制服が発生した工程、素材と付属品、汚れと付着物を整理し、同じ情報を事業所所在地の自治体と許可を受けた処理業者へ伝える。双方の回答と受入条件を照合して、事業系一般廃棄物、産業廃棄物、確認保留のいずれかに整理し、回答日と担当窓口を台帳へ記録する流れ。 素材名だけで決めず、排出条件をそろえて確認する 同じ制服でも、業種・発生工程・付着物によって区分や受入条件が変わる 1 回収品の実態を整理 排出事業者の業種 製造業・事務所など 制服が発生した工程 着用場所・作業内容 素材・付属品 混率・ボタン・ファスナー 汚れ・付着物・数量 油・薬品・荷姿も伝える 2 事業所所在地の自治体 廃棄物担当窓口へ、区分と利用できる処理方法を確認 2 許可を受けた処理業者 許可・受入範囲、分別、収集条件、必要書類を確認 3 双方の回答と受入条件を照合 名称や有償・無償だけで自己判断しない 事業系一般廃棄物 自治体の案内と委託条件に従う 産業廃棄物 許可範囲・契約・マニフェスト等を確認 区分・条件を確認中 ほかの回収品と混ぜず、回答まで保留 回答日・担当窓口・区分・受入条件を台帳へ記録し、次回の確認に使う
業種・発生工程・素材・付着物をそろえて自治体と処理業者へ伝え、回答を照合して制服の区分を確認する

社名やロゴが入ったまま外へ出せない理由

制服は、単なる古着ではなく会社を識別できる物です。胸や背中の社名、ロゴ、部署名、個人名が見える状態で社外へ流れると、第三者が従業員を装ったり、無断販売されたりするおそれがあります。実際の危険度は業種や施設によって違いますが、入館管理や顧客宅への訪問がある職場ほど慎重な扱いが必要です。

そのため、回収先には「再利用できるか」だけでなく、識別表示をどの段階で読めなくするかを尋ねます。自社で集めた直後に裁断するのか、施錠した容器で運び、処理施設で破砕するのか。引き渡しから処理までの管理方法が分かれば、社内の情報管理部門にも説明しやすくなります。

刺繍やプリントを外して着回す方法には限界がある

社名刺繍をほどけば元の生地へ戻るように見えますが、針が何度も通った部分には穴や糸の跡が残ります。ワッペンを外すと縫い目が見え、熱圧着したプリントを剥がすと表面が傷んだり色が変わったりすることもあります。個人名だけを外して別の人へ渡す運用は、見た目と耐久性の両方を確かめないまま進めないほうがよいでしょう。

今後の回収まで考えるなら、名入れの位置や方法を発注時に検討できます。個人名を交換式の名札にする、会社表示と個人表示を離すなど、運用と加工を切り分ける考え方です。刺繍とプリントの違いは、名入れ加工の耐久性と向いている用途でも確認できます。

立会い・裁断・処理証明は何を保証するかを分ける

回収時の立会いは、予定した箱数を渡したか確認する方法です。裁断の写真は、社名表示を読めない状態にした証拠になり得ます。処理証明は、受領、破砕、再資源化、最終処分など、発行者によって示す工程が違うため、証明書の名称だけで判断しないことが大切です。

必要なのは、誰が、いつ、何を、何枚受け取り、どこまで処理したと確認できるかです。処理証明とマニフェストは目的が同じとは限りません。法令上必要な記録を民間の証明書だけで置き換えられると考えず、契約前に書類の見本と対象工程を見せてもらいます。

「証明書が出ます」だけでは、まだ判断できないところです。

受領の証明なのか、ロゴの裁断までなのか、再資源化の完了までなのかを聞いてみてください。

写真を残す場合も、従業員名が読み取れる画像を社内で広く共有すると別の管理負担が生まれます。撮影範囲、保存場所、閲覧できる人、保存期間を決めます。個人名を含む制服は、回収箱の段階から一般の古着と分けて扱うと安心です。

社名入り制服を回収して表示を読めない状態にし、処理記録を残す工程 社名や個人名が入った制服を回収して数量と表示を照合し、一般の古着と分けて封かんする。責任者を決めて施錠保管し、引き渡し時に箱数と受領者を記録する。処理先で社名表示を裁断または破砕して読めない状態にし、処理方法と証拠を台帳へ保存する六工程。 社名表示を管理したまま、処理と証拠までつなぐ 回収箱から処理完了まで、数量・保管責任・表示抹消の記録を切らさない 1 回収・照合 品目・枚数を数え、社名・ロゴ・ 個人名の有無を回収記録へ残す 対象を確定 2 分別・封かん 一般の古着と分け、識別した容器へ 入れて、ふたや袋の口を閉じる 表示別に分ける 3 施錠保管 保管場所・責任者・ 引き上げ日を決める 社外流出を防ぐ 4 引渡し確認 封かん状態・箱数・枚数を照合し、 引渡日と受領者を記録する 立会いは引渡しの証拠 5 裁断・破砕 社名・ロゴ・個人名を読めない 状態にし、写真の範囲も管理する 表示抹消を確認 6 処理・記録保存 処理方法・処理日・数量と、証明が 示す工程を台帳へひも付ける 次回も追える証跡にする 証拠は役割を分けて保存 立会い記録 → 引渡数量 裁断写真 → 表示の抹消 処理証明 → 記載された工程 証明書の名称ではなく、どの工程まで確認できるかを契約前に確かめる
社名入り制服を回収・封かんして施錠保管し、引渡し、表示の裁断・破砕、処理記録まで一方向につなぐ

制服を再資源化する3つの道と熱回収の違い

回収後の行き先は、リユース、物理的に別の材料へ変えるマテリアルリサイクル、化学的に原料へ戻すケミカルリサイクルの三つに大きく分けられます。ただし、すべての制服が希望した方法へ進めるわけではありません。素材の混率、汚れ、金属や樹脂の付属品、社名表示、回収量が受入条件に合うかで決まります。

リユースは制服の形を保ったまま再使用する

傷みが少ない制服を同じ会社の予備や短期勤務者用として使う方法です。製品を壊さず使えるため、まだ着用できる物の寿命を延ばせます。一方、個人名がある、ロゴを外せない、サイズが偏っている、安全機能の有効性を確認できない場合は向きません。

社外へ譲る場合は、会社を識別できない状態にできるかを先に見ます。高視認性、防炎、制電などの機能が必要な制服は、使用履歴や洗濯回数が分からない物を安易に再支給しない判断も必要です。見た目がきれいでも、必要な性能を保っているとは限りません。

反毛やウエスへのマテリアルリサイクル

回収した繊維をほぐして反毛にし、フェルトや吸音材、詰め物などの材料へ回す方法があります。布を一定の大きさに裁断し、清掃用のウエスとして利用する道もあります。制服の形は失われますが、繊維を材料として次の用途へつなげる考え方です。

ボタン、ファスナー、面ファスナー、反射材などが付いたままでは処理しにくいことがあります。油や薬品が付着した衣類、濡れた衣類、カビが出た衣類も対象外になり得ます。回収前に外す物と、処理施設で選別できる物を分けて確認してください。

再生ポリエステルへつなぐケミカルリサイクル

ポリエステルを化学的に分解し、原料段階へ戻して再生ポリエステルなどへつなぐ方法です。制服から再び繊維原料を得られる可能性がありますが、ポリエステルを含む服なら何でも受け入れられるわけではありません。混紡率、異素材の裏地、加工剤、汚れ、付属品など、回収プログラムごとの条件があります。

回収対象の商品があらかじめ指定され、購入履歴や製品ラベルを求められる仕組みもあります。入れ替え後に処理先を探すより、次の制服を選ぶ時点で回収スキームの対象かを確かめるほうが確実です。閉じた循環を目指す場合は、回収品が何の原料になり、その原料がどの製品に使われるのかまで聞きます。

行き先制服の形・素材事前に確かめること
リユース製品の形を保って再使用表示の抹消、状態、安全機能、再支給先
反毛繊維をほぐし別の材料へ利用混率、異物、汚れ、最低回収量、用途
ウエス布を裁断して清掃材などへ利用吸水性、裁断寸法、付着物、ロゴの処理
ケミカル化学的に分解し原料へ戻す対象素材、対象製品、混紡・付属品の条件
熱回収焼却時の熱やエネルギーを利用再生材料になる工程とは区別して記録

熱回収は、焼却時の熱をエネルギーとして利用する方法です。単純に埋め立てる場合とは異なりますが、制服の繊維が材料として次の製品に残る再資源化とは区別して説明します。回収分の一部が反毛、一部が熱回収になるなら、すべてを「制服としてリサイクルした」とまとめないほうが正確です。

ポイント

処理方法の名称より、回収品が最終的に何へ変わるかを確認します。「再資源化」と「熱回収」を分けて枚数や重量を記録すると、社内外への説明がぶれません。

最も環境負荷が小さい方法は、回収距離、選別、洗浄、処理エネルギー、再生品の用途などでも変わります。担当者が独自に優劣を断定するのではなく、処理先が示す工程と根拠を比較します。受入不可品の行き先も確認しておくと、都合のよい部分だけを説明する事態を避けられます。

制服のリユース・マテリアル・ケミカルリサイクルと熱回収の比較
回収後に制服や繊維が何へ変わるかを確かめます(イメージ)

入れ替えのときに回収をどう組むか

回収を止めないコツは、新品が会社へ届く日と、従業員へ渡す日を分けて考えることです。新品は交換日の前に検品し、サイズ別・部署別に仕分けておきます。そして着用者への配布は、原則として旧品の返却確認と引き換えにします。

新品の納品日と旧品の引き上げ日を同日にすると、不足やサイズ違いが見つかったときに交換が止まります。納品と検品を先に済ませ、部署ごとの交換日を設け、その後に処理先の引き上げ日を置く流れが現実的です。「旧品が出るまで新品を渡さない」というルールは、着用者へ渡す場面で運用します。

時点担当者の動き記録すること
切替え前対象者と貸与数を確定し、新品を部署・サイズ別に検品する氏名または社員番号、旧品数、新品数、例外理由
交換日旧品を受け取り、社名・ロゴ・個人名の有無を見て新品を渡す返却日、返却数、未返却数、汚れや異物
追跡期間欠勤者、洗濯中、長期出張、休職者の分を別に追う返却予定日、連絡担当、保留理由
引き上げ日社内リユース分を除き、行き先別に封かんして引き渡す箱数、枚数、重量、受領者、処理方法

回収場所は、誰でも開けられる廊下の箱より、担当者が確認できる場所が向いています。ポケットの私物、名札、安全ピン、バッテリーなどが残っていないかを着用者本人が確認し、担当者は品目と枚数を数えます。濡れた服や強い汚れのある服は、他の回収品と袋を分けます。

洗濯中仮の未返却として次の期限を付ける
欠勤・出張・休職対象者ごとに別の交換日を設定する
紛失責任者が理由を確認し、担当者の判断だけで新品を止めない
破損・強い汚れ通常の回収品と袋を分けて処理条件を確認する

退職者から戻った制服も、定期回収へ合流させられます。ただし、返却の都度数えずに倉庫へ置くと、次回の台帳と合わなくなります。退職時の受領記録を作り、次の引き上げ日まで施錠保管する流れは、退職時の制服返却と未返却を減らす運用と共通です。

全員が同じ日に返せる職場ばかりではありません。

洗濯中や夜勤の分を「例外箱」に逃がして、次の締切まで追えるようにしておくと回収が止まりませんよ。

回収率を上げるために、返却できない人をその場で責める必要はありません。貸与記録のずれ、紛失、破損、持ち帰り忘れを理由別に分けると、次回に直すべき箇所が見えます。新品の配布担当と旧品の集計担当が別なら、当日中に数字を突き合わせます。

旧制服の返却確認後に新しい制服を渡す交換窓口
納品・検品を先に済ませ、部署ごとの交換日に旧品と新品を交換します(イメージ)

再生ポリエステルの制服を選ぶときに見るところ

回収の仕組みを作ると、次は再生素材を使った制服も候補に上がります。ここで「再生ポリエステル使用」という表示だけを見て決めると、追加発注や数年後の更新で困ることがあります。含有率や原料の由来だけでなく、実際の着用条件と継続調達まで見ます。

表示の範囲と根拠資料を確認する

再生原料が生地全体にどの程度使われているか、表地だけか、製品全体を指すのかを商品仕様で確かめます。回収した制服そのものが新しい制服になったのか、別の使用済み資源を原料にしたのかも同じではありません。取引先へ説明する予定があるなら、カタログの表現、証明書、供給元が示す情報の範囲を保存します。

「環境配慮型」と書かれていても、その理由が再生原料、長寿命、回収対応、省資源包装など複数に分かれる場合があります。自社が採用理由として説明する項目を一つずつ切り分けます。確認できない効果を補って表現しないことが、後の問い合わせ対応を軽くします。

色ブレと堅牢度は量産前の現物で見る

再生原料を含む生地は、原料や生産ロットの違いにより色が振れる可能性を見込んでおきます。初回に全員分をそろえたときは気にならなくても、翌年の追加分だけ並べると差が見えることがあります。許容できる色差の範囲、同一ロットで確保できる数量、追加時に現物見本と比較できるかを見積もり段階で確認します。

色の見え方だけでなく、洗濯、摩擦、汗、光などに対する堅牢度の資料も見ます。必要な水準は、屋外作業、工場洗濯、接客など着用環境で異なります。候補品を数名で試し、実際の洗濯条件を通したあとに、新品との色、縮み、毛羽立ちを比べると判断しやすくなります。

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供給の継続性と廃番時の代替を聞く

制服は初回発注で終わらず、採用、異動、破損交換で追加が続きます。再生素材のモデルが翌年も同じ色・型で買えるか、在庫が切れたときの次回生産はあるか、最低発注数が変わらないかを確認します。生地の仕様が変わる場合に、事前案内があるかも聞いておきたい項目です。

廃番になったときの代替候補は、色だけでなくシルエット、ポケット、安全機能、混率、名入れ位置まで比較します。事前に近い品番を決めておく考え方は、作業服が廃番になったときの代替品の探し方でも整理しています。初回価格が少し低いことより、追加調達を止めない条件がそろっているほうが、制服運用では重要になる場合があります。

見積もりで確認する再生素材の条件

  • 再生原料の対象部位、含有率、由来を示す資料
  • 初回と追加ロットで想定される色差と比較方法
  • 洗濯・摩擦・汗・光に対する堅牢度の資料
  • 継続供給の予定、追加時の納期、廃番時の代替候補
  • 使用後に利用できる回収プログラムと受入条件

回収しやすさまで考えるなら、素材構成が単純か、付属品を分けやすいかも確認します。ただし、リサイクルしやすさだけで安全性や動きやすさを下げては本末転倒です。必要な機能を満たした候補の中で、循環の道筋を比較してください。

再生ポリエステル制服の初回品と追加ロットの色を比べる生地見本
追加調達では色ブレと堅牢度を現物と資料で確認します(イメージ)

取引先やお客様から環境対応を聞かれたときの答え方

環境調査票や商談で制服の対応を聞かれたときは、方針より先に実績の範囲を示します。「リサイクルに取り組んでいます」だけでは、対象、期間、量、行き先が分かりません。回収した品目と枚数、集計期間、処理方法、確認書類を一組にすると、質問へ短く答えられます。

回収枚数と再資源化された枚数は、同じとは限りません。回収後の検品で、汚れや異素材のため対象外になる物があるからです。全回収数、方法別の処理数、未処理の保管数を分け、分からない部分は「確認中」とします。

説明項目根拠として残すもの避けたい言い方
対象品目、部署、拠点、対象期間全制服を対象にしたように読める表現
回収枚数、実測した重量、集計表枚数から根拠なく重量や削減量へ換算する
処理受領書、工程説明、処理証明、必要な法定記録熱回収を材料への再生と同じに見せる
効果算定範囲、比較対象、使用した係数の出所根拠のないCO2削減、ゼロ廃棄の断定

説明文は、「いつからいつまでに、どの拠点で、何を何枚回収し、そのうち何枚をどの方法へ渡したか」という順で作ります。重量を記載するなら、推計か実測かを分けます。処理先から重量しか返らない場合は、社内の枚数記録と処理先の重量記録を無理に一つの率へまとめません。

注意

環境効果を数値で示す場合は、計算範囲、比較対象、輸送や処理を含むか、使用した排出係数の出所を確認します。処理会社の資料を引用するときも、自社の回収条件へそのまま当てはまるかを確かめてください。

将来の目標と、すでに終わった実績も分けます。「次回から全拠点へ広げる予定」と「全拠点で実施済み」はまったく違います。調達方針に再生素材の採用を掲げる場合も、対象品、採用時期、供給が止まった場合の扱いを決めておくと、約束だけが先行しません。

環境対応は、大きな言葉より「何枚をどこまで確認したか」のほうが伝わります。

対象外になった分も隠さず分けておくと、翌年の改善にも使えますよ。

回収を続けるための台帳と処分費の見込み方

初回だけ回収できても、担当者が替わるたびに方法を作り直していては続きません。担当交代に備え、制服担当の引き継ぎで残すべき記録と台帳もそろえておくと、次回の発注や回収方法を復元しやすくなります。台帳は、制服の貸与管理と回収・処理の記録をつなぐ役割を持ちます。個人別の返却状況を扱う表と、処理業者へ渡した総量を扱う表は目的が違うため、識別番号で結べるようにします。

台帳は入口・保管・出口の数字が合う形にする

入口は対象者へ渡した枚数、保管は返却後に社内へ残る枚数、出口は処理先へ引き渡した枚数です。途中で社内リユースに回した分、汚れのため別処理にした分、紛失で返らない分を理由別に記録します。合計が合わないときに「未返却」と「集計漏れ」を区別できる形が必要です。

区分台帳の項目確認の目的
配布対象者、部署、品番、サイズ、貸与数、配布日本来の返却予定数を出す
返却返却日、品目、枚数、状態、未返却理由誰を追うか、何を仕分けるか決める
保管箱番号、保管場所、封かん日、責任者社名入り品の所在と引き渡し単位を追う
処理引き渡し日、受領者、枚数、重量、処理方法回収数と再資源化実績を分ける
証跡契約書、受領書、写真、処理証明、法定記録の保存先監査や取引先への回答を再現できるようにする

個人名を含む台帳は、環境実績の集計表と分けると扱いやすくなります。社外説明には部署別の総数だけを使い、個人の返却履歴まで出さない運用です。保存期間は、法定書類の要件、社内規程、取引先との契約を確認して決めます。

費用は処理単価だけでなく回収全体で見る

見積もりには、回収容器、運搬、仕分け、付属品の除去、ロゴの裁断、再資源化、対象外品の処分、証明書発行などが含まれる場合があります。処分費が重量単価でも、最低料金や車両費が別にかかると、少量を何度も出すほうが高くなることがあります。何が基本料金に含まれるかを同じ条件で比べます。

社内の作業時間も見落とせません。部署から集める時間、枚数を数える時間、ポケットを確認する時間、台帳を更新する時間、一時保管の場所が必要です。外部費用だけで二つの回収案を比べると、担当者の負担が大きい案を選びやすくなります。

ポイント

年次予算は「新品の購入費」と「旧品を適正に手放す費用」を別枠で見込みます。回収容器、運搬、裁断、再資源化、対象外品の処分、証明、社内作業の有無を同じ表で比べると判断しやすくなります。

毎月少量を出すか、一定量まで保管してまとめて出すかは、保管リスクと最低料金のバランスで決めます。社名入り制服を長く保管できない職場では、料金だけを理由に回収間隔を延ばさないほうがよいでしょう。退職が多い時期と定期入れ替えを合わせられるかも検討します。

支払った回収費や処分費をどの勘定科目で扱うか、リサイクルによる売却代金が生じた場合にどう処理するかは、契約内容や会社の会計方針で変わります。制服購入時の経理処理と一緒に整理したい場合は、作業着・作業服の勘定科目と経費処理の判断基準も参考にし、最終的には社内の経理担当者や顧問税理士へ確認してください。

制服の回収・リサイクルでよくあるご質問

回収方法は、制服の状態と表示、排出する会社の業種、処理先の受入条件によって変わります。ここでは計画時に出やすい疑問を、判断の順序に沿って整理します。

洗濯してから返却させる必要はありますか?

処理先が洗濯済みを条件にしているかで変わります。着用者へ一律に家庭洗濯を求める前に、油、薬品、粉じんなど家庭へ持ち帰るべきでない付着物がないかを確認してください。通常の汚れでも、濡れたまま密封するとカビや臭いが出やすいため、乾いた状態で返す、汚れの強い品は袋を分けるなどの条件を決めます。

一着だけでもリサイクルへ出せますか?

受け付ける最低枚数や重量は回収プログラムごとに異なります。一着から処理できても、収集運搬費や最低料金がかかる場合があるため、退職者の返却分を施錠保管し、定期回収へまとめる方法があります。保管中の社名表示や個人名を管理できない場合は、費用だけで回収時期を延ばさず、早めの適正処理を優先します。

ボタンやファスナーは会社で外すべきですか?

自社で外すと決める前に、処理先の選別設備と受入条件を聞きます。反毛、ウエス、ケミカルリサイクルでは異物の許容範囲が異なり、外す作業が不要な場合もあります。必要なら、どの付属品をどの状態まで外すか、外した金属や樹脂を誰が処理するかまで見積もりへ入れてください。

処理証明があればマニフェストは不要ですか?

同じ物として扱わないでください。処理証明は回収会社が独自に発行し、受領、裁断、再資源化などを示す範囲がそれぞれ異なります。一方、産業廃棄物に該当し、その処理を委託する場合は、廃棄物処理法に沿った契約やマニフェストが必要になるのが一般的です。区分と必要書類を自治体・処理業者へ確認します。

回収率はどの数字を分母にすればよいですか?

「今回返却予定だった貸与枚数」を分母にすると、未返却管理に使いやすくなります。ただし、購入者の私物、すでに紛失報告済みの品、継続使用する防寒着を含めるかで率は変わります。対象品と除外理由を集計前に固定し、回収率と再資源化率を別の数字として扱うと、年度間の比較がしやすくなります。

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再生ポリエステルなら必ず環境負荷を減らせますか?

原料の由来、再生工程、輸送、耐久性、洗濯、使用後の行き先まで含めないと、一つの表示だけでは判断できません。新品との比較値を示す場合は、メーカーや処理先が示す算定範囲と根拠を確認します。現場で必要な機能と耐久性を満たし、長く使え、回収経路も確保できるかを合わせて比べてください。

本記事の情報について

本記事は、制服の回収、リサイクル、再資源化、調達に関する一般的な情報提供を目的とし、2026年8月27日時点で確認できる情報をもとに作成しています。廃棄物の区分や収集方法は、排出する事業者の業種、発生工程、素材、付着物、所在地の自治体によって扱いが変わることがあります。

実際の回収・処理は、事業所所在地の自治体、必要な許可を持つ収集運搬・処分業者、回収プログラムの運営者へ確認してください。廃棄物処理法に基づく契約やマニフェストなど、法令上必要な対応は個別の条件に沿って判断する必要があります。

会計・税務上の処理は、契約内容や会社の状況により異なります。本記事だけで勘定科目や課税関係を確定せず、実際の処理については顧問税理士または所轄の税務署へ確認してください。

よくあるご質問

回収する制服は洗濯してから返却してもらうべきですか?

処理先が洗濯済みを受入条件にしているかで変わります。油、薬品、粉じんなどが付いた制服を家庭へ持ち帰らせてよいかは、先に安全衛生担当者へ確認してください。通常の汚れでも濡れたまま密封するとカビや臭いの原因になるため、乾いた状態で返す、強い汚れは袋を分けるなどの条件を決めます。

制服一着だけでもリサイクルへ出せますか?

最低枚数や最低重量は回収プログラムごとに異なります。一着から受け付けても収集運搬費や最低料金がかかる場合があるため、退職者の返却分を施錠保管し、定期回収へまとめる方法があります。ただし、社名や個人名が入った制服を安全に保管できない場合は、費用だけで時期を延ばさず早めの処理を検討してください。

制服のボタンやファスナーは自社で外す必要がありますか?

処理先の設備と受入条件によります。反毛、ウエス、ケミカルリサイクルでは異物の許容範囲が違い、会社側で外す必要がない場合もあります。取り外しを求められたら、対象となる付属品、外す程度、取り外した金属や樹脂の行き先、作業費を見積もりに含むかまで確認してください。

処理証明が発行されればマニフェストは不要ですか?

処理証明とマニフェストは同じではありません。処理証明は発行者により、受領、裁断、再資源化など証明する工程が異なります。制服が産業廃棄物に該当し、処理を委託する場合は、廃棄物処理法に沿う契約やマニフェストが必要になるのが一般的です。区分と必要書類を自治体と処理業者へ確認してください。

制服の回収率はどの数字を分母にしますか?

今回返却予定だった貸与枚数を分母にすると、未返却管理に使いやすくなります。ただし、私物として購入した品、紛失報告済みの品、継続使用する防寒着を対象に含めるかで率が変わります。対象品と除外理由を先に固定し、回収率、再資源化率、未処理の保管率を別に集計すると年度間で比較できます。

再生ポリエステルの制服なら必ず環境負荷を減らせますか?

再生原料の由来、再生工程、輸送、製品の耐久性、洗濯、使用後の行き先まで含めないと、一つの表示だけでは判断できません。比較値を示すときは、メーカーなどが示す算定範囲と根拠を確認します。現場で必要な機能を満たし、長く着用でき、回収経路を確保できるかまで合わせて選んでください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。