4月入社の新入社員へ制服を支給するとき、全員の入社が確定してから動き始めると、採寸、発注、名入れ、仕分けが短い期間に集中します。先に決めたいのは、採用人数そのものではなく、採用品番、初回の枚数、サイズの集め方、支給か貸与かという運用です。人数や配属が動く前提で、変更できる部分を残しておけば、辞退や追加採用が出ても全体を止めずに済みます。この記事では、内定から入社日までの逆算、渡す品目、研修中の服装、返却説明、予備の持ち方を、毎年使える流れに整理します。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

結論:4月の支給は、人数が固まる前に品番と枚数を決めておく

4月の制服支給を間に合わせるには、内定者全員のサイズがそろうまで何も発注しない進め方を避けます。まず、職種や配属候補ごとに使う品番、色、加工位置、初回に渡す枚数を決めます。そのうえで、確定後でなければ決められない個人別サイズと数量を、後から差し替えられる形にしておくのが基本です。

固定する情報と、動かしてよい情報を分けることが、納期を守るための出発点になります。商品選びや社名の表記を早く確定できれば、発注先は在庫確認や加工データの準備を進めやすくなります。反対に、個人名まで早い段階で刺繍すると、入社辞退や配属変更の際に別の人へ回しにくくなります。

区分早めに決める内容変更に備える内容
商品品番、色、職種別の組み合わせ、夏物・冬物の扱い個人別のサイズ、最終数量
枚数上着やパンツの初回基準、洗い替えの考え方勤務形態や工程による追加分
加工社名の表記、位置、色、加工方法個人名、配属名、管理番号
運用支給・貸与の区分、返却対象、破損時の窓口入社辞退、追加採用、配属変更への振替

ポイント

人数が確定する前に最終数量を注文するという意味ではありません。採用品と一人当たりの基準を先に決め、発注先へ数量確定日と納入希望日を共有して、どの段階まで変更できるかを確認しておく考え方です。

発注を一回で終わらせることだけを目標にすると、最後の一人を待って全員分が遅れることがあります。確定者分、確認待ち分、会社で持つ予備を区分し、どの分を先に進めるかを決めます。分割発注になる場合は、追加分にも同じ品番と加工仕様が使えるか、価格や送料の扱いも含めて発注前に確認します。

先に固定する情報と後から動かす情報の判断図 個人が決まる前でも確定できる品番、色、初回枚数の基準、共通加工は先に固定し、本人や配属の確定が必要な個人別サイズ、最終数量、個人名、振替先は後から動かせる状態にする。 固定する情報と、動かしてよい情報を分ける 人数確定を待たずに進められる範囲を先に見つける 個人や配属が決まる前でも この情報を確定できるか? できる できない 先に固定する 1 品番・色 2 初回の枚数基準 3 職種別の組み合わせ 4 社名加工の仕様 後から確定・差し替え 1 個人別サイズ 2 最終数量 3 個人名・配属名 4 辞退・変更時の振替 採用品の準備を先行し、個人別情報は変更期限まで差し替えられる形にする
個人情報がなくても決められる品番・枚数基準は先に固定し、サイズ・最終数量は本人や配属の確定後に差し替える

この整理ができていると、担当者が替わっても「今年は何を基準に注文したか」を追えます。注文書だけではなく、品番決定日、サイズ確定日、加工開始日、納入予定日を一枚の管理表へ残してください。翌年は前年表を複製し、変更点だけを見直せます。

内定から入社日までを逆算して発注する

制服の準備日は、発注日だけでは管理できません。採用品を決める日、採寸を終える日、数量を確定する日、名入れ加工へ進める日、部署別に仕分ける日を分けます。それぞれの締切を入社日から逆算すると、どこが遅れているかを途中で判断できます。

最初に「使い始める日」を決める

入社日と制服を使い始める日は、同じとは限りません。入社式から着用するのか、座学研修の後に現場配属された日から着るのかで、必要な納入日は変わります。まず現場責任者と研修担当へ確認し、着用開始日より前に、検品と個人別仕分けを済ませられる受取日を置きます。

受取日を入社日の当日にすると、サイズ違い、数量不足、名入れ表記の違いが見つかっても調整できません。納品後に、品番、色、サイズ、枚数、加工内容を注文書と照合する時間が要ります。複数拠点へ配る場合は、拠点別の再梱包と発送に使う時間も予定へ入れます。

発注先の回答をもとに社内締切を置く

納期は、商品の在庫、数量、加工方法、繁忙状況、配送先によって変わります。4月の納品に向けた注文が重なる時期は、名入れ加工の依頼も集中しやすくなります。「前年も間に合ったから今年も同じ」とは限らないため、採用品の候補が決まった時点で発注先へ確認します。確認前に、制服の納期を着用開始日から逆算する方法を押さえておくと、商品手配、加工、検品に必要な期間を分けて考えられます。発注先へ伝えるのは、納入希望日、予定人数、サイズ確定予定日、加工の有無、分納の可否です。

発注先から回答を受けたら、その日を内定者への回答期限にそのまま使わないでください。未回答者への再連絡、サイズの不自然な値の確認、社内承認に使う余白を手前へ置きます。加工開始後に変更できない項目も聞き、変更期限を管理表へ記載します。

節目完了の状態遅れたときの判断
採用品の確定品番、色、職種別品目、加工仕様が承認済み候補を増やさず、未決定項目の責任者を決める
採寸の開始サイズ表、試着方法、回答期限、問い合わせ先を案内済み来社採寸から申告へ切り替えられる人を分ける
数量の確定確定者、確認待ち、予備が別々に集計されている確定者分を先行できるか発注先へ確認する
加工の開始表記、位置、色、対象枚数の承認記録がある個人名を保留し、共通加工だけ進める方法を検討する
納品・仕分け検品後、個人または部署単位のセットが完成している初日に必要な品を優先し、後日渡す品を本人へ伝える

「何日前に頼めばよいですか」という質問は多いですが、加工とサイズ確定の条件で答えが変わります。

先に納入希望日を伝え、変更できなくなる日を聞くと逆算しやすいですよ。

発注表には担当者名も入れます。採用担当は入社意思、総務は制服、現場は配属、発注先は商品と加工を見ており、情報が分散しやすいためです。更新する人と承認する人を分け、最新版の保存場所を一つにしておくと、古い人数表で注文する事故を防ぎやすくなります。

内定から制服支給までの工程 内定と着用開始日の確認から、採用品決定、採寸、数量確定、加工、検品と仕分け、支給までを七つの節目に分け、各工程の完了日と担当者を管理する。 内定から支給までを、7つの節目で逆算する 着用開始日を起点に、完了の状態と担当者を決める 1 内定・開始日 着用開始日 納入希望日 予定人数 起点を決める 2 採用品決定 品番・色 品目・枚数基準 加工仕様 先に固定 3 採寸 試着・申告 回答期限 未回答の確認 個人別に記録 4 数量確定 確定者 確認待ち 共通予備 区分して集計 5 加工 社名・表記 位置・色 変更期限 承認後に開始 6 検品・仕分け 品番・サイズ 枚数・加工 個人別セット 注文書と照合 7 支給 受領確認 着用・洗濯 返却の説明 台帳へ受領日 管理表に残す共通項目 完了予定日 担当者 完了の状態 変更できなくなる日
着用開始日から逆算し、採用品決定、採寸、数量確定、加工、検品・仕分け、支給の締切と担当者を管理する

予定が変わったときは、全工程を組み直すのではなく、変更点がどの節目へ影響するかを確認します。追加採用ならサイズと数量、配属変更なら品番と加工、入社日の変更なら納入と保管が主な確認対象です。影響範囲を絞ると、確定済みの注文を不用意に止めずに済みます。

入社前の採寸をどうするか

採寸方法は、内定者に来社してもらう方法、サイズ申告書で集める方法、入社日に共通在庫を渡して後日交換する方法の三つがあります。全員へ同じ方法を強制するより、居住地、来社機会、商品特性、交換できる在庫を見て使い分けるほうが現実的です。人数が多い場合は、制服の採寸をそろえる試着会と発注前確認の進め方も参考にすると、試着品、記録表、当日の担当を準備しやすくなります。どの方法でも、本人の普段着サイズだけで確定しない仕組みを作ります。

来社して試着する

来社採寸は、実物の動きやすさを確認できる方法です。普段の作業に近い姿勢を取り、肩、腰回り、袖丈、裾丈に無理がないかを見ます。防寒着の下に重ね着する場合や、男女兼用の商品を選ぶ場合は、実際に着るインナーに近い条件で試すと判断しやすくなります。

試着会では、試着品の品番とサイズを混ぜない管理が欠かせません。確定欄には「M」だけではなく、商品品番、表示サイズ、必要なら裾上げ寸法を記録します。本人と担当者が確定内容を確認した時点も残しておくと、後の変更を追えます。

申告書や入力フォームで集める

遠方の内定者が多い場合は、商品ごとのサイズ表と測り方を送り、申告で集めます。身長や普段着の号数だけを聞くのではなく、仕上がり寸法のどこを確認するかを示します。上着とパンツで異なるサイズを選べること、迷った場合の問い合わせ先、回答期限も同じ案内に入れます。外国人材を受け入れる場合は、外国人技能実習生・特定技能人材の作業着を入国前に準備する方法も確認し、国内の号数表記だけでなく、身長や胸囲、ウエスト、股下などの実寸で照合します。

サイズ情報は、制服手配に必要な範囲で集め、閲覧できる担当者を絞ります。メール、フォーム、紙が混在すると転記間違いが起きやすいため、最終的に集約する表を一つにします。申告後に本人が修正した場合は、古い値を消すだけでなく、変更日と発注反映の可否を記録してください。

入社日に渡して後日交換する

入社前に確認できない人には、申告サイズに近い共通予備を初日に貸し出し、試着後に確定品へ交換する方法があります。ただし、初日から全員へ個人名刺繍済みの服を渡す運用とは相性がよくありません。未加工品や社名のみの共通品を用意し、交換品と本支給品を台帳で区別します。

交換期限と返却場所を決めないと、仮貸与品が本人の手元に残ります。「合わなければ交換できます」だけではなく、着用前にタグを外してよいか、汚した場合の扱い、いつまでにどこへ持参するかを伝えます。発注先のサイズ交換条件も、事前に確認しておく必要があります。

採寸方法向いている状況注意する点
来社試着内定者が集まる機会があり、試着品を用意できる品番ごとの表示差、重ね着、動作を確認する
申告書・フォーム遠方者が多く、来社日をそろえにくい測り方を統一し、迷った人の確認窓口を置く
初日貸出・後日交換随時採用や直前採用があり、共通在庫を持てる未加工品を使い、返却日と交換記録を残す

サイズ回収前の確認項目

  • 採用品番とサイズ表が最終版になっているか
  • 上着とパンツを別サイズで選べるか
  • 試着時の服装と確認する動作を伝えたか
  • 回答期限と未回答者への連絡担当を決めたか
  • 交換できる条件と仮貸与品の返却先を確認したか

人数が多い場合は、作業服のサイズを全員分集める具体的な手順も参考になります。今回の内定者だけの表を作るのではなく、確定サイズ、試着日、交換履歴を入社後も更新できる台帳にすると、追加支給へつなげられます。

来社試着・サイズ申告・初日仮貸与の三方式の比較
来社条件と交換在庫に合わせて採寸方法を選びます(イメージ)

採寸で迷ったときは、大きめを一律に選ぶのではなく、作業姿勢と商品の寸法を基準にします。余裕がありすぎる服は、動きにくさや引っ掛かりにつながる場合があります。現場固有の安全・衛生条件があるときは、着心地だけで決めず、現場責任者の確認も受けてください。

何を何枚渡すかは洗濯と季節から決める

新入社員へ渡す制服は、上着とパンツを同じ枚数にそろえる必要はありません。汚れやすさ、洗濯頻度、乾きやすさ、勤務中の着替え、会社に置く共通予備を見て品目別に決めます。先輩社員へ前年と同じセットを渡している場合も、新入社員の配属工程に合っているかを一度確認します。

洗い替えは「着用中・洗濯中・次に着る分」で考える

洗い替えの必要数は、週の勤務日数だけでは決まりません。本人が自宅で洗うのか、会社が回収するのか、次の勤務までに乾くのかで変わります。一日の途中で汚れて着替える工程なら、通常の洗濯周期に加えて職場の予備も必要になります。

会社が洗濯をまとめて行う場合は、回収日から返却日までに手元へ何枚残るかを確認します。自宅洗濯の場合は、洗濯表示、乾燥機の可否、色移りしやすい品との分別など、本人が迷う点を支給時に伝えます。洗濯の費用負担や方法を決める際は、作業着のクリーニング代と洗濯運用の考え方も確認できます。

夏物と冬物は同じ日に全量を渡さなくてもよい

4月入社だからといって、年間で使う夏物と冬物をすべて初日に渡す必要はありません。初日から使う品、季節が変わる前に渡す品、配属確定後に追加する品へ分けます。季節品を後日支給する場合は、支給予定月と対象者を台帳へ入れ、担当者の記憶だけに頼らないようにします。

長袖と半袖を本人の好みだけで自由にすると、工程のルールと合わないことがあります。季節の基準に加えて、腕の保護、温度管理、衛生、屋内外の移動を確認します。空調環境や作業内容が配属先で違う場合は、共通セットを最小限にし、配属後に必要分を追加する方法が扱いやすくなります。

名札、帽子、ベルトなどの付属品も一つのセットにする

制服本体だけを注文し、名札、安全上必要な帽子、ベルト、エプロンなどが初日にそろわないことがあります。品目ごとに手配先が違う場合も、本人へ渡す単位では一つのセットとして一覧化します。貸与品と消耗品を分け、返却が必要な物には管理番号や数量を付けます。

靴や保護具を含める場合は、一般の制服と同じサイズ回収だけで済ませず、現場の選定基準に沿って確認します。初回セット表には、品名、品番、サイズ、枚数、支給・貸与、返却要否を並べると抜けを見つけやすくなります。本人へ渡す受領控えも同じ順番にそろえます。

品目群枚数を左右する条件渡す時期の考え方
上着・シャツ汗、汚れ、着替え回数、洗濯から戻るまでの日数着用開始前。季節別なら切替前に追加する
パンツ工程の汚れ、連続勤務、上下を別々に洗うか上着と別の必要数で決める
防寒着・雨具屋外作業、共用の可否、保管場所必要な季節または配属確定後に渡す
帽子・名札衛生・識別条件、紛失時の交換方法初日の着用開始前にそろえる
その他の付属品職種、工程、個人用か共用か配属先の確認後に不足分を追加する

上下を同じ二枚ずつにすると管理は簡単ですが、汚れ方まで同じとは限りません。

一週間の洗濯の流れを書き出すと、必要な枚数が見えてきます!

初回枚数は、足りなかったときの追加窓口とセットで決めます。多めに配って個人ロッカーへ眠らせるより、よく動くサイズを共通予備にし、必要になった時点で台帳上の使用者を切り替えるほうが在庫を把握しやすくなります。ただし、衛生や個人装備の条件から共用できない品は分けて考えてください。

洗い替えと夏物・冬物の生地の違いを示す接写
洗濯周期と季節から品目別の枚数を考えます(イメージ)

配布後は、実際に不足した品目と追加日を記録します。「毎年この枚数」ではなく、着用実績と追加実績を翌年の基準に反映させるためです。現場ごとに洗濯条件が違う場合は、全社一律の初回枚数を無理に作らず、工程別の基準を持つほうが説明しやすくなります。

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入社式と研修期間の服装をどう扱うか

制服を初日から着るかどうかは、入社式の見た目だけで決めません。初日に現場へ入るのか、座学中心なのか、写真撮影があるのか、更衣室を使えるのかを確認します。研修期間だけ別の服装にする場合は、いつから本制服へ切り替えるかを本人と現場へ同じ内容で伝えます。

初日から制服にする場合

初日から着用するなら、入社式の開始時刻より前に、受け取り、内容確認、着替えができる導線を用意します。更衣室の場所、ロッカー、私物を置く場所も案内に含めます。集合してから袋を開けると、サイズ違いや不足品への対応で式や研修の開始が遅れるため、可能なら事前に個人別セットを検品します。

写真撮影がある場合は、名札の向き、上着の着方、季節品の組み合わせを統一するかを決めます。ただし、撮影用の見た目を優先して、本人のサイズや現場の安全条件を曲げないようにします。撮影後すぐ現場へ移動するなら、そのまま作業できる服装を基準にしてください。

研修中は別の服装にする場合

座学研修中をスーツや指定の私服にするなら、内定案内の段階で具体的に伝えます。「動きやすい服」だけでは、人によって受け取り方が変わります。靴、上着、気温への調整、会社が用意する物を示し、制服へ切り替える日も一緒に案内します。

研修用ウェアを別に貸与する場合は、それも制服台帳へ載せます。本制服と返却日が違うなら、受領控えで区分してください。研修後に使わないウェアを個人ロッカーへ残さず、回収、洗濯、再利用の担当まで決めます。

場面服装の候補事前に伝えること
入社式のみ本制服、スーツ、指定の服装集合時の服装、着替えの有無、持参品
座学研修本制服、研修用ウェア、指定の私服着用期間、靴、温度調整、切替日
現場研修配属工程に合う本制服と必要な付属品着用方法、保管、洗濯、破損時の連絡
配属未定共通品を仮貸与し、決定後に不足分を追加仮貸与であること、交換・返却の時期

注意

採用担当の案内と研修担当の説明が違うと、新入社員は何を持参すべきか判断できません。内定者向け案内、研修日程、制服の受領控えで用語と切替日をそろえてください。

配属が研修後に決まる会社では、全員へ各部署の制服を先回りして用意する必要はありません。共通品だけを支給または貸与し、配属決定後に職種固有の品を追加する流れを作ります。この分け方なら、配属変更による未使用在庫を抑えやすくなります。

渡すときに支給・貸与、洗濯、破損、返却を説明する

制服を袋ごと渡して終えると、本人は会社の物なのか自分の物なのか分かりません。「これ、洗濯機で回していいんですか」という質問が半年後に出てくるのは、たいていここが抜けているときです。支給か貸与か、洗うのは誰か、破れたらどこへ言うか、辞めるとき何を返すか、この四つを受領のその場で伝えておくと、あとの問い合わせがぐっと減ります。口頭だけだと担当者ごとに説明が変わるため、短い案内と受領記録を一組にしておくと確実です。

支給と貸与は品目ごとに示す

一式の中に支給品と貸与品が混ざる場合は、「制服一式を支給」とまとめません。上着は貸与、名札も貸与、消耗する小物は支給というように、品目ごとの所有と返却要否を一覧にします。制服の支給・貸与の違いと貸与規程の作り方を確認すると、社内文書へ入れたい項目を整理できます。

誓約書を使う場合も、署名を集めること自体が目的ではありません。何を何枚受け取ったか、会社の所有物はどれか、通常の使用でいたんだときと紛失したときで連絡先が変わるのか、返却先はどこか。本人が読んで分かる言葉になっているかを、配る前に一度読み返してみてください。費用負担や給与からの控除に関わる扱いは、その場の担当者判断ではなく、社内規程と専門家の確認に沿った運用になります。

洗濯と保管は最初の一回を具体的にする

「各自で洗濯」とだけ伝えると、乾燥機を使えるか、名札を外すか、油汚れを他の衣類と分けるかが分かりません。洗濯表示の見方に加えて、会社独自の回収方法や禁止事項があるなら、最初の一回だけは具体的に伝えてみてください。汚れが強くて通常の洗濯では落ちないとき、どこへ言えばよいのかも決めておきたいところです。

保管場所は、会社のロッカーなのか自宅なのかで扱いが変わります。持ち出さない決まりの服や、会社でまとめて洗う服があるなら、使用済みと洗濯済みをどこで分けるかまで案内が要ります。本人が自分で補修したり、ワッペンを足したりしてよいのかも、破損時の申請手順と合わせて伝えてみてください。

破損・紛失と退職時の返却を先に伝える

破れ、ファスナー故障、落ちない汚れが生じたら、着用を続けてよいかを現場責任者へ確認する流れにしておきます。交換の窓口はどこか、申請には何が要るか、現物を持っていくのか。この三つが決まっていないと、本人は破れたまま着続けることになります。安全や衛生に影響する破損は、次の定期交換まで待たせない判断が必要です。

貸与品は、退職を申し出た時点で返却対象と期限を再度案内します。最終出勤日まで使う品を早く回収すると仕事に支障が出るため、最終着用日と返却日を分けて考えます。退職時の制服返却と回収後の確認手順では、未返却を減らす案内や再支給の判断を詳しく整理しています。

説明項目本人へ伝える内容記録する内容
受領品品名、サイズ、枚数、付属品受領日、本人、管理番号
所有支給品か貸与品か、返却の要否品目ごとの区分
洗濯・保管自宅洗濯か会社回収か、保管場所対象品と例外
破損・紛失使用を止める基準、連絡先、交換方法申請日、状態、交換品
異動・退職返却する品、期限、返却先返却日、状態、不足品

初日に説明が多いほど、制服の話は聞き流されやすいんです。

受領控えに返却先まで書き、退職時にもう一度案内すると伝わりやすくなります。

説明が終わったら、あとから質問できる窓口が一つあると安心です。現場ごとに交換の判断を変える必要があっても、台帳の更新先は統一したほうが在庫と貸与状況を追いやすくなります。本人へ渡した案内の版も残し、後から規程が変わったときに、どの内容を説明したか確認できる状態にします。

新入社員と担当者が制服セットと受領控えを確認する手元
支給・貸与と返却条件を受領時に共有します(イメージ)

制服の支給には、会社の経理・税務上の確認が関わる場合があります。着用の目的、対象者、所有、本人負担の有無などで整理が変わり得るため、支給・貸与という呼び名だけで扱いを決めないでください。制服の支給・貸与が非課税になる条件と現物給与の分かれ目も整理し、制度を新設または変更するときは、給与計算の担当者と顧問税理士へ事前に確認します。

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人数が動いたときは加工前・加工後で対応を分ける

新卒採用では、入社辞退、追加採用、配属変更が起こり得ます。すべてを予測して多めに注文するのではなく、未加工、社名のみ加工済み、個人名加工済みのどの段階かで対応を分けます。転用しやすい状態を長く保つほど、変更時の選択肢が残ります。

個人名は入社後に足す方法もある

社名だけを先に加工し、個人名は入社確認後に追加すると、辞退者分を別の新入社員へ回しやすくなります。個人名が初日から必要な現場では、確定期限を設け、その日以降の変更は仮名札で対応する方法を検討します。名札を使えるかは、引っ掛かりや異物混入など現場の条件に合わせて判断してください。

刺繍した個人名をほどくと、生地に針穴や跡が残ることがあります。他人の名前の上へ新しい名前を重ねる運用は避けます。個人名を入れる位置、表記、旧字体などは本人確認を取り、加工開始後に訂正が出ない流れにします。ユニフォーム名入れの方法と発注手順では、刺繍やプリントを選ぶ判断も確認できます。

予備は全サイズ均等ではなく実績へ寄せる

サイズごとに一枚ずつ予備を置くと、ほとんど動かない号数が残り、よく使う号数だけ足りなくなることがあります。前年の新入社員へ実際に配ったサイズ、交換が出たサイズ、中途入社で追加したサイズを集計します。その分布へ寄せて予備枚数を決めるほうが、実際の変更に対応しやすくなります。

ただし、前年の人数が少ない場合や採用職種が変わる場合は、前年実績だけで固定しません。試着できなかった人の仮貸与用、サイズ交換用、急な増員用を目的別に分けます。予備を使ったら、誰へ渡したかだけでなく、使用目的と補充の要否を台帳へ記録します。

変更加工前の対応加工後の確認
入社辞退同じ品番・サイズを使う別の人や予備へ振り替える個人名の有無を確認し、無理な転用をしない
追加採用共通予備を仮貸与し、追加発注を進める同じ商品と加工仕様を追加できるか確認する
配属変更変更先で必要な品目との差分だけを手配する部署名や個人加工が転用を妨げないか確認する
サイズ変更未加工品の交換条件に沿って入れ替える加工品は共通予備にできるか状態と表記を見る

ポイント

予備は「余った制服」ではなく、用途、品番、サイズ、加工状態、保管場所が記録された在庫として持ちます。使用実績を翌年の発注基準へ戻すところまでが、予備管理です。

同じ品番を翌年も追加できるとは限りません。採用品の継続状況は定期的に確認し、廃番や仕様変更が分かったら、予備を増やす前に後継品と切替方法を決めます。似た商品を混在させる場合は、新旧を誰に出すかを現場へ説明できる基準が必要です。

未使用品でも、個人名や部署名が入っていれば自由に回せません。加工状態を在庫表の列として持ち、未加工品、社名のみ、個人名ありを分けて保管します。袋の外から確認できない場合は、管理番号で内容を照合できるようにしてください。

中途入社と年度途中の支給を同じ仕組みに乗せる

4月の一括採用だけを対象にした表では、中途入社のたびに口頭と個別メールで手配することになります。採用品、サイズ回収、承認、発注、加工、受領、貸与、返却を一つの標準フローにし、4月は同じ案件が多く並ぶ時期として扱います。これなら、年度途中の一人にも同じ確認を適用できます。

入社連絡に制服の必須項目を組み込む

採用担当から総務へ届く入社連絡に、入社日、配属候補、勤務場所、着用開始日、サイズ確認方法を入れます。氏名と入社日だけでは、総務が現場へ聞き直すことになります。配属未定の場合は空欄にせず、「共通品のみ」「決定予定日」のように、次の動きを記録します。

随時採用では、定例発注を待てるのか、初日から必要なのかを区分します。急ぎの場合も、在庫から貸し出す物と新規注文する物を分けます。少人数の追加が続く職場では、注文をまとめる基準と、待たせずに個別手配する基準を決めておくと判断が速くなります。

台帳は在籍者一覧ではなく服の履歴として残す

台帳には、本人、品番、サイズ、枚数、支給・貸与、受領日、加工、交換、返却を記録します。退職者の行を削除すると、予備へ戻った服の由来や前年のサイズ分布が分からなくなります。状態を「在職中に貸与」「返却済み」「洗濯・検品待ち」「共通予備」「使用終了」に変えて履歴を残します。

個人情報を含む台帳と、現場が見る在庫表は分けても構いません。その場合は管理番号で対応させ、更新のタイミングをそろえます。現場が予備を渡したのに総務の台帳へ反映されない状態を避けるため、使用報告の方法を簡単にしておきます。

きっかけ確認する情報台帳で行う更新
入社決定入社日、配属、着用開始日、必要品手配中として本人の行を作る
サイズ確定品番ごとのサイズ、試着・申告日確定日と確認方法を記録する
支給・貸与品目、枚数、加工、管理番号受領日と所有区分を記録する
交換・追加理由、返却品の状態、新しい品旧品と新品を別々に動かす
異動・退職継続使用できる品、返却対象、返却日本人貸与から在庫または使用終了へ移す

4月用と中途入社用で別々の表を作ると、更新方法も二つになります。

同じ台帳へ入社月の列を持たせるほうが、翌年の予備も読みやすいですよ。

一人分だけ不足したときも、初回発注時の品番、色、加工データ、サイズ履歴が残っていれば、年度途中の追加確認を短くできます。逆に記録がないと、現物の写真だけで似た商品を探すことになり、取り違えが起こりやすくなります。少量の追加でも、現行品を継続できるか、加工仕様を再現できるかを発注先へ伝えてください。

年度末には、入社人数、サイズ交換、追加支給、辞退による未使用品、返却、予備の使用回数を振り返ります。翌年度は実績を基に品番と枚数基準を見直し、発注先へ早めに納期を確認します。年次業務として閉じることで、担当者の経験だけに頼らない準備へ変えられます。

新入社員の制服支給でよくあるご質問

最後に、4月入社の準備で判断が分かれやすい点を整理します。会社の規程、現場条件、発注先の交換・加工条件によって答えが変わるため、自社の運用表へ落とす際の確認材料にしてください。

内定承諾前にサイズを聞いてもよいですか?

注文に必要な時期と利用目的を説明し、必要な範囲で集めます。承諾状況が固まっていない段階で個人名加工まで進めると、辞退時に転用しにくくなります。採用品と共通加工を先に決め、本人情報を使う工程は後ろへ分ける方法が扱いやすくなります。

試着できない内定者は大きめを選べばよいですか?

一律に大きめを選ぶのではなく、商品ごとの仕上がり寸法と作業姿勢を確認します。迷う場合は未加工品を仮貸与し、着用前の試着後に確定する方法があります。交換条件、タグの扱い、返却期限を先に決めてください。

制服は全員へ同じ枚数を支給したほうが公平ですか?

公平さを枚数の同一だけで考えると、汚れ方や洗濯周期の違いに対応できません。清潔な服を切らさず仕事ができることを共通の基準にし、工程、勤務日、会社洗濯の回収周期から品目別に必要数を決めるほうが説明しやすくなります。

個人名の刺繍はいつ入れますか?

初日から個人名が必須でなければ、社名のみを先に加工し、入社確認後に個人名を追加する方法があります。辞退や配属変更に備えやすくなるためです。個人名が必要な現場では、表記確認日と変更できなくなる日を本人へ伝えます。

入社辞退者の制服は翌年まで保管できますか?

確認したいのは、未使用かどうか、加工がどこまで入っているか、同じ品番を翌年も継続できるか、保管中に汚れや型崩れが出ないかの四点です。個人名入りを別の人へ回すのは避けてください。未加工品と社名のみの品なら、サイズと保管場所を在庫表へ残しておくと翌年そのまま使えます。

受領時に誓約書は必ず必要ですか?

書類名よりも、支給・貸与の区分、受領品、返却対象、破損時の連絡先を本人と会社が確認できることが大切です。誓約書にするか受領確認書にするかは社内規程に合わせます。費用負担や給与からの控除に触れる条項を置くなら、作業着の費用を会社と本人でどう分けるかと給与控除の注意点を確かめたうえで、人事・労務と専門家へ相談してください。

本記事の情報について

本記事は、新入社員へ制服を支給・貸与する際の一般的な実務情報を提供することを目的としており、個別の会社に対する税務・法務上の助言ではありません。内容は2026年8月の執筆時点の情報に基づいています。実際の規程、給与、費用負担、課税関係などの処理は、雇用条件や運用によって異なる場合があります。

制度を新設・変更するときは、社内の人事・労務・給与計算担当者と整合を確認してください。税務上の取扱いは、実際の支給内容を示したうえで、顧問税理士または所轄の税務署へ確認します。発注や加工については、採用品、数量、納入希望日、変更期限を発注先と個別に確認する必要があります。

よくあるご質問

内定者が遠方で入社前に試着できない場合はどうしますか?

商品ごとの仕上がり寸法と測り方を送り、上着とパンツを別々に申告してもらいます。迷う人には未加工の共通予備を初日に仮貸与し、試着後に本支給品へ交換する方法もあります。タグを外す前に確認すること、交換期限、仮貸与品の返却先、加工開始後は変更できない可能性を案内してください。

内定辞退が出た場合、個人名を刺繍した制服は別の人に使えますか?

個人名の刺繍をほどくと、生地に針穴や糸の跡が残ることがあります。他人の名前の上へ新しい名前を重ねる運用も避けたほうがよいです。辞退の可能性がある段階では社名のみを加工し、個人名は入社確認後に追加すると転用しやすくなります。加工済み品は表記と状態を記録し、安易に共通予備へ戻さないでください。

新入社員へ制服を何枚支給すれば足りますか?

一律の正解はなく、着用中、洗濯中、次に着る分が切れないかを品目ごとに確認します。一日の着替え回数、連続勤務、自宅洗濯か会社回収か、乾燥にかかる時間、職場の共通予備を見て決めます。上着とパンツの汚れ方が違えば同じ枚数にする必要はなく、実際の追加支給を翌年の基準へ反映します。

研修中だけ私服にする場合、制服の納品は配属後でもよいですか?

配属日から必要な制服と付属品がそろい、事前に検品と仕分けができる日を納入希望日にします。研修終了日に配属と着用を同時に始めるなら、当日納品では交換へ対応できません。配属未定なら共通品だけ先に用意し、職種固有の品は決定後に追加する方法があります。本人には研修中の服装と制服へ切り替える日を同時に伝えてください。

貸与する制服の受領時は誓約書を取るべきですか?

書類名だけで決めず、品名、サイズ、枚数、管理番号、所有者、返却対象、破損・紛失時の連絡先を本人と会社が確認できる形にします。誓約書または受領確認書を使う場合は、本人が控えを見返せるようにしてください。弁償や給与からの控除に関する条項を設けるときは、担当者の判断だけで決めず、人事・労務と専門家へ確認します。

中途入社が一人だけの場合も新卒と同じ手順が必要ですか?

確認項目は同じにし、発注の単位だけを変えると管理しやすくなります。入社日、配属、着用開始日、採用品番、サイズ、加工、支給・貸与を同じ台帳へ記録します。共通予備を仮貸与するなら、その管理番号と返却・振替日も残してください。一人分を急いで別商品にすると後の追加や交換が難しくなるため、現行品を追加できるかを先に確認します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。