ユニフォームへ会社名やロゴを入れたいものの、プリントの種類が多く、見積もりを見ても違いが分からない。そんなときは、仕上がりの好みだけでなく、枚数、色数、生地、洗濯方法の順に条件を整理すると選びやすくなります。シルクスクリーン、転写、DTF、昇華には、それぞれ得意な条件があります。この記事では、発注担当者が加工方法を比較し、現場に合う名入れを依頼するための判断軸を具体的に解説します。

この記事を書いた人中村被服 企業ユニフォーム事業部創業100年以上・山口県防府市。山口の企業のユニフォーム発注を、営業が現場で日々お手伝いしています。プロフィール →

目次

結論:プリントの種類は枚数と色数で決まる

最初に見るのは、デザインよりも同じ柄を何枚へ、何色で入れるかです。同一デザインをまとまった枚数へ印刷するなら、版を作るシルクスクリーンが候補になります。少ない枚数、多色、細かな柄なら、版を使わない転写やDTFが比較しやすい方法です。昇華は生地の素材と色が合う場合に力を発揮します。

ただし、「10枚なら必ず転写」「50枚なら必ずシルク」という一律の境目はありません。プリントの大きさ、色数、位置の数、ウェアの形、再注文の見込みによって費用の出方が変わるからです。見積もりでは加工単価だけでなく、版代、データ調整、転写シートなどの初期費用を含む総額を見てください。

発注条件比較の起点になる種類先に確かめたいこと
同じ単色ロゴをまとまった枚数へ入れるシルクスクリーン版代、再注文時の版の扱い、位置ごとの費用
少量で多色や細かな表現を使うDTF・熱転写輪郭、表面の質感、転写できる範囲
個人名や番号を一枚ずつ変える転写・DTF可変部分のデータ作成方法、文字サイズ
淡色のポリエステルへ広く柄を入れる昇華素材組成、生地色、熱への対応
撥水・難燃・帯電防止などの機能服方法を決める前に個別確認加工後の性能、接着、熱の影響

方式を決める前に、発注予定を「初回分」と「追加分」に分けることも大切です。初回は多くても、以後は新入社員用に一着ずつ追加する運用があります。初回の単価だけで選ぶと、追加時に版の再作成や最低枚数が必要になり、長期の費用が想定とずれる場合があります。

枚数・色数・生地からプリント方式を絞る判断軸 同じ柄を入れる枚数、色数と表現、生地の素材と機能を順に確認し、シルクスクリーン、転写・DTF、昇華の候補を絞る図。機能服は方式を決める前に現物で個別確認する。 3つの条件からプリント方式を絞る 1 枚数 同じ柄を何枚へ入れるか 初回と追加分を分けて考える 2 色数・表現 単色か、多色・写真調か 細線や可変文字の有無も確認 3 生地 素材・色・表面加工を確認 熱、接着、機能への影響を見る 条件を重ねて候補を比較 一律の枚数だけでは決めない シルクスクリーン 同じ柄・少ない色数 まとまった枚数が起点 版代を含む総額で比較 転写・DTF 少量・多色・細かな柄 個人名など可変加工 面積と生地適性も確認 昇華 淡色ポリエステル 広い柄・写真調の表現 素材と生地色が前提 個別確認 撥水・難燃・帯電防止 熱に弱い素材・付属品 現物で試作する 最終判断は、同じウェア・同じ実寸の見積もりと試作をそろえて行う
枚数、色数と表現、生地の条件を順に整理し、比較するプリント方式を絞る

迷ったときは、同じウェアと同じサイズのデザインで複数方式の見積もりを取ります。条件が違う見積書を合計金額だけで比べても、方式の差は読み取れません。ウェア代、加工の初期費用、一枚当たりの加工費、追加発注条件をそろえて比べると、社内説明もしやすくなります。

「一番きれいな方法はどれですか」とよく聞かれます。

先に枚数と色数、追加の出方が分かると、見た目も費用も合う候補へ早く近づけますよ。

シルクスクリーンの特徴

シルクスクリーンは、デザイン部分を通してインクを生地へ載せる方式です。基本的には色ごとに版を用意し、一色ずつ重ねて表現します。同じデザインを繰り返し印刷しやすいため、単色や少ない色数のロゴをまとまった枚数へ入れる案件で比較対象になります。

強みは、指定したインクと生地の組み合わせで、はっきりした色面を作りやすいことです。胸や背中へ同じ社名をそろえて入れるような用途では、統一感を出しやすくなります。一方、細い線、小さな抜き、色の境界は、版やインク、生地表面の凹凸によって見え方が変わります。紙のデータと衣服上の仕上がりが完全に同じになるとは限りません。

向きやすい条件同じ柄、少ない色数、まとまった枚数、明確なロゴや文字
費用の特徴版代が先にかかり、枚数が増えると一枚当たりへ分散しやすい
データで見る点細線、小さな文字、色ごとの分版、印刷する実寸
追加時に聞く点版の保管期間、再利用条件、色や位置を変えた場合の扱い

色数が増えると、必要な版と印刷工程も増えるのが一般的です。グラデーションや写真のような表現は、単純なベタ一色とは別の設計になります。「ロゴは三色」と数える前に、白い下地を使うか、ウェアの地色を一色として生かすかを加工先へ確認してください。見た目の色数と見積もり上の色数が一致しないことがあります。

ポイント

シルクスクリーンの見積もりでは、「何版か」「一つの版をいつまで再利用できるか」「追加時に同じ色を再現する条件」を確認します。初回と追加を合わせて考えると、版代を含む比較がしやすくなります。

ジャケットの縫い目やポケット、ファスナーの近くは、平らに固定しにくい場合があります。希望位置へそのまま印刷できるとは限らないため、完成イメージだけで位置を確定しないことが大切です。ウェアの品番とサイズ展開を示し、最も小さいサイズでもロゴが収まるかを見てもらいます。

刺繍も候補に含めたい場合は、刺繍とプリントの違いを用途別に比べる記事も参考になります。細かな柄の見え方、凹凸、加工できる位置は方式で異なります。ロゴの印象だけでなく、着用する現場と洗濯条件を含めて選んでください。

転写(熱転写)の特徴

転写は、シートなどに用意した柄を、熱と圧力で生地へ定着させる方法の総称として使われます。カットしたシートを使う方法、印刷済みのシートを使う方法などがあり、同じ「熱転写」という呼び名でも材料や工程は一つではありません。見積もりを取るときは、呼称だけで比較せず、どの材料を使うのかを確かめます。

個人名、番号、部署名のように、一枚ずつ内容を変える加工と組み合わせやすい点が特徴です。版を作らない方法なら、少ない枚数から検討しやすくなります。単色のシートは輪郭が明確な文字に向く場合があり、複数色を印刷したシートはロゴやイラストをまとめて移せます。

転写シートを作成して衣類へ熱圧着する工程 実寸データの確認、転写シートの出力またはカット、不要部分の除去、衣類への位置合わせ、熱と圧力による圧着、冷却後の仕上がり確認までの6段階。 転写プリントの基本工程 使用するシートや生地に合わせて温度・時間・圧力を調整する 1 データを実寸で確認 大きさ・向き・輪郭 可変文字も照合する 2 シートを用意 印刷またはカット 材料と方式を確認 3 不要部分を除く 必要な柄だけを残す 欠けや混入を点検 4 位置を合わせる 基準線と実寸で配置 縫い目・付属品を避ける 5 熱と圧力で圧着 指定条件でプレス 生地への熱影響に注意 6 冷却・仕上がり確認 端部・発色・接着を点検 必要に応じて再プレス 採用品と同じウェアで、プレス跡・接着・着心地まで試作確認する
転写シートの準備から位置合わせ、熱圧着、仕上がり確認までの基本的な流れ

注意したいのは、熱をかければどのユニフォームにも付くわけではないことです。表面の撥水加工が接着を妨げる、熱で生地に光沢や跡が出る、伸縮にシートが追従しにくいといった可能性があります。ナイロンやポリエステルなど素材名が同じでも、表面処理や混率、織り方で結果が変わるため、品番単位の確認が必要です。

「前の服には付いたから、今回も同じで大丈夫」とは限らないんです。

ウェアが変わるときは、加工も新しい生地で確かめると安心です。

大きな一枚物のシートは、デザイン部分の通気を妨げたり、曲げたときの硬さが気になったりする場合があります。夏用の薄いウェアやストレッチ生地では、面積を小さくする、柄の中を抜く、別の方式にするという調整が考えられます。着た状態で腕や背中を動かし、突っ張りと肌当たりを確認してください。

注意

熱転写の材料によって、推奨される洗濯温度、乾燥、アイロンの条件は異なります。支給後に同じ案内を配れるよう、加工した衣類に適用する取扱条件を納品前に確認してください。

DTFの特徴

DTFは「Direct to Film」の略で、専用フィルムへデザインを印刷し、接着に使う層を介して熱と圧力で衣類へ転写する方法です。写真調、細かな線、多色のロゴを一つの転写物として扱いやすく、色ごとの版を作らない点がシルクスクリーンとの大きな違いになります。

多色だから自動的にDTFが最適、というわけではありません。デザインの面積が大きいと表面の質感が目立ちやすくなり、生地の伸びと加工部分の伸びが合わない場合もあります。小さな胸ロゴと背中一面の図柄では、同じデータでも着心地と費用が変わります。

確認項目発注時に伝える内容試作品で見ること
ロゴデータ、ウェア色、希望する見え方濃色生地での白下地、色の沈みや差
線と文字実寸、最小文字、細い線や抜きの箇所輪郭、つぶれ、細部の再現
面積胸・袖・背中など位置ごとの大きさ曲げやすさ、通気、肌当たり
生地ウェアの品番、素材組成、機能表示接着、プレス跡、生地の変化
洗濯家庭洗濯か業務洗濯か、乾燥方法端部、ひび、色、伸びの変化

データは、画面で拡大した状態ではなく、実際に印刷する大きさで確認します。細い文字や線は、縮小すると読みにくくなったり、転写後に輪郭が安定しなかったりします。背景を透明にする範囲、白を印刷する範囲、ロゴ周囲の余白を加工先と共有すると、意図のずれを減らせます。

単色と多色のプリント表現の比較
色数と細かさで候補となる方式が変わります(イメージ)

加工先を比較するときは、少量へ対応できるかだけで決めず、初回の試作条件と追加時の最小枚数も確認します。同じDTFという名称でも、使う材料、データ調整、対応できる生地や加工面積は加工先によって異なります。候補を同じウェア、同じ実寸、同じ枚数で比べると、方式名だけでは見えない違いを整理できます。

ポイント

DTFを比較するときは「多色にできるか」だけでなく、実寸での細部、加工面積による着心地、対象生地への接着、洗濯方法まで見ます。できれば採用品と同じ品番・色でサンプルを確認します。

昇華転写が使える生地

昇華転写は、専用紙などへ印刷した染料を熱で気化させ、主にポリエステル素材へ染み込ませるプリント方式です。生地表面へ厚いシートを貼る仕組みとは異なり、風合いを保ちながら写真やグラデーションを表現しやすい方法です。スポーツ用途のユニフォームや、広い範囲へ連続した柄を入れたい場合に使われます。

基本の候補は淡色のポリエステル生地です。濃い色の生地へ淡いインクを載せても、白い下地がある転写方法と同じ見え方にはなりません。綿を多く含む生地や、ポリエステル以外の素材では、一般的な昇華転写が想定どおりに発色・定着しないことがあります。

素材ポリエステルを中心に、対象商品が昇華へ対応するか確認する
生地色白や淡色が基本。地色がプリント色へ与える影響を見る
柄の範囲完成した服へ部分加工するか、生地段階で広く加工するか確認する
素材、付属品、機能加工がプレス条件へ対応するか確認する
再現画面の色ではなく、対象生地へ出した色見本で判断する

「ポリエステル100%」という表示だけで採用を決めないでください。ボタン、ファスナー、反射材、裏地、芯地など、衣服には異なる材料が使われています。部分的に熱へ弱い箇所があれば、加工位置や方法が制限される可能性があります。完成品へ加工する場合は、衣服全体の仕様を確認する必要があります。

昇華は「ポリエステルなら何でも同じ」ではありません。

生地色と付属品まで見ておくと、発色や熱による行き違いを減らせますよ。

全面柄のユニフォームは、既製品へのワンポイント加工とは発注の流れが異なる場合があります。デザイン作成、色見本、サイズごとの柄位置、縫製前後のどの段階で加工するかを早めに確認します。小さな社名を一か所へ入れるだけなら、DTFや別の転写のほうが条件に合うこともあります。

生地との相性は機能生地ほど慎重に確認する

撥水、難燃、帯電防止といった機能を持つ生地は、一般的なTシャツと同じ感覚でプリント方法を決めないことが大切です。熱、圧力、インク、接着材料が加わることで、加工部分やその周辺の性能が変わることがあります。加工が付くかどうかだけでなく、ユニフォームに求めた機能を保てるかを確認します。

撥水生地は接着と撥水性の両方を見る

水をはじく表面は、転写材料が付きにくい場合があります。強い条件で圧着すれば解決するとは限らず、熱や圧力によって表面の見え方が変わる可能性もあります。加工予定の品番と色で試し、接着の状態、プレス跡、加工周辺の水のはじき方を比べます。

難燃生地は加工後の用途適合を確認する

難燃性が必要な現場では、衣服本体だけでなく、追加するプリント材料も使用環境へ適するかを考える必要があります。一般的な転写シートを付けた状態で、元の衣服と同じ性能を当然に期待することはできません。必要な規格や社内基準がある場合は、安全衛生の担当者と加工先へ用途を伝え、仕様書に基づいて判断してください。

帯電防止生地は加工面積と位置に注意する

帯電防止ユニフォームは、生地や導電性繊維、設計を組み合わせて性能を持たせている商品があります。表面を大きなプリントで覆うと、衣服として想定された性能へ影響する可能性を考えなければなりません。袖や胸へ入れる小さな名入れでも、要求される性能と試験条件を確認します。帯電防止作業服の考え方は、静電気対策に合う作業服の選び方も参照してください。

機能生地と小さなプリント加工見本
機能生地は品番ごとに加工可否を確かめます(イメージ)

機能表示は、商品ごとに対象と条件が異なります。「撥水」「難燃」「帯電防止」という名称が同じでも、すべてが同じ加工条件に耐えるわけではありません。カタログの素材組成だけで判断せず、ウェアの品番、メーカーの加工可否、使用現場、洗濯方法を一つにまとめて照会します。加工するウェア自体を絞り込むときは、綿・ポリエステル・ストレッチ生地を現場別に選ぶ基準も確認すると、素材と使用条件を整理しやすくなります。

注意

機能生地へプリントした場合、元の商品が示す性能や保証の扱いが変わることがあります。採用前に衣服側の仕様と加工材料側の条件を確認し、必要なら未加工品と加工品を分けて評価してください。

安全上の性能が必要な服では、ロゴを入れない判断も選択肢です。表示が必要なら、別の衣類、ヘルメット、着脱できる表示物などで識別する方法を検討できます。見た目の統一より安全要件を先に置き、社内の管理部門を含めて決めてください。

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洗濯耐久の違い

プリントの耐久は、方式名だけでは決まりません。インクや転写材料、生地、加工条件、デザイン面積、洗濯方法が組み合わさって変わります。「DTFは何回」「シルクスクリーンは何年」という一つの数字で比べると、実際の運用から外れるおそれがあります。

家庭洗濯、業務用洗濯、乾燥機、漂白剤、アイロンでは、加工部分へかかる熱や薬剤、摩擦が異なります。工場や介護施設でまとめて洗うユニフォームは、家庭でやさしく洗う衣類より条件が厳しくなる場合があります。発注時に「洗濯します」とだけ伝えず、温度、洗剤、乾燥方法、頻度を分かる範囲で共有します。

観察する変化確認方法運用で見直すこと
端の浮き・剥がれ転写部分の角と細い箇所を指で確認する洗濯ネット、裏返し、乾燥温度
ひび・伸び着用時に伸びる胸、背中、袖を見る加工面積、位置、ウェアサイズ
退色・色移り新品見本と洗濯後を同じ光で比べる洗剤、漂白、濃淡品の分別
生地の変化プレス跡、光沢、縮み、機能部分を見る加工条件、乾燥、アイロン
読みにくさ着用距離から社名や番号を確認する文字サイズ、線幅、交換基準

耐久を比較するなら、採用品と同じウェア、同じ色、同じデザインでサンプルを作ります。そのサンプルを実際の洗濯条件で複数回洗い、新品と並べて記録してください。試験回数を決めるときは、想定する支給期間と洗濯頻度から、自社に必要な確認範囲を設定します。

洗濯テストで残す記録

  • ウェアの品番・色・サイズ
  • プリント方式、位置、大きさ
  • 洗剤、温度、洗濯と乾燥の方法
  • 洗濯回数ごとの写真と変化
  • 着用時の伸び、硬さ、肌当たり

支給時には、加工後の衣類に合う洗濯方法を着用者へ伝えます。洗濯表示は衣服本体の条件であり、追加したプリント材料の条件をすべて示しているとは限りません。衣服側と加工側のうち、より慎重な条件に合わせる必要があるかを加工先へ確認してください。

傷みが見つかったときは、個人の洗い方だけを原因にせず、同じロットや同じ位置にも変化がないかを見ます。加工条件、デザイン、サイズ選び、乾燥工程が影響している可能性があります。交換基準を決め、読めない社名や剥がれた端を放置しない運用にします。

費用の出方は版代と単価で比べる

プリント費用は、主に初期費用と一枚当たりの加工費に分けて考えます。シルクスクリーンは版代が発生し、版を使わない転写やDTFはデータ処理や転写物の作成費が中心になる場合があります。名称が同じ方式でも料金体系は加工先で異なるため、項目名だけで高い・安いを決めないでください。

総額は「初期費用+一枚当たりの単価×枚数」を基本に見ます。色数、加工位置、プリントの大きさ、ウェアの持ち込み可否、袋開けやたたみ直しなどが加わることもあります。胸と背中へ入れるなら二位置として数えられるのか、左右の袖で費用がどう変わるのかも確認が必要です。

見積もり項目シルクスクリーンで見る点転写・DTFで見る点
初期費用色・位置ごとの版代、データ調整データ調整、出力準備、試作
加工単価枚数、色数、位置、大きさ転写面積、位置、枚数、材料
追加注文版の保管と再利用、最低数量データの保管、少量時の単価
変更色・寸法・位置変更で新しい版が必要かデータ修正と転写物の再作成
付帯作業個包装、仕分け、支給単位の表示個別名や番号の照合、個包装

損益分岐の枚数は、版代の差と一枚当たり単価の差から案件ごとに変わります。仮にシルクスクリーンの初期費用が高く、加工単価が低い見積もりなら、枚数が増えるほど初期費用を分散しやすくなります。逆に少量では、版のない方式の総額が抑えられる場合があります。実際の境目は見積もりを並べて計算してください。

ユニフォーム見本とプリント費用を比較する発注担当者
初回費用と追加費用を同じ条件で比べます(イメージ)

比較表には、初回50枚のような一度の発注だけでなく、追加一着、追加十着など自社で起こりそうな注文も入れます。部署名や個人名を変える場合、ロゴは同じでも可変部分の費用が別に出ます。退職や異動で個人名入りの在庫を転用しにくい点も、発注数量を考える材料です。

一枚の単価だけを見ると、追加注文で予算が合わなくなることがあります。

初回と追加を同じ表へ入れると、社内でも説明しやすいですよ。

新規採用やサイズ交換が多い会社では、小口の追加がしやすい方式に価値があります。一方、毎年まとまった更新があり、ロゴと位置が変わらないなら、版を使う方式を長期で比較する意味があります。追加発注の考え方は、制服を一着だけ追加するときの確認事項でも整理しています。

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プリント方法を選ぶ手順

選定は、方式名から始めるより、使用条件を一枚の依頼書へまとめるほうが進みます。現場、ウェア、デザイン、枚数、洗濯、追加発注の順に情報を集めます。条件が欠けたまま「シルクとDTFのどちらが安いか」と聞いても、同じ前提の回答になりません。

1. 用途を決める識別、会社名、個人名、安全表示、デザインのどれが目的か
2. ウェアを特定する品番、色、サイズ、素材、撥水・難燃・帯電防止などの機能
3. デザインを実寸化する色数、大きさ、位置、最小の文字や線、可変部分を整理する
4. 数量を分ける初回枚数と、追加時に想定する最小枚数を出す
5. 洗濯条件を伝える洗剤、温度、乾燥機、漂白、洗濯頻度を共有する
6. 試作して決める色、接着、着心地、洗濯後、機能への影響を確認する

最初に加工の目的を一つに絞ります。遠くから部署を見分けたいのか、来客へ会社名を見せたいのか、着用者の氏名を示したいのかで、必要な大きさと位置が変わります。小さな胸名入れで足りる目的に、背中全面の加工を選ぶ必要はありません。プリント以外も含めて選定するなら、刺繍・プリント・ワッペンを使い分ける名入れガイドで加工方法と位置を比較できます。

加工先へ渡す依頼メモ

  • ウェアの品番・色・サイズ範囲
  • 初回と追加の予定枚数
  • ロゴデータと希望する実寸・位置
  • 色数と個人名・番号など可変部分
  • 使用現場、必要な生地機能、洗濯方法
  • 希望時期と社内確認に必要なサンプル

次に、候補ウェアを先に特定します。加工方法だけ決めてから衣服を選ぶと、ポケットや切り替え線にロゴが重なる、熱に弱い付属品がある、機能を損なう可能性があるという問題が出ます。

見積もりは、少なくとも「初回の総額」「追加時の条件」「版またはデータの保管」「試作の扱い」をそろえます。納期は、ウェア在庫、データ確定、試作確認、加工枚数によって変わります。使用開始日から逆算し、社内でロゴと色を承認する日も予定へ入れてください。

試作品は発注担当者だけで決めず、実際に着る人と洗濯を担当する人にも見てもらいます。見た目、動作、肌当たり、乾き、洗濯後の変化を同じ評価票へ残します。機能生地を使う場合は、安全や品質を管理する担当者も確認に加わります。

採用後は、ウェアの品番、プリントデータ、方式、色、寸法、位置、洗濯案内を保管します。写真だけでは大きさや位置を再現しにくいため、衿や縫い目からの距離も記録しておくと追加時のずれを減らせます。

プリントの種類についてよくあるご質問

最後に、発注前に迷いやすい点を短く整理します。ここでの回答は一般的な考え方です。実際の可否と仕上がりは、ウェアの品番、加工材料、デザイン、使用環境を加工先へ示して確認してください。

少ない枚数ならDTFが一番安くなりますか?

版代がない方式は少量で比較しやすいものの、DTFが常に最安とは限りません。加工面積、位置、データ調整、試作、個別の名前や番号によって総額が変わります。シルクスクリーン、ほかの転写、刺繍も同じ条件で見積もり、初回と追加の総額を比べてください。少量発注に特有の単価と追加手順は、名入れを小ロット・一着から頼むときの費用の見方で詳しく整理しています。

シルクスクリーンの版は次回も使えますか?

版の保管期間と再利用条件は加工先によって異なります。保管期間内でも、デザインの寸法、色、位置を変えると別の版が必要になる場合があります。発注日、版の識別方法、保管期限、追加できる最小枚数を見積書や発注記録に残します。

写真やグラデーションはどの方式が向きますか?

多色や階調表現ではDTFや印刷した転写物、条件が合えば昇華が候補になります。ただし、実寸での解像感、生地色、白下地、加工面積によって見え方は変わります。画面だけで承認せず、対象の生地へ出したサンプルを着用距離から確認してください。

防水・撥水ウェアにも会社名を入れられますか?

加工できる商品はありますが、表面処理によって接着しにくい場合や、熱と圧力で見た目・性能が変わる場合があります。「撥水」とだけ伝えず品番を示し、メーカーの加工条件とサンプルを確認します。用途上の性能を優先するなら、加工しない選択も含めて検討してください。

プリント位置は胸・背中・袖のどこがよいですか?

来客へ会社名を見せるなら胸、離れた場所から所属を識別するなら背中など、目的から決めます。袖は面積が限られ、縫い目や腕の曲面の影響を受けやすい位置です。ポケット、ファスナー、安全帯などの装備と重ならないか、全サイズで確認してください。

相談時に何を用意すればよいですか?

ウェアの品番または用途、希望枚数、ロゴデータ、色、大きさ、位置、使用開始時期を用意します。撥水・難燃・帯電防止など必要な性能と、洗濯・乾燥方法も分かる範囲でまとめてください。初回分と追加分の枚数を分けておくと、版代や小口追加の条件を含む見積もりを比較しやすくなります。

本記事の情報について

本記事は、ユニフォームのプリント方法を選ぶための一般的な情報提供を目的としています。内容は執筆時点の情報に基づき、個別の商品、加工材料、使用環境で仕上がりや適否は異なります。実際の加工可否と必要な性能は、対象ウェアの仕様書を確認し、加工事業者や商品供給元へご相談ください。

また、購入費や加工費に関する会計・税務上の取扱いは、契約、支給方法、使用実態などで判断が変わる場合があります。本記事だけで処理を確定せず、実際の処理は顧問税理士または所轄の税務署へ確認してください。

よくあるご質問

少ない枚数ならDTFが最も安くなりますか?

版を作らないDTFは少量で比較しやすい方法ですが、常に最安とは限りません。加工面積、位置、データ調整、試作、個人名や番号の有無で総額が変わります。同じウェア、同じ実寸、同じ枚数でシルクスクリーンやほかの転写も見積もり、初回と追加時の費用を比べてください。

シルクスクリーンの版は追加注文でも使えますか?

版の保管期間と再利用条件は加工先によって異なります。期間内でもロゴの寸法、色、加工位置が変わると、新しい版が必要になる場合があります。見積もり時に保管期限、追加時の最低枚数、再利用できる条件を確認し、版の識別情報と一緒に社内の発注記録へ残してください。

撥水ウェアへ熱転写しても性能は変わりませんか?

表面の撥水処理によって転写材料が接着しにくい場合があり、熱や圧力で加工部分と周辺の見え方・性能が変わる可能性もあります。品番と使用環境を加工先へ伝え、衣服側の仕様と材料側の条件を確認してください。必要な性能がある場合は、採用品と同じ色でサンプル評価を行います。

昇華転写は綿のユニフォームにも使えますか?

一般的な昇華転写は、主に白や淡色のポリエステル素材が対象です。綿を多く含む生地では、想定どおりに発色・定着しない場合があります。素材名だけで決めず、対象商品の組成、生地色、付属品の耐熱性、昇華への対応を確認し、実際の生地へ出した色見本で判断してください。

洗濯に強いプリント方式はどれですか?

耐久は方式名だけでなく、インクや転写材料、生地、加工条件、デザイン面積、洗剤、乾燥温度などの組み合わせで変わります。採用品と同じウェアへ同じ大きさで試作し、実際の洗濯・乾燥条件で変化を確認してください。支給時には加工後の衣類に合う取扱方法も共有します。

見積もりを比較するときは何をそろえればよいですか?

ウェアの品番・色、ロゴの実寸と位置、色数、初回枚数、追加時の最小枚数を同じ条件にします。版代やデータ調整、試作、個別名、包装などを分け、初回総額と追加時の総額を確認してください。版やデータの保管期間、洗濯条件、納品後の仕様記録も比較項目に含めます。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。規格・法令の適用可否や最新の仕様は、製品カタログや公的機関・各メーカーの情報で必ずご確認ください。

中村被服株式会社 企業ユニフォーム事業部

大正13年(1924年)創業、100年以上にわたる被服づくりの経験を活かし、山口県防府市を拠点に製造業の作業服・事務服・空調服・保護具の選定から、社名刺繍・プリントの自社加工、名入れ後の追加発注まで対応しています。山口・広島・福岡エリアの現場のユニフォームを、選定から運用までまるごとお手伝いしています。