支給した作業服を着てもらったら、ズボンの裾が長い、上着の袖丈が合わないということがあります。その場で丈詰めに出す前に、裾上げで直すのか、サイズ交換するのか、別の品番へ替えるのかを決めることが大切です。名入れや補正の後では交換できない場合があり、安全機能を持つ服は直し方で性能へ影響が及ぶこともあります。この記事では、股下・着丈・ウエストの見方から、費用と納期、社内で直す範囲、追加発注に残す記録まで順に解説します。
目次
結論:直す・替える・品番を見直す。この3つのどれかを先に決める
作業服の丈が合わないと分かったら、最初に選ぶのは「補正する」「同じ品番の別サイズへ交換する」「品番そのものを見直す」の3つです。裾が少し長いという理由だけで、すべて裾上げへ回す必要はありません。着用したときの動きや安全性まで見て、最も無理のない方法を選びます。
補正が向くのは、胴回り、尻回り、太ももなどは合っており、股下や袖丈だけを短くすれば着やすくなる場合です。交換が向くのは、号数が合っておらず、複数の箇所に余りや窮屈さが出ている場合になります。品番の見直しは、どの号数を選んでも体型や作業姿勢に合わないときに検討します。
たとえば、ズボンのウエストは合うのに裾を何度も踏むなら、股下の丈詰めが候補です。一方、腰回りまで大きく、ベルトで強く絞らないと下がるなら、裾だけ直しても問題は残ります。上着も、袖口だけが余るのか、肩幅や着丈まで大きいのかで判断が変わります。
| 選択肢 | 向いている状態 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 直す | ほかの寸法は合い、股下や袖丈など一部だけが長い | 直せる構造か、安全機能や反射材へ影響しないか |
| 替える | 号数が合わず、複数箇所に余りや窮屈さがある | 交換期限内か、着用・洗濯・名入れ・裾上げの前か |
| 品番を見直す | 同じ品番のサイズ展開では体型や動作に合わない | 別シルエット、股下設定、男女別設計などの候補があるか |
迷ったときは、まず未加工品のまま試着し、立つ、しゃがむ、腕を上げる、階段を上るといった普段の動きを再現します。正面で静止した見た目だけでは、作業中に突っ張る箇所や巻き込みやすい余りを見落とします。全員分のサイズを集める前なら、作業服のサイズを試着で確定し、全員分を回収する手順も併せて確認すると流れを整えやすくなります。
ポイント
丈だけの問題なら補正、全体の大きさの問題なら交換、同じ品番では解決しないなら品番の見直しです。「長いから切る」と決める前に、どこが合い、どこが合わないかを分けてください。
この順番を共有しておくと、担当者によって判断が変わりにくくなります。現物を補正先へ送ってから交換の方がよかったと気づくと、費用だけでなく支給日もずれます。着用者、発注担当者、現場責任者が同じ三択で話すことが最初の整理になります。
丈が合わないときに起きていること|号数と股下は別に見る
「Mだから股下も短い」「3Lだから裾も長い」とは限りません。号数は胸囲やウエストなどを中心にした全体のサイズ区分で、股下はズボンの脚の長さです。同じ号数でも品番や型によって仕上がり寸法が違うため、タグの表示だけで丈を決めるとずれが残ります。
まずヌード寸法と仕上がり寸法を分ける
サイズ表には、身体を測ったヌード寸法を示す場合と、服そのものの仕上がり寸法を示す場合があります。ウエスト表記が同じでも、ゆとりの取り方や脇ゴムの伸び方は製品ごとに同じではありません。どちらの寸法かを確かめず、本人の身体寸法と服の実寸を直接比べないようにします。
ズボンは、腰のどの位置ではくかでも必要な股下が変わります。腰位置が下がると裾も下がり、同じ人が同じズボンをはいても、ベルトの締め方で見え方が変わります。安全靴の履き口や長靴へ入れるか外へ出すかも含め、通常の装備で測ることが欠かせません。
余っている場所と動いたときの変化を見る
裾が床へ触れる場合でも、原因が股下の長さだけとは限りません。ウエストが緩くズボン全体が下がっている、尻回りが大きく股位置が落ちている、ベルト位置が決まっていないというケースがあります。この状態で先に裾上げすると、腰回りを合わせた後に短くなりすぎるおそれがあります。
上着では、袖丈と着丈を分けて見ます。袖口が手の甲を覆っても、肩が落ちて袖全体が下がっているなら、袖だけの丈詰めではシルエットを直しきれません。反対に肩や胸は合い、腕だけが短い人なら、袖口の構造を確認したうえで袖丈補正が選択肢になります。
「裾が長いので5センチ切ってください」と寸法だけ届くことがあります。
その前に腰位置と安全靴をそろえるだけで、測り直しをかなり減らせますよ。
測るときは、本人が普段どおりに立った状態だけで終えません。片膝をつく、深くしゃがむ、脚立に上るなど、担当する工程の中で大きな動きを試します。静止時にちょうどよくても、曲げたときにふくらはぎが引かれたり、裾が必要以上に上がったりすることがあるからです。複数人の試着条件や記録方法までそろえる場合は、制服の試着会を準備し、採寸結果を発注前に確認する手順も併せて整理しておくと、測り方のばらつきを抑えられます。
直す前に確認すること|交換できる期間か、名入れ済みか
丈詰めに出す前に、発注先の交換条件を確認します。未着用でも、商品タグを外した、袋や付属品を紛失した、時間が経過したという理由で交換対象外になる場合があります。期限や条件は発注先ごとに異なるため、納品時の案内や取引条件を先に見てください。
加工前の未使用品なら交換の余地を確認する
一般に、名入れ、裾上げ、丈詰めなど個別の加工をした服は、その人向けに仕様が変わります。再販売しにくくなるため、加工後のサイズ交換を受け付けない発注先が多いです。着用や洗濯をした服も同様で、汚れが見えなくても未使用品として扱われないことがあります。
試着→サイズ確定→名入れ→裾上げの順番にすれば、交換できる可能性を加工直前まで残せます。社名や個人名を先に入れ、その後でサイズが違うと分かると、刺繍やプリントだけを元に戻すのは容易ではありません。名入れの方法と発注順を整理するなら、ユニフォーム名入れの費用・納期と発注手順も参考になります。
上下組と単品で交換単位が違うことがある
上下がセットの商品では、ズボンだけを別サイズへ替えられないことがあります。一方、上下を別々に選べる商品なら、上着はそのまま、ズボンだけ交換できる場合があります。品番、色、号数、上下の販売単位を注文書と現物タグで照合してから、袋を開ける範囲を決めると安全です。
試着用サンプルと納品商品を混ぜない工夫も要ります。試着した服をそのまま新品在庫へ戻すと、誰がどこまで使ったか分からなくなります。試着用、サイズ確定済み、加工待ち、加工済みを置き場や札で分けると、加工前の商品を誤って持ち出す事故を防げます。
加工へ進める前の確認
- 本人が通常の靴・ベルト・インナーで試着した
- 品番、色、号数、上下の組み合わせが注文内容と一致する
- 交換期限と未使用・タグ・包装の条件を確認した
- 名入れや裾上げなどの加工がまだ行われていない
- 股下や袖丈を一人ずつ記録した
確認結果は口頭だけで終わらせず、加工指示と一緒に残します。人数が多いと、同じ名字や近い号数の服を取り違えやすくなります。社員番号など社内で重複しない識別子を使い、名入れ文字、サイズ、補正寸法を一行でひも付けると照合しやすくなります。
発注先に頼むときの費用と納期の出方
裾上げや丈詰めの費用は、商品代とは別の加工費として見積書へ載る場合と、商品ごとの明細へ含まれる場合があります。発注先へ依頼するときは、単価だけでなく、加工する箇所、仕上げ方法、数量、返送や再納品の有無まで見てください。この記事では、勘定科目などの会計処理には広げず、見積の読み方に絞ります。
同じ「裾上げ」でも作業内容が違う
ズボンの裾を折って縫う一般的な仕上げと、元の裾に付いているゴム、ファスナー、面ファスナー、コード、二重布などを生かす仕上げでは、工程が異なります。反射材の位置を動かす必要がある服や、裏地付きの防寒服も単純な直線縫いでは済まないことがあります。見積では「一式」だけでなく、どの仕様を前提にした金額かを確認します。
袖丈の補正も、袖口側から直せる服と、カフスやポケットの位置によって難しい服があります。肩側から直す方法は身頃との縫い合わせや腕の形に関わり、裾上げより工程が増えやすくなります。写真だけで判断できない場合は、現物確認後に金額が決まることも想定しておきます。
| 見積で見る項目 | 費用が変わりやすい条件 | 発注前に伝える内容 |
|---|---|---|
| 加工箇所 | ズボン裾、袖口、上着裾などで工程が異なる | 品番、加工位置、仕上がり寸法 |
| 付属部品 | ファスナー、ゴム、コード、面ファスナーの移設や再利用 | 残したい機能と現物写真 |
| 数量 | 一括と少数追加で準備・配送のまとまりが変わる | 今回分と後日分を分けた着数 |
| 物流 | 納品前加工か、支給後の回収・返送を伴うか | 希望する納品先と支給予定日 |
納期は商品入荷後の加工日数まで見る
「商品が入る日」と「補正済みで受け取れる日」は同じではありません。在庫品でも、入荷、検品、サイズ別の仕分け、名入れ、裾上げ、最終確認を経て出荷されます。名入れと補正を同時に頼むなら、それぞれの加工が並行できるのか、順番に進むのかで納期が変わります。
繁忙期、着数、特殊な仕様、現物確認の有無でも日程は動きます。そのため、社内の支給日だけを伝えるのではなく、現場配属日から試着日、サイズ回答期限、加工指示の確定日を逆算します。費用と納期は発注先の見積・回答を基にし、社内で一律の日数を決めつけない方が現実的です。
急ぎの一着ほど、「いつ届きますか」だけを聞きたくなります。
品番、加工箇所、必要日をまとめて伝えると、使える選択肢が見えやすいですよ。
見積の比較では、最安の加工単価だけを見ないでください。補正品を誰ごとに仕分けるか、再納品の送料が含まれるか、仕上がり寸法を記録してもらえるかによって、受け取った後の作業量が変わります。社内で再仕分けや再採寸が必要なら、その時間も含めて依頼先を比べます。
社内や個人で直すときの線引き
家庭用ミシンを使える人がいると、社内で裾上げを済ませたい場面もあります。ただし、本人が自由に直してよいかは、服の所有区分、安全上の仕様、仕上がりの統一、再支給時の扱いによって変わります。まず会社の支給品・貸与品のどちらかを確認し、会社が管理する服を無断で切らない線引きを共有します。
社内補正は「単純な丈」と「性能を持つ服」を分ける
社内で扱いやすいのは、メーカーが補正を禁止しておらず、付属部品や安全機能へ触れない単純な裾です。それでも縫い代、糸、縫い目、左右の長さ、洗濯後の縮みをそろえる必要があります。担当者の経験だけに頼ると、同じ品番でも仕上がりに差が出ます。
難燃、帯電防止、高視認性などの機能をうたう作業服は、一般のズボンと同じ感覚で切らないようにします。反射材を外す、蛍光生地の面積を減らす、指定外の部材を付けると、購入時に想定した性能や表示の前提が変わるおそれがあります。取扱説明書とメーカーの補正可否を確認できないなら、社内加工の対象から外す方が安全です。
個人負担にする前に公平性と再現性を考える
「長い人だけ自分で直す」と決めると、裁縫の経験や近隣店舗の有無によって負担が変わります。仕上がりが不十分でも本人の責任にされやすく、作業中のほつれや踏みつけが起きたときの判断も曖昧です。会社が指定する服なら、直してよい範囲、依頼先、費用の負担、完了確認をそろえておく方が運用しやすくなります。
注意
切った布は元に戻せません。貸与品や回収して再使用する予定の服では、誰の判断で永久的な加工をしてよいかを先に決めます。迷う服は、切らずに折った状態で現場責任者と発注担当者が確認してください。
個人が店舗へ持ち込む方式を採る場合も、立替精算の可否だけで終わらせません。対象店舗、仕上げ方法、申請期限、領収書の宛名、補正後の確認者を明確にします。ただし店舗ごとに仕上がりが変わるため、多人数へ同じ品質を求めるなら、発注先や指定先へまとめる方法の方が管理しやすいです。

直すと性能が変わる服がある|難燃・帯電防止・高視認性・反射材
作業服には、形が整っていればよい服と、生地・縫製・部材・配置の組み合わせで性能を持つ服があります。後者は裾や袖を短くするだけでも、製品として確認された条件から外れる可能性があります。性能表示がある服は、補正できるかを見た目で判断せず、メーカーの表示と取扱いに従ってください。
高視認性安全服は面積と配置を崩さない
JIS T 8127は、着用者の存在を視覚的に認知しやすくする高視認性安全服の規格です。蛍光生地と再帰反射材について、色や性能だけでなく必要な面積と配置も扱います。そのため、裾の反射帯より上で丈詰めする、反射材を細くする、間隔を変えて付け直すと、購入時のクラスや適合表示の前提が変わることがあります。
高視認性安全服を直したいときは、完成後も表示どおりの性能を満たすかをメーカーへ確認します。「反射材を残したから大丈夫」とは限りません。製品のクラス、上下の組み合わせ、最小面積や配置まで関わるため、補正不可なら別の股下設定や号数・品番を選びます。詳しい選定条件は高視認性安全服のクラス・洗濯・交換基準でも整理しています。
帯電防止作業服は生地だけで決まらない
JIS T 8118は、静電気帯電に起因する災害や障害を防ぐための帯電防止作業服を扱う規格です。規格に対応する服を自己流で切り、一般の糸や部品で縫い直すと、購入時と同じ状態とは言えなくなるおそれがあります。裾上げの可否、使用する糸や付属品、縫い方は製品メーカーの案内を優先します。
静電気対策が必要な現場では、服一着だけでなく、上下の組み合わせや着用方法も含めて運用します。補正した部分だけを見て判断せず、現場が求める制電条件を満たすかを安全担当者と確認してください。帯電防止作業服の基本は帯電防止作業服が必要な現場と制電服の選び方で確認できます。
難燃服は切断後の仕様をメーカーへ確認する
難燃作業服も、生地だけでなく縫製糸、留め具、重なり、ポケットなどを含む製品設計で性能が示されることがあります。袖口や裾の構造を変えたり、異なる素材を足したりすると、その説明の前提が変わる可能性があります。この記事では難燃服に関する別の規格番号へ広げず、個別製品の表示と取扱説明書に従うことを判断基準にします。
性能服は「縫えるか」より「直した後も同じ条件で使えるか」が先です。
少しの丈詰めでも、品番と補正箇所をメーカーへ伝えて確認してください。
メーカーが補正方法を指定している場合は、その範囲と部材に合わせます。確認できないまま納期を優先し、現場で切ってしまうのは避けます。補正不可と分かった時点で、交換できる未加工品ならサイズ変更へ戻し、加工済みなら同じ用途で使い続けてよいかを安全担当者が判断します。

袖丈・着丈・ウエストで、できること・できないこと
ズボンの裾上げ以外にも、袖丈、上着の着丈、ウエストを直したいという要望があります。ただし、直せるかどうかは短くする長さだけでなく、ポケット、ファスナー、ゴム、ドローコード、反射材などの位置で決まります。現物の構造と仕上がり後の使い方を見てください。
袖丈は袖口の部品と腕の動きを見る
袖口が単純な折り返しなら短くできる場合がありますが、カフス、面ファスナー、ゴム、ペン差し、二重袖があると移設や作り直しが必要です。反射帯が袖を一周する服では、位置や間隔への影響も確認します。袖を短くした後に腕を前へ伸ばし、手首が必要以上に露出しないかも見ます。
袖丈が長く感じる原因が肩幅の不一致なら、袖口だけ直しても肩線は落ちたままです。袖ぐり側の補正は身頃の構造まで変えるため、既製の作業服では費用や仕上がりの面で現実的でないことがあります。その場合は、肩幅の合う号数や別シルエットを選ぶ方が早く解決します。
着丈はポケットとファスナーの位置に制約される
上着の着丈を短くすると、前ファスナーの下端、裾ポケット、脇ポケット、ドローコード、裏地との関係が変わります。ポケットに近すぎる位置で切れば、収納量や縫い代を確保できません。前後差や脇スリットがあるデザインも、単純に水平へ切ると本来の動きや見た目が崩れます。
長い着丈には、腰を曲げたときに背中が出にくい利点もあります。ベルトや安全帯の位置、車両に座る時間、上着をズボンへ入れるか外へ出すかによって、適する長さは変わります。見た目だけを理由に短くせず、作業姿勢で必要な覆いが残るかを確かめます。
ウエストは調整幅とポケット位置に限界がある
ウエストを小さくする補正では、後ろ中心や脇で詰める方法があります。しかしベルトループ、脇ゴム、ファスナー、タック、ポケットが近いと、部品の移設が必要です。大きく広げる補正は縫い代や追加する生地が必要になり、同じ色・性能の生地を用意できなければ、仕上がりや機能をそろえられません。
ウエストが大きく違う場合は、補正より号数交換や品番変更を先に検討します。ベルトで強く締めれば使えるように見えても、余った生地が機械や荷物へ引っ掛かることがあります。反対に窮屈な服は、しゃがんだときの突っ張りや縫い目への負担が増えます。
| 補正箇所 | できる可能性がある状態 | 難しくなりやすい状態 |
|---|---|---|
| ズボン裾・股下 | 付属部品のない単純な裾で、膝位置も合っている | 裾ファスナー、ゴム、反射材、補強布がある |
| 袖丈 | 肩と身幅が合い、袖口の構造が単純 | カフス、二重袖、袖ポケット、反射帯がある |
| 上着の着丈 | 裾周辺にポケットや部品がなく、必要な覆いを残せる | 前ファスナー、ポケット、裏地、スリットが干渉する |
| ウエスト | 小さな調整で部品移設が少ない | 大幅な出し詰め、脇ゴム、ポケット、機能生地が関わる |
補正業者へ相談するときは、「何センチ切れるか」だけでなく、どの動作をしやすくしたいかを伝えます。完成寸法、残したい部品、現場で必要な覆いが分かれば、直せる範囲を判断しやすくなります。難しい加工では、見積を取る時間と費用を品番変更の手間と比べてください。
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制服担当の引き継ぎは何を残す?次の発注を止めない管理と復元手順記事を読む
直した寸法を残して、追加発注と品番の見直しにつなげる
一度きれいに仕上がっても、補正寸法を担当者の記憶だけに残すと、次の追加発注で同じ採寸を繰り返します。貸与台帳や支給一覧に、品番と一緒に股下・袖丈の仕上がり寸法を記録してください。列を一つ設け、「股下72cm」のように測る場所と単位を統一すると再利用しやすくなります。
「何センチ詰めたか」より仕上がり寸法を残す
「3cm丈詰め」とだけ書くと、元の股下が違う別号数や後継品へ引き継げません。完成した服の股下、袖丈、必要なら着丈を測り、基準点から基準点までの仕上がり寸法を残します。左右差や折り返し量がある場合は、どちらを採用したかも分かるようにします。
記録には、社員の識別子、品番、色、号数、補正箇所、仕上がり寸法、加工日をひも付けます。個人名の扱いは社内ルールに合わせ、必要以上に情報を広げません。補正伝票や写真を保存する場合も、貸与台帳からたどれる管理番号を付けると探しやすくなります。担当者が替わっても同じ条件で注文できる形にするなら、制服の発注仕様書へ品番・寸法・加工・納品条件をまとめる方法が、記録項目を決める際の参考になります。
| 社員識別子 | 同姓同名でも取り違えない番号 |
|---|---|
| 商品情報 | 品番、色、号数、上下の区分 |
| 補正情報 | 股下・袖丈などの仕上がり寸法と加工日 |
| 確認情報 | 試着結果、性能表示、メーカー確認の要否 |
同じ補正が続くなら品番を見直す
同じ部署で多くの人が毎回大きく裾上げしているなら、補正を標準業務にする前に品番の股下設定を見直します。短い股下を選べるモデルや、別のシルエットに替えることで、費用と納期を減らせる可能性があります。膝補強や反射材の位置も本来の設計に近い状態で使いやすくなります。
反対に、ごく一部の人だけ股下や袖丈が合わないなら、全社の品番を変えるより個別補正の方が運用しやすい場合があります。記録を半年や一年のまとまりで見れば、補正する人の割合、箇所、品番の偏りが見えます。数量だけでなく、再補正や交換が起きた理由も残すと次回の選定材料になります。
ポイント
台帳には「詰めた長さ」ではなく「完成した股下・袖丈」を残します。元寸法が違う商品へ替えても、本人に合う目標寸法として使えるため、追加発注の確認が短くなります。
追加の一着を注文するときは、以前の寸法をそのまま加工指示へ転記する前に、品番と仕様が同じかを確認します。品番が同じでもメーカーの仕様変更があれば、ポケットや反射材の位置が変わる可能性があります。少量の注文方法は作業服を1着だけ追加するときの発注と名入れの進め方でも確認できます。

補正品を受け取ったら、左右の長さ、縫い目、部品、名入れ、本人の動作を確認してから支給完了にします。台帳へ結果を戻せば、次回は「前回と同じ」という曖昧な指示を避けられます。担当者が交代しても判断が引き継がれ、補正するか品番を替えるかをデータで決めやすくなります。
作業服の裾上げ・丈詰めでよくあるご質問
最後に、発注担当者から出やすい疑問を整理します。交換条件と補正の可否は、発注先や製品によって異なります。個別の服については、品番、号数、加工箇所、名入れの有無が分かる状態で確認してください。
裾上げ済みでもサイズ交換できますか?
裾上げ後は個別仕様になり、交換できない場合が一般的です。ただし取引条件は発注先ごとに異なるため、自己判断で返送せず、注文番号と加工内容を伝えて確認します。未加工品が別にあるなら、混ぜずにタグと包装を保ったまま待ちます。
本人が家で丈詰めしてもよいですか?
会社の支給品・貸与品として管理する服は、本人だけで切らず、社内のルールに従います。一般的な裾でも仕上がり差やほつれが生じます。難燃、帯電防止、高視認性などの性能服は、メーカーが認める方法を確認できない限り、家庭での補正を避けます。
採寸は靴を脱いで行いますか?
作業時に使う安全靴や長靴を履き、腰位置とベルトを整えて測る方が実際の裾位置を確認しやすくなります。靴へ裾をかぶせるのか、中へ入れるのかも先に決めます。左右を測り、しゃがんだときの上がり方まで確かめてください。
成長や体型変化を見越して長めにできますか?
将来の変化を見込みすぎると、現在の作業で裾を踏む危険が残ります。まず今の体型と工程に合う長さを優先します。折り返しで余分な布を残せるか、後から出せるかは裾の構造と生地の跡によるため、補正先へ事前に確認します。
洗濯前と洗濯後のどちらで丈を決めますか?
素材や製品の取扱表示によって縮み方が異なるため、一律には決められません。新品時に採寸するなら、メーカーが示す寸法変化や洗濯方法を確認し、補正先へ伝えます。すでに洗濯した服は、その回数と乾燥方法を伝えると判断材料になります。
左右の脚で長さが違うときはどうしますか?
本人が通常の靴と装具を着け、腰位置をそろえたうえで左右を別々に測ります。体の左右差だけでなく、ズボンのねじれや靴底の摩耗も確認してください。左右別寸法で加工できるか、再注文時にどう記録するかを補正先と決めます。
本記事の情報について
本記事は、作業服の裾上げ・丈詰め・サイズ交換を判断するための一般的な情報提供を目的としています。内容は執筆時点の情報に基づきますが、交換条件、補正仕様、費用、納期、製品の性能表示は発注先やメーカー、品番によって異なります。実際の加工は、現物の取扱表示とメーカーの案内を確認し、必要に応じて安全管理のご担当者や補正を行う事業者へ確認してください。
JIS T 8118またはJIS T 8127への適合を表示する服は、補正後も同じ条件を満たすと本記事だけで判断できません。使用環境、上下の組み合わせ、補正箇所を伝え、メーカーの回答に従います。また、本記事は税務・会計上の個別判断を示すものではありません。費用の実際の処理に税務判断が含まれる場合は、顧問税理士または所轄の税務署へ確認してください。
よくあるご質問
裾上げ済みの作業服はサイズ交換できますか?
裾上げや丈詰めの後は個別仕様となるため、サイズ交換を受け付けない発注先が一般的です。ただし条件は一律ではありません。注文番号、品番、号数、名入れを含む加工内容を伝えて確認し、未加工品が残っている場合はタグや包装を外さず、加工済みの服と分けて保管してください。
作業服の裾上げ寸法は安全靴を履いて測りますか?
普段使う安全靴や長靴を履き、ベルトと腰位置を整えた状態で測ると、実際の裾位置を確認しやすくなります。裾を靴の外へかぶせるか中へ入れるかも先に決めます。立った姿勢だけでなく、しゃがむ、階段を上るなど通常動作を試し、左右を別々に確認してください。
裾上げの費用と納期は何で変わりますか?
単純な折り返し縫いか、裾ゴム、ファスナー、反射材、裏地などの移設が必要かで工程が変わります。数量、名入れとの加工順、商品の入荷日、回収や再配送の有無も見積条件です。品番、着数、仕上がり寸法、希望する支給日を伝え、商品代と加工費の範囲を確認してください。
高視認性安全服の反射材を残せば丈詰めできますか?
反射材を残すだけで、補正後も購入時と同じ適合条件を満たすとは判断できません。高視認性安全服は蛍光生地と再帰反射材の性能に加え、必要面積や配置も関係します。製品の品番、クラス、補正位置と長さをメーカーへ伝え、補正可否と指定方法の回答に従ってください。
社員が家庭用ミシンで作業服を直してもよいですか?
会社が管理する支給品・貸与品は、本人だけの判断で切らず、社内の許可範囲を確認します。単純な裾でも左右差やほつれが出ることがあります。難燃、帯電防止、高視認性などの性能服は、メーカーが認める方法を確認できない限り、家庭での補正対象から外す方が安全です。
追加発注に補正寸法をどう残せばよいですか?
「前回から3cm詰め」のような加工量ではなく、完成した股下や袖丈を品番、色、号数と一緒に貸与台帳へ記録します。測る起点と終点、単位も統一してください。次回の品番や仕様が同じかを確かめてから転記すれば、本人の再試着を省ける場合があり、担当者が替わっても指示を再現できます。
ユニフォームのご相談は中村被服へ
「何から決めればいいか分からない」段階でも大丈夫です。現場の状況を伺って、目利きでご提案します。カタログ請求・お見積は無料です。
山口県内(防府・山口・周南・下関ほか)の企業さまへは、営業が直接お伺いします。山口で作業服の裾上げ・丈詰めを進めるなら
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。



